2026年6月7日日曜日

第564夜 転入生の能力を測るには

 ▼1勝クラスで考えること
古馬1勝クラスは、さまざまなクラス出身の出走馬が集う。
降級制度がなくなったにせよ、馬齢戦から古馬戦に転入してくるのだ。
ことこのクラスについては、前走をどんなレベルで走ったか、競馬予想のヒントのひとつとなる。
ここで、問題である。
知識というより直感で考えていただければと思う。

(問い1)古馬1勝クラスの出走馬を、前走出走クラスでグループ分けしたとき、出走頭数の多い順に並べよ(2021-2024年中央競馬平地競走)
()古馬1勝クラス
()同歳戦(23歳限定戦)新馬
()同歳戦未勝利
()同歳戦1勝クラス
()同歳戦オープン

2019
年夏競馬より前には、1000万円下(今でいう古馬2勝クラス)からの降級馬が現級に次ぐ勢力だった。
現在は、古馬1勝クラス出走馬のうち、前走も古馬1勝クラスを走った馬が約83%を占める。
古馬2勝クラスを走ってきた馬は、格上挑戦などに限られ、僅かな頭数になった。

上の問いの回答は、アウエオイだ。
難しい問題ではない。
せいぜい、間違えた人がいるとしても、未勝利と同歳戦1勝クラス出身の数勘定くらいだろう。
ただし、未勝利のまま古馬戦に突入してしまうケースでは、近年、出走条件の緩和があったので、勢力図は若干変化する可能性はある。

集計した4年分のデータでは、前走古馬1勝クラス出身の割合は83%、同歳戦未勝利が9%、同歳戦1勝クラスが5%、同歳戦オープンが1%だ。
ここで「前走も古馬1勝クラスだった馬が8割を超えるので、他のクラス出身馬は横に置いておこう」とはならない。
同歳戦オープンと同歳戦1勝クラスは、事実上「格上クラス」なのである。
勝てなくてここにやってくる(戻ってくる)のだが、侮ってはならない。
図表564-1にある通り、サンプル数が少ないので参考に留まるものの、勝率は現級を凌ぎ、力上位を示す。
興味深いのは、単勝回収率との整合をみると前走が同歳戦オープン、1勝クラス出走馬のオッズへの折り込みがやや小さい(すなわちオッズが甘い)点である。
・1勝クラスについては、馬券投票者全体としては同歳戦か古馬戦かをあまり精査していないのではないか。
・同歳戦オープンは、着順を意識し過ぎているのではないか。
以上のようにわたしは推測する。
1勝クラスは、簡便な馬柱によっては区別がつきにくいし、大差ないとお考えの人も少なくないのだろう。
オープンは敗退して相応のクラスに戻ったものだが、戻るだけの大敗でもある。
実際、オッズを個別に眺めると、出身クラス以上に前走着順のイメージ先行を感じるのはわたしだけではないだろう。
ここにオッズコンピュータの甘さが出やすい。
なお、オープンは出走数が少ないので、参考程度に留めていただきたい。

(図表564-1)2021-2024年前走出走クラス別古馬1勝クラス出走頭数・成績
前走出走クラス 出走回数 出走回数占有率 勝利回数 勝率 回収率
古馬1勝クラス 35,050 83% 2,463 0.070 0.70
同歳戦1勝クラス 2,295 5% 235 0.102 0.80
同歳戦未勝利 3,936 9% 303 0.077 0.67
同歳戦新馬 192 0% 14 0.073 0.27
同歳戦オープン 456 1% 83 0.182 0.97
古馬2勝クラス 88 0% 8 0.091 0.57
古馬3勝クラス 1 0% 0 0.000 0.00
古馬オープン 3 0% 1 0.333 2.83
合計 42,021 100% 3,107 0.074 0.70

転入馬の「位置付け」
個々の出走馬を詳しく判定するのはそれぞれ皆さんのお仕事だが、違うクラス出身の馬を見比べるのは苦手だと思う人もいるだろう。

(問い2)標準的に想定される能力順に並べよ。
()3(4)歳上1勝クラス(現級)3着だった馬
()3(2)1勝クラスで5着だった馬
()3(2)歳オープンで7着だった馬

