ネットを巡回していると、時折「ホンモノ」だと思う人が出てくる。
長期的に黒字を確保していると思われる人である。
先日、何年かぶりに、1枚の画面の写真から「そういう(かもしれない)人」を見つけた。
ほんの少し古いものだったが、画像は、1年間のPATの集計だった。
僅かなデータを手掛かりに、その戦術を推定していくと、なんだかワクワクしてくる。
こういう作業は、宝探しにも似ていて面白いのだ。
どのようにして勝ち組になったのか。
以下は、あくまで、わたしの推測である。
また、わたしの推測とはいっても、一部で明らかにしなかったり、具体的根拠等の記載を省略したりする。
画像も載せない。
お断りもしていないし。
画像のご当人にご迷惑をかけるわけにはいかないので、読者の皆さんにはご了承願いたい。
先ず、画像の概略を説明する。
PATの1年間の集計画面である。
2,400以上のレースに投票して、レース的中率は概ね24%であった。
レース的中率には波があって、最小で20%、最大で30%だった。
開催別には12回に分かれていて、赤字が前半に集中し、4か月間、回収率90%前後を推移するが、年半ばからは110%以上を叩き出し、年間では114%だった。
すなわち、年間収支はプラス14%ということである。
賭け金は残高に応じて変わり、加速度的に増加したから、1,000万円を超える黒字である。
配当の最大単価は20万円超だが、万馬券の的中は全的中の1割未満である。
この画像1枚から、賭け方などを推測するのだ。
券種
1種類と仮定すると、ある券種にたどり着く。
レース的中率、万馬券出現率、最大単価から推定できる。
複数の券種を併用している可能性は低いと思われる。
買い方
券種の推定が正しいとして、おそらく軸を決め、何頭かの紐を選んで賭けている。
最大単価の馬券以外は買い方が分からないが、買い目を幅広にしていると思われる。
少なくとも1点買いではない。
「総流し」でもなく、紐を少し絞っているため、レース的中率が24%になったと推定される。
見送りレースがあるけれど、自信のある/ないではなく、少頭数のレースを買わないようにしている可能性が高い。
後述するが、時折得られる高額配当を狙う戦術と思われ、的中しやすくても高額配当になりにくい少頭数のレースは買わないのだろう。
平地競走の70%以上に賭けていることから、おそらく12頭未満のレースは見送っているかもしれない。
買い方は均等買いであろう。
トリガミのレースは少なくないと思われるが、段差買いはしていないように思う。
ただし、これには確たる自信はない。
賭ける金額が大きくなるにつれ、多少の段差買いをしているかもしれない。
レース的中率を見る限り、その可能性は低いと思うけれど。
軸
軸は、複数の軸でなければ、比較的オーソドックスな予想だろうと思う。
勝率20%台前半、連対率35-40%、複勝率45-50%前後ではないだろうか。
ただ、平均との決定的な違いは、軸馬の「1番人気連動率」が一般的な予想者より低いと思われる点だ。
一般的には、軸馬の選定にあたって、高い勝率、連対率、複勝率を狙いがちである。
その結果、どうしても1番人気馬と被ってしまう。
選んだ軸が1番人気だったら外す、といった当日のオッズを比較する作業はしていないだろうと思われるから、最初から1番人気と連動しにくい軸選びができているのだろう。
これこそがこの勝ち組の人の心臓部だと思う。
紐
紐となる馬は、全馬総流しではなく、かと言って絞り過ぎず、少し幅広目にピックアップしていると推定される。
レース的中率や収支の数字からそのように推測される。
▼ホンモノのサムライ
以上がわたしの推測である。
まったく的外れかもしれないが、わたしの考えられる限りで推し計った。
シミュレーションを繰り返して、画像で拾える数字と矛盾がないようにした結果で申し上げている。
もっと詳しく説明したいが、最初にお断りしたように、ご当人に差し障りがあるといけないからこれくらいにとどめる。
収支黒字になる方法には2種類あって、徹底的に的中率を上げる神様的方法と、時折大きな馬券を当てる一発屋的方法がある。
一発屋ということばに負のイメージがあるようなら、野球のホームランバッターと置き換えても良い(わたしには「一発屋的方法」にマイナスイメージを持っていない)。
後者のほうが近道だが、今回ご紹介したのはこの後者の典型例だ。
特に、心臓部の軸馬選定、馬券の特性を考えた戦術には感動した。
それだけではない。
トリガミを恐れない、というか気にしない。
長期間のスランプにも耐える(なお、年に1、2回やり方を変更した可能性がある)。
回収した資金は惜しげもなく再投資する。
この、誰でもできそうで、できていない強さがこの人にはあると思う。
ただのPATの画像で数字ばかりだが、馬券投票者の心得が滲み出ていた画像であった。
戦術と心得、この両輪が勝ち組の要件と言っても過言ではないだろう。
(SiriusA+B)