2016年1月2日土曜日

第51夜 初勝利と誕生日の素敵な関係


▼日付データを使って分析

予想理論に組み込めるほどのデータではなくても、傾向を掴むことくらいはできることもある。
わたしは勝利度数と素質の関係を明らかにするために、誕生日をはじめとする日付のデータを調べたことがある。
今夜から3夜分のブログのために、3つの切り口から勝利と時間の関係を改めて集計してみたのでご紹介したい。
よく御存じの方には物足りないかもしれないが、誕生日のデータひとつを加えるだけでも興味深い分析ができることをご覧いただければと思う。

これに牡牝、芝・ダートなどの要素も加味していけば、さらに深い分析も可能だろう。
いつものお願いだが、できればグラフにして視覚的につかんでもらいたい。

視覚的に、より理解しやすいものと思う。

 

▼初勝利は仕上がりの早いほど有利

1表は、中央競馬平地競走に出走した馬を、出生から初出走までの月数別にして勝利数との関係を調べたものである。
2004
年生まれから2009年生まれで中央競馬平地競走に出走した馬の2014年までの記録を集計した。
この集計期間後にも現役で走っている馬もいるが、大勢には影響しない程度である。
いつもの通り、同着等の処理は省略しているので多少の誤差はご了承願いたい。
また、地方競馬出身馬や外国からの参戦馬も初戦を「初出走」として取り扱っていることもご承知おきいただきたい。
なお、月数は1ヵ月を30日として計算しているので、1年は360日ということになる。


(1)初出走までに要した月数と勝利の関係(中央競馬平地競走)



ヵ月以内

頭数

勝利数

完走数

平均
完走数

平均
勝利数

勝利
頭数

勝上
り率

24

2

0

19

9.5

0.00

0

0.00

25

128

125

2015

15.7

0.98

65

0.51

26

686

644

9743

14.2

0.94

306

0.45

27

1452

1344

19861

13.7

0.93

627

0.43

28

1946

1773

25672

13.2

0.91

808

0.42

29

2211

2016

28337

12.8

0.91

929

0.42

30

2383

2015

28336

11.9

0.85

925

0.39

31

2767

2340

31427

11.4

0.85

1022

0.37

32

2885

2356

30516

10.6

0.82

1026

0.36

33

2650

1953

27041

10.2

0.74

858

0.32

34

2426

1677

22531

9.3

0.69

734

0.30

35

1965

1170

16168

8.2

0.60

522

0.27

36

1647

850

12090

7.3

0.52

405

0.25

37

1326

556

8500

6.4

0.42

261

0.20

38

1002

405

6250

6.2

0.40

187

0.19

39

721

268

4015

5.6

0.37

125

0.17

40

1205

316

5607

4.7

0.26

149

0.12

50

94

23

507

5.4

0.24

13

0.14

60

28

2

93

3.3

0.07

2

0.07

60月超

26

0

40

1.5

0.00

0

0.00

合計

27550

19833

278768

10.1

0.72

8964

0.33

 

この統計では、24ヵ月以内にデビューした早熟な馬2頭は別として、早くデビューした馬たちが中央競馬での出走数も勝利にも有利な位置にいることがわかる。
例えば、25ヵ月以内に初出走を果たした馬は128頭いるが、1頭平均で0.98勝した。
1
勝以上できたのは過半数の65頭、勝ち上がり率は実に51%に及ぶ。
デビューまで時間がかかるほど、1頭平均の勝利数も、勝ち上がり率も減少していくことがわかる。
勝利を掴むのは全体の3分の一である。
他馬より早く仕上がり、たとえ新馬戦で勝てなくても出走経験を積んで勝ち上がっていく。
そんな構図が見えてくる。
なお、平均出走数(ここでは完走数)もデビューが遅くなるほど少なくなるのだが、これは未勝利戦出走の機会が少なくなることや早々に見切りをつけられることが関係しているものと思われる。

 

▼デビューの時期と勝利には強い関連性なし

1表では、各馬の仕上がりの早さが勝ち上がれるかどうかと関連していることが明示できた。
2表では、初出走の時期と勝利の関係を整理した。

 

(2)デビュー戦の月と勝利の関係(中央競馬平地競走)



初出走月

頭数

勝利数

完走数

平均
完走数

平均
勝利数

勝利
頭数

勝上り

6

1702

1189

17527

10.3

0.70

562

0.33

7

3056

2448

36310

11.9

0.80

1146

0.38

8

2588

2138

30402

11.7

0.83

977

0.38

9

2229

1771

25859

11.6

0.79

826

0.37

10

2438

2161

27762

11.4

0.89

942

0.39

11

3272

2748

36146

11.0

0.84

1194

0.36

12

2897

2175

29690

10.2

0.75

939

0.32

1

2656

1829

24969

9.4

0.69

803

0.30

2

2072

1221

17552

8.5

0.59

564

0.27

3

2066

1056

15771

7.6

0.51

507

0.25

4

1385

656

9623

6.9

0.47

286

0.21

5

1189

441

7157

6.0

0.37

218

0.18

合計

27550

19833

278768

10.1

0.72

8964

0.33

 

この集計結果からは、デビューの時期は勝ち上がり率とそれほど強い関連性はないように見える。
もちろん、2歳で初出走しているほうがよいこと、デビューが早いほど勝ち上がり率が高いことなどは第1表とよく似ている。
ただ、傾向としては緩やかだ。
1表の仕上がりで説明できる部分を除くと、何月に初出走しようが「あまり関係がなさそう」ということが言えそうだ。

 

▼早く生まれたほうが有利

今夜最後に第3表である。
サラブレッドの出産ピークは4月だが、やはり、早く生まれた馬ほど有利になるようである。
ここでは、南半球生まれの馬にも注目したい。
半年ずれた出生の馬たちも、半年ずらして同じ傾向が出ているのである。
勝ち上がりには、早く生まれ、早く仕上がり、早くデビューするほうが傾向としては有利、ということだ。
ところが、勝ち上がった馬たちにとって、2勝目以降にはまったく意外な傾向が出てくる。
これについては次の夜、簡単にご報告したい。


(3)誕生月と勝利の関係(中央競馬平地競走)



誕生月

頭数

勝利数

完走数

平均
完走数

平均
勝利数

勝利
頭数

勝上り

1

1014

845

10588

10.4

0.83

390

0.38

2

4279

3402

45068

10.5

0.80

1531

0.36

3

8297

5936

84259

10.2

0.72

2716

0.33

4

8732

6250

88529

10.1

0.72

2783

0.32

5

4767

3148

46329

9.7

0.66

1425

0.30

6

355

174

2973

8.4

0.49

87

0.25

7

3

0

16

5.3

0.00

0

0.00

8

28

27

289

10.3

0.96

12

0.43

9

31

36

387

12.5

1.16

9

0.29

10

32

13

253

7.9

0.41

9

0.28

11

12

2

77

6.4

0.17

2

0.17

12

0

0

0

0.0

0.00

0

0.00

合計

27550

19833

278768

10.1

0.72

8964

0.33

(SiriusA+B)

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