若いときに西田式スピード指数に感銘し傾倒していたことは折に触れて述べてきた。
今は、タイム系指数を使うにしてもわたし自身のオリジナルになるが、久しく自分の予想ツールとしては使っていなかった。
しかし、わたしの「巡回点検」では、近年、タイム系指数の的中精度が向上傾向にあると観測されていた。
巡回点検とは、かつて使っていた理論を復活して競馬環境が変わっていないか、時系列にみるのである。
タイム系指数の成績良化は、その過程で再発見された。
(図表536-1)オリジナルタイム系指数の年別成績推移
競走年 | オリジナルタイム系指数累積平均1位馬勝率 | オリジナルタイム系指数前走1位馬勝率 | 支持率累計平均1位馬勝率 | 前走支持率1位馬勝率 |
2012年 | 0.209 | 0.201 | 0.185 | 0.205 |
2013年 | 0.206 | 0.202 | 0.174 | 0.199 |
2014年 | 0.213 | 0.204 | 0.188 | 0.207 |
2015年 | 0.221 | 0.189 | 0.193 | 0.209 |
2016年 | 0.228 | 0.208 | 0.204 | 0.218 |
2017年 | 0.232 | 0.213 | 0.203 | 0.214 |
2018年 | 0.239 | 0.197 | 0.210 | 0.214 |
2019年 | 0.237 | 0.205 | 0.196 | 0.210 |
2020年 | 0.227 | 0.202 | 0.189 | 0.208 |
2021年 | 0.227 | 0.215 | 0.195 | 0.211 |
2022年 | 0.241 | 0.222 | 0.203 | 0.230 |
2023年 | 0.244 | 0.213 | 0.198 | 0.225 |
2024年 | 0.250 | 0.214 | 0.221 | 0.231 |
図表536-1では、わたしのオリジナルタイム系指数による本命馬勝率を年次でプロットした。
新馬・障害競走を除く中央競馬平地競走である。
算出方法を次項に記載している。
オリジナルタイム系指数は、速度に換算しているが、できるだけ元祖スピード指数に近い形をとった。
過去走の取り扱いには独自性があり、過去各走の指数を一本化している。
ただし、一般的なスピード指数の統計的弱点(紡錘形曲線が左側に寄る歪な形)は修正していない。
今回は「一般的なタイム系指数」の例だと考えてほしい。
並列的に前走単体で見たタイム系指数、累計支持率平均、前走支持率で1位の馬の勝率も載せた。
そもそもタイム系指数が悪くないことを示す好材料である。
開催年によって上下動があることはお分かりいただけるだろう。
グラフを作成すると的中率が波を打つようなダイナミズムを感じられるかもしれない。
近年は、本命的中率が高くなっている。
24%台を3年間続けて出しており(2024年は24.950で表では四捨五入で切りあがっている)、かなりの良績と判断していい。
タイム系理論が復活してきた、のか。
2025年も見てみないと分からないが、近年の出走頭数の減少、出走回数の減少、中距離走の増加が少なからず影響しているとわたしは考えている(もっといろいろあるけれど)。
外厩でトレーニングを積んで帰ってくれば鉄砲駆けもあり、出走回数も少なく「叩き2走目」の概念も大昔よりは薄れた(気がする)。
力の衰えた高齢馬の退場が促進され、走破タイムで予測することにも好影響だ。
要約すれば、紛れの少なくなる要素が増え、タイム系理論に適した環境がやってきた。
トレンド、潮流の変化は、微細なところでも起きていて、通用しなくなったと思われた理論が復活することもある。
騎手に着目した予想法や、血統に基づく予想法は、登場人物・馬の変動によって波がある。
いや、そもそも好不調のない予想法はない。
タイム系理論も、誰も彼も使うようになってオッズに織り込まれ妙味が失せた、と言われた時期もあるとわたしは感じているが、自ら算出するような奇特な人は今も昔もそれほどいない。
専門紙やスポーツ紙でも似たような指標を採用したことで、オッズに影響を及ぼし始めたと思う。
わたしは昔から自分でやるのが好きで、ボーナスで払い切れない高価なノートパソコンを買い、ちまちまと1着から3着の走破タイムを打ち込みながら、スピード指数を独自に計算した。
当時は、わたしの周囲で競馬をする人は、今以上に多かったが、誰ひとりとして、そんな計算をする人なんていなかった。
