2026年5月24日日曜日

第562夜 数字は見えにくいほど効果あり

前走4着固定分析
なぜ、知識や経験を積んだ人と漫然と、馬券を買い続けている人とに大差がないのか。

いくつかの、不完全な調査ながらも、調査によって明らかであることは、馬券市場では他力本願の予想者が多いことだ。
大なり小なり、他人の予想を参考にするという意味であるが、これ自体、悪いことではない。
むしろ、調査・研究といった予想コストを考えれば、たいへん効率が良い。
いつも申し上げている通り、「自分で予想を組み立てたい」という、わたしたちのような人は、奇特なのである。
奇特なのに、偉いとでも思っている人はいる。
ともすれば、他力本願の人に対して上から目線になる人もいるようだ。
これをマウンティングというのだが、残念なことに、現実は自力と他力で馬券の巧拙に大差はない。
下手すれば、他力本願の人のほうが上手だったりする。
この現実は、わたしの長年のテーマでもあって、理由を模索してきた。

未だにきちんとした原因究明はできていないのだが、ひとつだけ思い当たる節がある。
自力の人が「もう一段」踏み込んだ研究をすればいいのではないか、という仮説である。
例えば、「コースAはコースBより直線が短いから先行力勝負の今回は買いだ」とか、「斤量(負担重量)2kg減と恵まれているから勝負になる」とかいった予想を考えるとする。
それは、プロ(予想記者など)が織り込み済みなのではないの?
全員ではないが、多くの人が予想に取り入れているのではないの?
という疑問がある。
さまざまな予想材料について造詣が深く、総合する予想材料が多くなっても、それは予想記者やオッズとそれほど差はない。
場合によっては、予想記者のほうが総合する力があるので、これを利用する他力本願の人に敵わなかったりするのではないか、ということなのである。
特に、数字大好きの皆さんの場合、「誰でも使っているデータ」をそのまま使っても、たいていの場合はオッズに織り込み済みだ。
すなわち、造詣が深いといっても「予想記者などから見れば守備範囲内」で、これを盲目的に利用する「素人」の人には間接的にいきわたっているのである。
貴方のほうが、精度は僅かに良いかもしれないが、大勢に影響はないだろう。

この仮定の裏付けをとるために、ちょっとした実験をしてみる。
前走で4着になった馬は勝率約10%前後なのだが、4着になった馬にひとつのファクターを加えたとき、他人様(ひとさま)を出し抜いているかどうか、的中率と回収率で検証してみた。
母数が異なるところもあるが、的中率は概ね19.8%、回収率は81%である。
回収率が平均比で、すなわち81%より小さければ人気過剰気味、大きければ甘めのオッズ(=他者を出し抜いている)だということが言える。

図表をたくさん貼り付けたが、いちいち説明しないで簡単にだけ触れておく。
回収率の平均差を眺めれば「まあそうだろうな」と納得する人が多いと思う。
前走12番人気だった馬は明らかに人気過剰だし、5番人気から10番人気くらいまではやや人気が集まっていない(オッズの割に回収率が良い)
4
(とは限らないが最後の通過順位)で前にいた馬(123)は人気過剰の一方、456位からちょっと頑張って4着になった馬はそれほど評価されていない。

これらを拾い集めるだけでもちょっとした戦術なのだが、差異は小さい。

(
図表562-1)前走4着馬の前走人気別勝率及び単勝回収率

前走着順 前走人気 勝利回数 出走回数 勝率 平均差 回収率 平均差
4 1 758 3,902 0.194 0.087 0.78 -0.03
4 2 747 4,791 0.156 0.048 0.80 -0.01
4 3 712 5,239 0.136 0.028 0.82 0.01
4 4 600 5,215 0.115 0.007 0.80 -0.01
4 5 531 5,046 0.105 -0.002 0.85 0.04
4 6 426 4,333 0.098 -0.009 0.90 0.09
4 7 314 3,826 0.082 -0.026 0.87 0.06
4 8 238 3,234 0.074 -0.034 0.89 0.08
4 9 174 2,646 0.066 -0.042 0.70 -0.11
4 10 131 2,058 0.064 -0.044 0.84 0.03
4 11 94 1,595 0.059 -0.049 0.67 -0.14
4 12 61 1,138 0.054 -0.054 0.66 -0.14
4 13 30 812 0.037 -0.071 0.62 -0.19
4 14 21 643 0.033 -0.075 0.61 -0.20
4 15 17 378 0.045 -0.063 0.81 0.00
4 16 6 213 0.028 -0.080 0.67 -0.14
4 17 1 43 0.023 -0.084 0.13 -0.68
4 18 0 18 0 -0.108 0.00 -0.81
平均 4,861 45,130 0.108 0.81

