2016年9月20日火曜日

第114夜 予想の要素を毎週変えるのは悪いことか


★しばらく仕事が忙しかったので、記事を更新できなかった。
楽しみにしている人がいるとは思えないが、万一、奇特な方がいた場合にはなにとぞご容赦いただきたい。★

▼不安定な予想
予想の要素を毎週のように変えることは、良くないことなのか、という話である。

予想の要素を毎週のように変えることは良くない、と嗜める向きがある。
ある週は血統を中心に予想したが、次の週は騎手、また次の週は調教、などとコロコロ変えることである。
そういう人に対し「それでは成功しませんよ」と指摘するのである。
稚拙な予想法である場合、なおさらである。
だが、指摘する人の言いたいことはわからないでもないが、楽しみでやっている人にあれこれ言うのも如何なものであろう。
予想法を構築することが楽しい人もいるのだ。
論理的で「正しい」予想法が、その人にとって最善であるかどうかわからないのである。
「余計なお節介と思うが」と断ったうえでの話であっても、やはり、「お節介」である。

予想方法を毎週のように変える行為は、たいていのケースで、予想法が確立していないということである。
指摘者は、予想法が確立していることを理想として忠告しているのなら、少し高い理想を押しつけているかもしれない。
実際問題として、予想法を確立した人などそれほどいない。
収支をプラスにしている馬券購入者でなければ、予想法を確立しているわけではないだろう。
めまぐるしく予想方法を変える人と、あまり上手くない予想法で買い続ける人とどれほど差があるだろうか。
答えはほとんど同じである。
回収率75%近傍で五十歩百歩だ。
良いとか良くないとか決めつけるものでもないように思う。

▼複雑系
さて、現在の知見では、競馬予想は複雑系であり、ひとつの要素だけで決まるわけではないと考えられている。
だからこそ、馬券購入者は様々な予想法を試しているのだ。
ここに、ひとつのヒントがある。
すべての競走に同じ予想ツールで検討する必要はないのではないか、ということである。
条件別に要素のウェイトを変えたり、要素の取捨選択をしたりすることは考えられないであろうか。
中山ダート1200ならこの方法、古馬ならこの方法、重賞ならこの方法、といった具合に予想ツールを分けるのである。
馬券の真理には到達しなくても、部分的に真理に近づくことはできるかもしれない。
案外上手い方法で、行き詰まったら、一定の条件に絞って極めてほしい。
ただし、注意すべき点がひとつある。
サンプル数が少なくなるのだ。
例えば牝馬に限定した予想法であれば、サンプル数は半分以下になり、かなり長期間のデータを集める必要がある。
G1
レースなどでよくみかけるが、十分なデータ量で検証しなければ実践に耐えられない代物になるので、気をつけなければならない。
主催者であるJRAもそうしたことはわかっている。
だからこそ年間3456競走弱で、コースの研究がされにくいよう、同一コースの競走数を抑制したり、時折馬場改修を行なうのである。


(訂正)2006-2014平地競走29902レースで最も頻度の高いコース5


競走区分

競走数

割合

中山1800

1,104

3.7%

中山1200

1,089

3.6%

京都1800

950

3.2%

東京1600

868

2.9%

阪神1800

819

2.7%

 (誤)当初掲載の以下の表は誤りでした(競走数ではなく出走頭数でした)。上表に訂正します。
2006-2014年平地競走430278に対する同一コースのシェア



競走条件


競走数


割合


中山1200


16693


3.88%


中山1800


15985


3.72%


京都1800


13101


3.04%


東京1600


12935


3.01%


小倉1200


11649


2.71%





(SiriusA+B)

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