これらを判定する指標がなくて、えいや、とするのは勿体無い。
個別の調整はともかく、標準的な目安があると便利だ。
この問いにすぐさま答えられないとしたら、貴方は「物差し」を持っていないのかもしれない。
スピード指数系でも良いと思うが、前走着順に焦点を当てるなら、図表564-2のように勝率(或いは連対率でも複勝率でも)に揃えれば比較できる。
もともと、スピード指数は、異なる条件での成績を見比べるためにある。
ただし、スピード指数でなくても構わない。
今回は勝率を用いた。
要するに、単位を揃えれば比較可能になるということだ。
問いに対する回答を兼ねれば、().128().141().154で、ウイアの順になる。
こちらもサンプル数が少ないため、振れ幅は大きいと思う。
さらに、レースの他の要素、個別の状況も勘案せねばならない。
ただ、近年の実績からはこの順に並べられるということだ。
そこから、他の要素を勘案して上げ下げしていくことで個々のレースの予想精度は向上すると考えられる。
貴方は何を「基準単位」にして出走馬を比較しているのだろう。
そして、これが肝だが、この序列をひっくり返すほどのファクターを何か持っているだろうか。
今夜示した序列は平均的なものにすぎない。
何かを加えて精度を上げる。
貴方にもし、意外で、且つ、強力な武器があるようなら教えてほしい(受付窓口は設置していないけど)
(SiriusA+B)

(図表564-2)2021-2024年前走出走クラス別古馬1勝クラス成績詳細
前走 勝利回数 出走回数 勝率
古馬2勝クラス2着 0 5 0.000
古馬2勝クラス3着 3 6 0.500
古馬2勝クラス4着 1 8 0.125
古馬2勝クラス5着 2 11 0.182
古馬2勝クラス6着 0 7 0.000
古馬2勝クラス7着 1 7 0.143
古馬2勝クラス8着 1 8 0.125
古馬2勝クラス9着 0 6 0.000
古馬2勝クラス10着以下 0 30 0.000
古馬2勝クラス0着 0 0 0.000
古馬1勝クラス1着 12 60 0.200
古馬1勝クラス2着 609 3,048 0.200
古馬1勝クラス3着 388 3,033 0.128
古馬1勝クラス4着 341 3,025 0.113
古馬1勝クラス5着 226 3,030 0.075
古馬1勝クラス6着 181 2,943 0.062
古馬1勝クラス7着 173 2,904 0.060
古馬1勝クラス8着 114 2,785 0.041
古馬1勝クラス9着 95 2,627 0.036
古馬1勝クラス10着以下 321 11,534 0.028
古馬1勝クラス0着 3 61 0.049
同歳戦オープン1着 0 0 0.000
同歳戦オープン2着 6 13 0.462
同歳戦オープン3着 11 22 0.500
同歳戦オープン4着 7 26 0.269
同歳戦オープン5着 5 33 0.152
同歳戦オープン6着 7 38 0.184
同歳戦オープン7着 6 39 0.154
同歳戦オープン8着 6 45 0.133
同歳戦オープン9着 12 46 0.261
同歳戦オープン10着以下 23 191 0.120
同歳戦オープン0着 0 3 0.000
同歳戦1勝クラス1着 0 0 0.000
同歳戦1勝クラス2着 37 170 0.218
同歳戦1勝クラス3着 43 187 0.230
同歳戦1勝クラス4着 27 181 0.149
同歳戦1勝クラス5着 27 192 0.141
同歳戦1勝クラス6着 18 195 0.092
同歳戦1勝クラス7着 18 215 0.084
同歳戦1勝クラス8着 17 194 0.088
同歳戦1勝クラス9着 7 183 0.038
同歳戦1勝クラス10着以下 41 763 0.054
同歳戦1勝クラス0着 0 15 0.000
同歳戦未勝利1着 244 2,054 0.119
同歳戦未勝利2着 7 86 0.081
同歳戦未勝利3着 6 81 0.074
同歳戦未勝利4着 7 74 0.095
同歳戦未勝利5着 9 73 0.123
同歳戦未勝利6着 2 206 0.010
同歳戦未勝利7着 4 190 0.021
同歳戦未勝利8着 2 173 0.012
同歳戦未勝利9着 4 171 0.023
同歳戦未勝利10着以下 18 819 0.022
同歳戦未勝利0着 0 9 0.000
同歳戦新馬1着 10 57 0.175
同歳戦新馬2着 0 7 0.000
同歳戦新馬3着 0 1 0.000
同歳戦新馬4着 0 4 0.000
同歳戦新馬5着 0 4 0.000
同歳戦新馬6着 0 5 0.000
同歳戦新馬7着 0 2 0.000
同歳戦新馬8着 0 0 0.000
同歳戦新馬9着 0 2 0.000
同歳戦新馬10着以下 0 14 0.000
古馬オープン 1 3 0.333
古馬3勝クラス 0 1 0.000
出走なし 4 96 0.042
合計 3,107 42,021 0.074

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