(図表562-2)前走4着馬の支持率(単勝支持率)別勝率及び単勝回収率
前走着順 前走支持率 勝利回数 出走回数 勝率 平均差 回収率 平均差
4 50%超 39 131 0.298 0.190 0.83 0.02
4 50%以下 120 486 0.247 0.139 0.79 -0.02
4 40%以下 262 1,323 0.198 0.090 0.76 -0.05
4 30%以下 617 3,422 0.180 0.073 0.82 0.01
4 20%以下 1,427 10,385 0.137 0.030 0.82 0.01
4 10%以下 2,396 29,383 0.082 -0.026 0.81 0
平均 4,861 45,130 0.108 0.81

(図表562-3)前走4着馬の上がり3ハロン順位別勝率及び単勝回収率
前走着順 前走上がり順位 勝利回数 出走回数 勝率 平均差 回収率 平均差
4 1 606 5,183 0.117 0.009 0.81 0
4 2 604 5,561 0.109 0.001 0.82 0.01
4 3 630 6,064 0.104 -0.004 0.80 -0.01
4 4 726 6,684 0.109 0.001 0.77 -0.04
4 5 589 5,585 0.105 -0.002 0.89 0.08
4 6 494 4,665 0.106 -0.002 0.81 0
4 7 392 3,553 0.110 0.003 0.79 -0.02
4 8 280 2,719 0.103 -0.005 0.81 0
4 9 210 1,910 0.110 0.002 0.90 0.09
4 10位以下 330 3,206 0.103 -0.005 0.72 -0.09
4,861 45,130 0.108 0.81

(図表562-4)前走4着馬の4角順位別勝率及び単勝回収率
前走着順 前走4角順位 勝利回数 出走回数 勝率 平均差 回収率 平均差
4 1 411 3,686 0.112 0.004 0.73 -0.08
4 2 656 5,694 0.115 0.007 0.81 0
4 3 567 5,151 0.11 0.002 0.81 0
4 4 560 4,810 0.116 0.009 0.92 0.11
4 5 497 4,541 0.109 0.002 0.86 0.05
4 6 433 3,947 0.11 0.002 0.86 0.05
4 7 373 3,879 0.096 -0.012 0.74 -0.07
4 8 313 3,096 0.101 -0.007 0.76 -0.05
4 9 280 2,572 0.109 0.001 0.86 0.05
4 10位以下 771 7,754 0.099 -0.008 0.77 -0.04
4,861 45,130 0.108 0.81

注目されにくいもの、加工したもの
そこで、誰でも手軽に利用できる「表面的な数字」ではなく、注目されにくいものや加工した数字などではどうなるか、調べてみよう。
先ず、「前々走の着順」を加えてみる。
前々走着順は、前走着順ほど注目されていない、しかし、ちょっと頭に入れている程度とみられる(わたしの想定)
「前々走2着で期待したのに4着で案外だった」といった形で考える人も少なくないから盲点とまでは言えないが、研究している人なら買うか見送りかの判断が変わってくるだろう。
前々走2着で前走4着だった馬は、人気はあるものの、調子を落としていると考えるかもしれない。
回収率からみた投票行動実績では見送る人が優勢で「むしろ買っておいたほうが良い」というのがデータで出ている。
同様に「4着が続いた馬」も力不足や変わり身なしと思われたか、こちらも見送りが優勢である。
6
着から10着だったのが前走で4着になった馬は、「ここらが天井」と思われたか、やや甘めのオッズになる。
もちろん、ほかにも考える要素はあるが、こうした傾向はあるのだ。

