2025年10月3日金曜日

第535夜 競馬予想上達法があるとしたら


▼わたしの考える上達の方法
競馬予想の上達法ってあるのか、貴方はどうやって上達したんだ。
この手の問いには「別に、上達もしてないし」と応えるのが一般的模範回答とわたしは思っている。
そもそも、競馬予想力は上達するものなのか。
考えてみれば恐ろしい問いである。
馬券をネットで買うだけの皆さんには想像もつかないと思うが、昔は競馬場やWINSで「わたしの競馬予想力は永遠に上達しないのではないか」と空恐ろしい気持ちになるような、はるか年上のオヤジさんたちを見たものである。

正直申し上げて、聞き手の競馬経験量や性格などにより回答には差があるが、経験の浅い人ほど上達の可能性はあり、経験量の多い割に成績がよくない皆さんには可能性は少ない、というのがわたしの見解である。
中途半端な姿勢で臨む人はずっとそうだし、進取の精神に富み吸収力抜群の人は何をやっても上手くいく。
一方で競馬歴10年、20年という人は、冷静に考えれば分かる。
毎週末になると、専門紙やスポーツ紙、ネットなどで馬柱を見ながら予想するということだけを繰り返していて、上達する要素がどこにあるだろう、と。
たぶん、予想紙面に精通する、例えば調教欄を理解して見られるとか厩舎コメントのニュアンスを理解できるとか、予想ツールに精通することだけではないか。
毎週数字を当てる宝くじを買い続けて、購入の仕方以外に上達するものがないのと同じだ。
予想そのものは、ほとんど訓練されていない。
わたしはコンピュータ上での計算とはいえ、過去のレースを過去問として、毎週8万レース、或いはそれ以上の数を「予想」して検証している。
忙しいときでもほぼこれくらいのことはする。
少なめに言っても1日あたり1万レースである。
主要3レース中心の予想をする人なら、第3場開催を含めて年間288日、皆勤賞で計864レースだ。
年に最大3,456レースだから、その4分の1であるとしても算出できる。
わたしのコンピュータ上のシミュレーションを1日1万レースとすれば、11年かかってわたしと1日あたり予想量に追いつく勘定である。
競馬を初めてウン十年?
これで勝てるとでも?

ひととおりの基礎知識を有していることを前提として、上達の極意には次のようなものを挙げられると思う。
(1)知識知見の習得 まったく別の予想方法を構築する
(2)経験の蓄積 予想量を増やす
(3)本質的理解 1日単位などまとめて推移を見守る
あくまで私見である。
競馬をする人100人、200人と見てきた中での見解だ。
共通するのは、固定観念の打破、かもしれない。

▼まったく別の予想方法を構築する
一定の予想方法を持っている場合、特に心臓部となる方法論がある程度(多少物足りない成績であっても)固まっている場合、これを破棄して新しい予想法に乗り換えるのは難しい。
わたしも、ずいぶん遠い昔になったが、スピード指数を完全に取りやめるには歳月を要した。
人間だから、思い入れというのは、ある。
そこで考えたのは予想法の対戦方式である。
予想法Aと予想法Bを対戦させて良い方を残していく。
AとBは、ひとつふたつファクターが違う程度の場合もあるし、まったく別の切り口の場合もある。
マイスピード指数対マイ調教評価、といった対戦はとても興味深いだろう。
両者のいいとこ取りもありだ。
蟹か蒲鉾かだけではなく、蟹寄りの蒲鉾とか、蒲鉾寄りの蟹とか笑。
両方思い入れがあるから、取捨選択の心理的負担がとても小さく、格段に研究が進む。

▼予想量を増やす
受験生の赤本のように、過去問で演習を繰り返すことも上達法だ。
膨大な数の過去レースは、今や簡単に入手できる。
レース直後に脳内反省会を開くより、毎日平日に過去のレースで予想法を試していくほうが身につく。
予想法の多少の手直しもできる。
未勝利戦には通用するが、古馬条件戦が不得意、といった自身の予想法の得手不得手も分かってくる。
対策をしないで試験に臨むのは、それこそ博打だ。
お金を賭けるのだ、過去問で充分演習して臨むくらいは最低限必要だろうと思う。

▼1日単位などまとめて推移を見守る
長期的に黒字収支を目指すなら、目の前のレースの勝ち敗けにこだわらない姿勢も必要だと考える。
ちょっと不思議な表現で恐縮だが、競馬は多分に偶然性を含むものだから賭け事になるのだ。
必ずしも能力順に決着するのではなく、結果が「正しい」とは言い切れない。
順当に能力順もあれば、偶然もあるし、わたしたちの見立て不足もある。
同じレースを4、5回すればどの馬が強いのか明らかになるかもしれないが、1回限りだからこそ勝機を掴む馬もいるのだ。
馬券が不的中になるのも計算に入れて、例えば10レースで単勝100円ずつ買って、3レース当て、合計1,100円の払い戻しを受ける。
2.6倍+4.2倍+4.1倍なら1,090円だ。
回収率109%である。
実践すると、如何に競馬が難しいか実感することになろうが、これに挫折せず果敢に挑むことで道は拓く。
もちろん20レースで1レース的中させ、20倍以上の払い戻しを受けたってかまわない。
ただし、資金の回転効率や継続して5%の的中率を維持できるかは頭に入れておきたい。
必勝法というのは、的中率100%を目指す話ではなく、複数のレースをセットにし合計して100%以上の回収率となることをいう、少なくともわたしはそう考えている。
そのためには、高い低いはいろいろあるが、安定した的中率がなければならない。

問題点は人によって異なるものの、努力とともに、発想を転換することが上達の方法である。
蛇足だが、努力しても報われないという人もいる。
そのとおりではあるけれど、自分基準で頑張った、ではなく、他人と比べても頑張ったのであれば、かなり報われる率が上がる。
あと、努力しても報われないかもしれないが、成功した人はすべて努力した人であることは間違いない。
(SiriusA+B)

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