2016年6月10日金曜日

第91夜 良血馬は優秀である可能性が平均より高い、という平凡な結論


▼ブラックタイプに倣って分析してみる
前夜「良血馬を定義づけるヒントはないだろうか」で、良血馬の基準が明確ではないこと、競走馬のセリではブラックタイプと呼ばれる血統表が

参考になることなどを述べた。
いろいろ調べていくと、「良血馬」は、どのくらい成績と連動するかに興味が湧いてくる。
セリで公開された馬の価格を使って調べたいところなのだが、これは別の機会に譲るとして、今夜は、ブラックタイプで太ゴシック体やゴシック体で表されるグレード(グループ)競走123着馬の産駒成績との関連性を調べてみた。
定義はいろいろと考えられるが、ここでは良血馬を「グレード競走の上位牝馬の産駒」とした。
調査は、1995年から2010年までのG1G2G3平地競走で123着となった牝馬495頭の産駒が、2006年から2014年の中央競馬平地競走において残した成績(完走のみ)を、母集団全体と比較する。

▼良血馬は「比較的」優秀である
中央で産駒をデビューさせた牝馬は17131頭だった。
このうち、上記の定義の「良血馬」は472頭、495頭のうち95%が産駒をこの期間の中央競馬に送り出している。
その産駒頭数は計1956頭である。
この産駒を、中央競馬平地競走未勝利馬、1勝馬、2勝馬、3勝馬、4勝馬、5勝以上馬に分けた。
やはり、「良血馬」は、平均より勝馬が多い傾向にあった。
ただ、わたしの事前予想よりも未勝利馬が多かった。
良血馬といえど、半数以上は未勝利に終わるのである。
種牡馬の分析も並行して行なわなければわからないが、母馬を調べた限りでは、良血馬だからすべて優秀いう単純な図式ではないようだ。
換言すると、良血馬は優秀である可能性が平均より高い、という平凡な結論に落ち着く。
予想された結論だが、具体的に調査した資料はあまりないようなので、参考にしてご自身でも調べてみてほしい。
(
母馬別で2006年から2014年の中央競馬平地競走に出走した馬の成績)



母馬

母馬頭数

平地競走

完走産駒数

未勝利馬

1勝馬

2勝馬

3勝馬

4勝馬

5勝以上

良血馬

472

1956

1079

414

189

131

70

73

 

 

 

55%

21%

10%

7%

4%

4%


16659

45606

31522

7202

3016

1987

1075

804

 

 

 

69%

16%

7%

4%

2%

2%

合計

17131

47562

32601

7616

3205

2118

1145

877

 

 

 

69%

16%

7%

4%

2%

2%

※ここでいう「良血馬」とは母馬が1995年から2009年の中央競馬G1,G2,G3競走で3着以内に入った馬の産駒とする
(SiriusA+B)

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