さらに、目に見えない数字を使うと大勢との差が出やすくなる。
誰でもちょっと調べれば分かるが面倒でやらない情報だ。
ここでは4着時の5着馬との着差を例に出した。
このブログでは1着馬・2着馬の分析でお馴染みの、「次にゴールした馬との着差」の応用である。
5
着馬を02以上引き離してゴールした馬は、想像よりも強い。
0
001が最も多いが、02以上なら勝率はもちろん回収率も跳ね上がる(図表に示していないが85-90%程度の回収率)。
これはオッズにあまり織り込まれていない証左である。

このように、誰でも調べればわかるが面倒くさい、というデータを探すのが研究のひとつなのだ。
斤量/馬体重もそうだし、2着馬の、3着との着差もそうだ。
これだけでは必勝法にはならないのが残念だけれど、競馬の研究というのはこのような探索をいう。
的中率は予想精度であり、強い馬はどれか、できるだけ正確に出せる前提だ。
その上で、買い方、回収率を考える。
いつもの台詞だが、回収率の源泉はオッズとの乖離である。
「勉強しているのに」と思っている人は、「正確に出すところから先」が課題なのではないか。
是非その内容を再検討していただきたいと思う。
(SiriusA+B)

(図表562-5)前走着馬の2前走着順別勝率及び単勝回収率
前走着順 2前走着順 勝利回数 出走回数 勝率 平均差 回収率 平均差
4 1 436 3,581 0.122 0.014 0.76 -0.05
4 2 797 4,368 0.182 0.075 0.85 0.04
4 3 632 4,588 0.138 0.030 0.78 -0.03
4 4 553 4,295 0.129 0.021 0.90 0.09
4 5 388 4,062 0.096 -0.012 0.79 -0.02
4 6 335 3,660 0.092 -0.016 0.83 0.02
4 7 284 3,115 0.091 -0.017 0.87 0.06
4 8 205 2,711 0.076 -0.032 0.78 -0.03
4 9 201 2,353 0.085 -0.022 0.86 0.05
4 10 142 2,013 0.071 -0.037 0.85 0.04
4 11着以下 389 5,726 0.068 -0.040 0.74 -0.07
2前走なし 499 4,658 0.107 -0.001 0.76 -0.05
平均 4,861 45,130 0.108 0.81

(図表562-6)前走着馬の5着馬との着差別勝率及び単勝回収率
前走着順 5着差 勝利回数 出走回数 勝率 平均差 回収率 平均差
4 1秒8以上 8 34 0.235 0.128 1.30 0.49
4 1秒7 0 6 0 -0.108 0.00 -0.81
4 1秒6 3 11 0.273 0.165 1.25 0.44
4 1秒5 6 20 0.300 0.192 1.53 0.72
4 1秒4 1 19 0.053 -0.055 0.12 -0.69
4 1秒3 4 39 0.103 -0.005 0.61 -0.20
4 1秒2 12 63 0.190 0.083 1.32 0.51
4 1秒1 7 54 0.130 0.022 0.73 -0.08
4 1秒0 24 139 0.173 0.065 1.07 0.26
4 0秒9 24 209 0.115 0.007 0.66 -0.15
4 0秒8 54 301 0.179 0.072 1.08 0.27
4 0秒7 61 479 0.127 0.02 0.91 0.10
4 0秒6 97 820 0.118 0.011 0.71 -0.10
4 0秒5 138 1,120 0.123 0.015 0.92 0.11
4 0秒4 275 2,126 0.129 0.022 0.88 0.07
4 0秒3 495 4,132 0.120 0.012 0.88 0.07
4 0秒2 896 8,328 0.108 0 0.80 -0.01
4 0秒1 1,511 14,756 0.102 -0.005 0.77 -0.04
4 0秒0 1,245 12,472 0.100 -0.008 0.81 0
4 (0秒2以上) 2,10517,900 0.118
平均 4,861 45,128 0.108 0.81






ブログ アーカイブ