2025年8月3日日曜日

第527夜 穴馬探し(1)5戦連続大敗馬


▼正確に言えば見どころがないわけではない
予想者にとって、凡走を続けた馬が突然激走し、これを的中させるというのは醍醐味であろう。
ただし、予め申し上げるが、そういう馬はほとんどいない。
ゼロではないが、限りなくゼロに近い。
ここでは、「中央デビューから5戦、いずれも9着以下に敗退した馬」を「見どころのない馬」と定義することにしてみよう(ヒドイ……)
わたしの手元計算では、5回以上出走したのは44,296頭、うち該当馬は2,445頭である。
その中で最終的に1勝以上できたのは、僅か37頭しかいない(2009年以降生まれで2011-2024年中央競馬平地競走において)。過去には毎年何頭かは出現したが、回転の速い昨今では12頭である。
もちろん、馬券に絡む3着以内も含めれば若干増えよう。
ただ、少ないことは間違いない。
あまりロマンを追い求めないほうが良い。
それを頭に入れたうえでの話として、今晩の話である。

37
頭での最大の出世頭はダイメイプリンセス号(図表526-1の馬A)で、最終的に2018年アイビスサマーダッシュ(G3)など40戦で7勝した。
初戦9着から始まり、11着、13着、14着、10着と5戦続けて9着以下であった。
6
戦目に3着に入り、7戦目に未勝利戦を勝ち、以降は大きく崩れることは少なくオープン馬になっていく。
そのほかの36頭では3勝馬2頭、2勝馬9頭、残りが1勝馬である。
彼ら彼女らは、ある日突然激走したり、次第に成績が上がり人気が追い付き順当勝ちしたりとさまざまである。
突然激走する馬でも、近走では逃げるまではいかなくても前のほうで走ったり、上がり3ハロンが良かったりと予兆は少なからずあった。
見どころはあったのだ。
ただ、「この馬だ」と選ぶほどではなかった。
前のほうで走る馬など山ほどいるし、上がりが良い馬も多い。
同じような特色ならば、もう少し成績の良い馬を選ぶだろう。

(
図表527-1)中央デビューから5戦、いずれも9着以下に敗退した馬で勝利した馬(2009年以降生まれで2011-2024年中央競馬平地競走
)
馬名 調査期間中勝利回数 調査期間中出走回数 初戦着順 第2戦着順 第3戦着順 第4戦着順 第5戦着順
馬A 7 40 9 11 13 14 10
馬B 3 51 12 9 9 10 9
馬C 3 24 12 9 15 9 11
馬D 2 15 10 9 9 17 10
馬E 2 23 9 10 12 13 15
馬F 2 21 17 13 15 12 10
馬G 2 25 11 10 11 16 12
馬H 2 24 15 13 12 9 9
馬I 2 40 10 10 11 14 10
馬J 2 16 10 11 9 10 10
馬K 2 26 12 11 12 13 11
馬L 2 25 9 12 13 10 15
馬M 1 11 10 9 10 12 10
馬N 1 21 10 13 12 9 10
馬O 1 18 13 9 9 11 12
馬P 1 22 12 13 11 9 16
馬Q 1 27 16 13 15 9 15
馬R 1 17 14 11 13 10 16
馬S 1 21 11 9 13 13 9
馬T 1 11 11 10 10 16 16
馬U 1 68 12 11 9 14 15
馬V 1 9 11 12 11 14 9
馬W 1 24 13 14 15 13 11
馬X 1 28 9 15 9 9 9
馬Y 1 49 14 10 12 16 16
馬Z 1 10 13 11 11 15 12
馬AA 1 24 16 12 12 9 17
馬AB 1 15 12 10 9 12 9
馬AC 1 20 13 13 11 10 11
馬AD 1 23 11 12 14 15 13
馬AE 1 38 10 10 15 10 11
馬AF 1 11 9 11 11 10 14
馬AG 1 15 9 9 12 9 14
馬AH 1 9 9 10 10 9 9
馬AI 1 18 13 16 12 11 17
馬AJ 1 18 11 13 14 9 9
馬AK 1 9 12 15 11 13 10

▼成績以外に光
見どころ(予兆)はまったくないわけではない、だが、予兆はさまざまだし、取り立てて目を見張るものでもない。
これでは、穴馬探しは完全にお手上げだが、何か共通する特徴はないものかと探していたところ、ひとつ気になるものがあった。
調教である。
このブログで何度か言及しているように、わたしには調教そのものは分からないので調教評価をもとに独自に評価しなおす方法をとっている。
具体的に出せないのは残念だが、この「見どころのない馬」とした馬たちの多くが初期に比較的(人気や着順に比べて)高評価の調教だった。
見どころがなかったのは競走においてであって、練習中は「おっ」と注目されることくらいはあったのだ。
調教を今走に限って良い悪いと判断するだけでは勿体ない。
デビューから時系列的に見て、過去に、調教と成績が直結していない馬がいればそれが穴馬になろう。
今夜の例は極端だが、こうした馬は結構いる。

(SiriusA+B)

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