2016年8月25日木曜日

第110夜 すべてのコースは直線と曲線でできている(上)


▼モノを整理する力
今夜は競馬場のコースの形状について考察する。

複雑な物事を整理して単純化できる能力は、競馬だけでなく、社会生活の中でも役立つが、日頃の訓練によって身に付けることができる。
わたしの場合、仕事上、表計算ソフトで簡単な計算システムを構築することがよくあり、自然と「場合分け」などを身に付けた。
上手くいくのは、システム発注者自身が気づいていなかった法則や場合分けを発見したときである。

▼コースの特徴を「システム化」するとしたら
ちょっとした、システムと言うには簡単な表計算ソフトの関数やVBAマクロ程度の仕組みなら次のように発注者に取材しながら作る。
中央競馬の競馬場について予想ツールの仕組みを作るという例を挙げてみる。

中央競馬には10ある競馬場のコースは、JRAが紹介する通りそれぞれ特徴がある。
わたしなら「すべて直線と曲線(カーブ)の組み合わせでできている」と言う。
そんな話をすると、反論されることもある。
「直線と言っても長かったり坂道があったりするし、カーブも急なところや緩いものもある。粘り気がある洋芝を使っているコースもあって、とにかくそんな単純じゃないんだよ」
という具合である。
反論には重要な要素が含まれている。
それをひとつずつ拾う。
「そうすると、直線には長短がある。曲線には緩急がある。それに加えて、高低差がある、と。高低差にも大小があるってことだね。芝コースには洋芝使用の有無がある、と」
特徴や例外は、ある・なし、の「場合分け」にしてしまう。

「芝は、新潟・中山・京都・阪神で内回りと外回りコースがある。競馬場によるが、外回りコースは内回りに比べて、直線が長い、曲線が緩い、高低差が大きい、という特徴がある」
このように、情報が付加されることもあるだろう。
「では、芝コースは、中央競馬で10あるのではなくて14ある。内回りと外回りを比較しないで、14個のコースとして捉えよう」
わたしならこう答える。

取材を続けると、同距離でもコーナーの数がコースによって異なることや左回り右回りも整理されてくるだろう。

(
分類例)

1周距離
長い/短い
周回方法
左回り/右回り
直線
長い/短い
高低差
大きい/小さい
曲線
きつい/緩い
洋芝
有り/なし

わたしは、コースの大きさそのものも重要な情報だと考えているが、この「発見」は案外難しい。
幸運に恵まれない限り、そうした発見までの長さは考える時間の長さに比例すると思っている。
(
次の夜につづく)
(SiriusA+B)

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