結局のところ、複雑な数値を使って独自の予想をする人は、いつの時代もかなりの少数派である。
専門紙他予想家予想便乗、簡単予想法、これらが主流で、独自の予想は傍流で、個人がちまちまベットしても影響は極めて軽微だ。
▼オリジナルタイム系指数の作成レシピを公開
タイム系理論では、さまざまな調整を行なう。
クラス、馬場、斤量、距離に加えて、スローペース補正といったものまである。
それぞれの要素は合点のいくものだ。
実は、今回使ったオリジナルタイム系指数は、これらの補正を施していない「成分無調整」だ(牛乳?)。
上手く補正できれば、更に精度を高められる可能性がある。
あるが、一方で、補正をかければ精度が高まるのか、という疑問も、わたしには、ある。
この記事で使用するオリジナルタイム系指数は、次のように作成した。
レース基準速度は、さまざまな理由から、1-4着の平均速度とした。
これで誰でもわたしと同じ数字が算出できる。
[A]出走各馬の速度=距離(m)/時計(1/10秒)*36
[B]レース基準速度=距離/(1-4着時計合計/4)*36
[C]各馬の競走毎の指数=[A]-[B]+100(ただし、マイナスを回避するため、答えが1以下の場合は、指数は1とする)
[D]各馬の指数=前走までの[C]累計/完走回数
ある馬Aが、1,600mを1分38秒2で走れば、
1,600/982*36=58.66km/h
となる(わたしは四捨五入などは最後までしないが、気になるようなら上の例のように小数点第2位未満を四捨五入する)。
マイル競走であれば、時計が0秒1違えば、速度は約0.06km/h違う。
このレースの基準速度を59.12km/hとしたら、
馬Aの当該レースの指数は、
58.66-59.12+100=99.54
となる。
なお、ご本家に合わせて、100を80に代えても差し支えない。
今回の指数では、前走までのすべての成績を足し上げて出走回数で除した、単純平均を当該馬のタイム系指数とした。
以上を手掛かりにご自身で計算いただければ、ほぼわたしと同じ数値を再現できる。
もちろん、小数点の取り扱いや、大差のついた場合の処理方法、同点馬の取り扱い、などによって多少の差異は出よう。
これによる予想精度への影響を織り込んでも、指数1位(本命馬)の勝率は、年間で約22%から24%台になるはずである。
無料でここまで公開してよいのかと、ご心配していただく方もいらっしゃるが、お気持ちにはお礼申し上げるとともに、特にわたしに支障はないことをお伝え申し上げる。
算式をご覧の通り、時速何キロメートルかを出しただけである。
さて、ここからは、貴方が推論する。
無作為に1,000人の競馬ファンを集めたとしよう。
・特段、予想スタイルを確立していない人(馬柱を見たり、オッズを見たりして買い目を決める人)は、何人いるか。
・このうち、現状に問題意識があり、自分の予想スタイルを確立したい人は、何人いるか。
・このうち、このブログに辿り着き、本記事の算式をそのまま或いは参考にしよう、という人は何人いるか(最難関)
・このうち、毎週自分で計算し、挫折せず活用する人は何人いるか。
最後の2問のわたしの推定値は、ブログに辿り着くのが0.01%、挫折せず活用は20%である。
0.01%は過大かもしれないが、20%は当たらずとも遠からずであろう。
結局、どう計算しても、1000人中、1人未満すなわち零点幾らという答えになる。
1万人や10万人にひとり程度だから、心配ない。
万が一、爆発的に普及しても、オッズに変動はあるが的中率の変化は生じない。
(SiriusA+B)
開催年によって上下動があることはお分かりいただけるだろう。
グラフを作成すると的中率が波を打つようなダイナミズムを感じられるかもしれない。
近年は、本命的中率が高くなっている。
24%台を3年間続けて出しており(2024年は24.950で表では四捨五入で切りあがっている)、かなりの良績と判断していい。
タイム系理論が復活してきた、のか。
2025年も見てみないと分からないが、近年の出走頭数の減少、出走回数の減少、中距離走の増加が少なからず影響しているとわたしは考えている(もっといろいろあるけれど)。
外厩でトレーニングを積んで帰ってくれば鉄砲駆けもあり、出走回数も少なく「叩き2走目」の概念も大昔よりは薄れた(気がする)。
力の衰えた高齢馬の退場が促進され、走破タイムで予測することにも好影響だ。
要約すれば、紛れの少なくなる要素が増え、タイム系理論に適した環境がやってきた。
トレンド、潮流の変化は、微細なところでも起きていて、通用しなくなったと思われた理論が復活することもある。
騎手に着目した予想法や、血統に基づく予想法は、登場人物・馬の変動によって波がある。
いや、そもそも好不調のない予想法はない。
タイム系理論も、誰も彼も使うようになってオッズに織り込まれ妙味が失せた、と言われた時期もあるとわたしは感じているが、自ら算出するような奇特な人は今も昔もそれほどいない。
専門紙やスポーツ紙でも似たような指標を採用したことで、オッズに影響を及ぼし始めたと思う。
わたしは昔から自分でやるのが好きで、ボーナスで払い切れない高価なノートパソコンを買い、ちまちまと1着から3着の走破タイムを打ち込みながら、スピード指数を独自に計算した。
当時は、わたしの周囲で競馬をする人は、今以上に多かったが、誰ひとりとして、そんな計算をする人なんていなかった。
結局のところ、複雑な数値を使って独自の予想をする人は、いつの時代もかなりの少数派である。
専門紙他予想家予想便乗、簡単予想法、これらが主流で、独自の予想は傍流で、個人がちまちまベットしても影響は極めて軽微だ。
▼オリジナルタイム系指数の作成レシピを公開
タイム系理論では、さまざまな調整を行なう。
クラス、馬場、斤量、距離に加えて、スローペース補正といったものまである。
それぞれの要素は合点のいくものだ。
実は、今回使ったオリジナルタイム系指数は、これらの補正を施していない「成分無調整」だ(牛乳?)。
上手く補正できれば、更に精度を高められる可能性がある。
あるが、一方で、補正をかければ精度が高まるのか、という疑問も、わたしには、ある。
この記事で使用するオリジナルタイム系指数は、次のように作成した。
レース基準速度は、さまざまな理由から、1-4着の平均速度とした。
これで誰でもわたしと同じ数字が算出できる。
[A]出走各馬の速度=距離(m)/時計(1/10秒)*36
[B]レース基準速度=距離/(1-4着時計合計/4)*36
[C]各馬の競走毎の指数=[A]-[B]+100(ただし、マイナスを回避するため、答えが1以下の場合は、指数は1とする)
[D]各馬の指数=前走までの[C]累計/完走回数
ある馬Aが、1,600mを1分38秒2で走れば、
1,600/982*36=58.66km/h
となる(わたしは四捨五入などは最後までしないが、気になるようなら上の例のように小数点第2位未満を四捨五入する)。
マイル競走であれば、時計が0秒1違えば、速度は約0.06km/h違う。
このレースの基準速度を59.12km/hとしたら、
馬Aの当該レースの指数は、
58.66-59.12+100=99.54
となる。
なお、ご本家に合わせて、100を80に代えても差し支えない。
今回の指数では、前走までのすべての成績を足し上げて出走回数で除した、単純平均を当該馬のタイム系指数とした。
以上を手掛かりにご自身で計算いただければ、ほぼわたしと同じ数値を再現できる。
もちろん、小数点の取り扱いや、大差のついた場合の処理方法、同点馬の取り扱い、などによって多少の差異は出よう。
これによる予想精度への影響を織り込んでも、指数1位(本命馬)の勝率は、年間で約22%から24%台になるはずである。
無料でここまで公開してよいのかと、ご心配していただく方もいらっしゃるが、お気持ちにはお礼申し上げるとともに、特にわたしに支障はないことをお伝え申し上げる。
算式をご覧の通り、時速何キロメートルかを出しただけである。
さて、ここからは、貴方が推論する。
無作為に1,000人の競馬ファンを集めたとしよう。
・特段、予想スタイルを確立していない人(馬柱を見たり、オッズを見たりして買い目を決める人)は、何人いるか。
・このうち、現状に問題意識があり、自分の予想スタイルを確立したい人は、何人いるか。
・このうち、このブログに辿り着き、本記事の算式をそのまま或いは参考にしよう、という人は何人いるか(最難関)
・このうち、毎週自分で計算し、挫折せず活用する人は何人いるか。
最後の2問のわたしの推定値は、ブログに辿り着くのが0.01%、挫折せず活用は20%である。
0.01%は過大かもしれないが、20%は当たらずとも遠からずであろう。
結局、どう計算しても、1000人中、1人未満すなわち零点幾らという答えになる。
1万人や10万人にひとり程度だから、心配ない。
万が一、爆発的に普及しても、オッズに変動はあるが的中率の変化は生じない。
(SiriusA+B)