▼天候と馬場
前夜には、競走条件、特に芝コースの分析を通して、「全馬が力を十分に発揮できない状況では予想どおりにいかないということであり、こうした環境下で活躍する可能性のある馬のポイントを引き上げられないかを模索しなければならないということ」を述べた。
同様の現象は、天候や馬場状態でも起こりうる。
第4表は、天候と馬場状態別の1番人気勝率を調べたものである(2006-2014中央競馬平地競走、勝鞍数には1着同着を含む)。
馬場だけの分析は良くあるが、天候も含めた資料はあまり見当たらないようなので参考になれば幸いである。
(第4表)天候・馬場状態別1番人気馬勝率
前夜には、競走条件、特に芝コースの分析を通して、「全馬が力を十分に発揮できない状況では予想どおりにいかないということであり、こうした環境下で活躍する可能性のある馬のポイントを引き上げられないかを模索しなければならないということ」を述べた。
同様の現象は、天候や馬場状態でも起こりうる。
第4表は、天候と馬場状態別の1番人気勝率を調べたものである(2006-2014中央競馬平地競走、勝鞍数には1着同着を含む)。
馬場だけの分析は良くあるが、天候も含めた資料はあまり見当たらないようなので参考になれば幸いである。
(第4表)天候・馬場状態別1番人気馬勝率
天候馬場
|
芝ダ計
競走数 |
1人気
勝鞍 |
勝率
|
芝
競走数 |
1人気
勝鞍 |
勝率
|
ダ
競走数 |
1人気
勝鞍 |
勝率
|
晴良
|
15,992
|
5,154
|
32.2%
|
8,778
|
2,748
|
31.3%
|
7,214
|
2,406
|
33.4%
|
曇良
|
5,256
|
1,728
|
32.9%
|
3,046
|
972
|
31.9%
|
2,210
|
756
|
34.2%
|
小雨良
|
544
|
175
|
32.2%
|
310
|
100
|
32.3%
|
234
|
75
|
32.1%
|
雨良
|
342
|
93
|
27.2%
|
206
|
53
|
25.7%
|
136
|
40
|
29.4%
|
小雪良
|
16
|
2
|
12.5%
|
4
|
0
|
0.0%
|
12
|
2
|
16.7%
|
雪良
|
11
|
2
|
18.2%
|
5
|
2
|
40.0%
|
6
|
0
|
0.0%
|
晴稍
|
2,015
|
626
|
31.1%
|
594
|
164
|
27.6%
|
1,421
|
462
|
32.5%
|
曇稍
|
1,344
|
448
|
33.3%
|
630
|
191
|
30.3%
|
714
|
257
|
36.0%
|
小雨稍
|
272
|
89
|
32.7%
|
145
|
40
|
27.6%
|
127
|
49
|
38.6%
|
雨稍
|
469
|
144
|
30.7%
|
284
|
88
|
31.0%
|
185
|
56
|
30.3%
|
小雪稍
|
12
|
5
|
41.7%
|
2
|
0
|
0.0%
|
10
|
5
|
50.0%
|
雪稍
|
9
|
3
|
33.3%
|
1
|
1
|
100.0%
|
8
|
2
|
25.0%
|
晴重
|
965
|
305
|
31.6%
|
165
|
53
|
32.1%
|
800
|
252
|
31.5%
|
曇重
|
781
|
242
|
31.0%
|
254
|
62
|
24.4%
|
527
|
180
|
34.2%
|
小雨重
|
174
|
51
|
29.3%
|
70
|
19
|
27.1%
|
104
|
32
|
30.8%
|
雨重
|
317
|
90
|
28.4%
|
173
|
47
|
27.2%
|
144
|
43
|
29.9%
|
小雪重
|
1
|
0
|
0.0%
|
0
|
0
|
|
1
|
0
|
0.0%
|
雪重
|
2
|
1
|
50.0%
|
0
|
0
|
|
2
|
1
|
50.0%
|
晴不
|
312
|
92
|
29.5%
|
27
|
7
|
25.9%
|
285
|
85
|
29.8%
|
曇不
|
457
|
159
|
34.8%
|
75
|
19
|
25.3%
|
382
|
140
|
36.6%
|
小雨不
|
154
|
50
|
32.5%
|
32
|
10
|
31.3%
|
122
|
40
|
32.8%
|
雨不
|
457
|
119
|
26.0%
|
157
|
36
|
22.9%
|
300
|
83
|
27.7%
|
小雪不
|
0
|
0
|
0
|
0
|
|
0
|
0
|
| |
雪不
|
0
|
0
|
0
|
0
|
|
0
|
0
|
| |
合計
|
29,902
|
9,578
|
32.0%
|
14,958
|
4,612
|
30.8%
|
14,944
|
4,966
|
33.2%
|
平均は、32.0%、芝では30.8%、ダートでは33.2%であり、これらを「ベンチマーク」として勝率の高低を見ていただければと思う。
馬場状態は、ごく簡単な理解で言えば水分の含有量を示している。
一般的に、芝コースでは良→稍重→重→不良の順に速度が下がる。
一方、ダートではむしろ速度が上がるといった説明がなされるが、実際には、ダートの不良馬場では重馬場より時計が掛かるようだ(サンプルが少ないので絶対ではないけれど)。
勝率を眺めると、芝・ダートとも、晴や曇の良馬場、稍重馬場なら成績も良く、あまり馬場を気にすることはなさそうだ。
小雨程度でもそれほど問題はなさそうだが、雨になったり、重馬場・不良馬場になったりすると、レースの行方はわからなくなっていく。
その原因を騎手や馬に求めることが多いけれども、こればかりは巧拙を研究するより「レースを見送る、大きな勝負をしない」ほうが賢明である気がする。
サンプル数をご覧いただければお分かりいただけるように、競走数は少ないのである(晴良・曇良・晴稍・曇稍を除く競走は全体の18%)。
馬場状態は、ごく簡単な理解で言えば水分の含有量を示している。
一般的に、芝コースでは良→稍重→重→不良の順に速度が下がる。
一方、ダートではむしろ速度が上がるといった説明がなされるが、実際には、ダートの不良馬場では重馬場より時計が掛かるようだ(サンプルが少ないので絶対ではないけれど)。
勝率を眺めると、芝・ダートとも、晴や曇の良馬場、稍重馬場なら成績も良く、あまり馬場を気にすることはなさそうだ。
小雨程度でもそれほど問題はなさそうだが、雨になったり、重馬場・不良馬場になったりすると、レースの行方はわからなくなっていく。
その原因を騎手や馬に求めることが多いけれども、こればかりは巧拙を研究するより「レースを見送る、大きな勝負をしない」ほうが賢明である気がする。
サンプル数をご覧いただければお分かりいただけるように、競走数は少ないのである(晴良・曇良・晴稍・曇稍を除く競走は全体の18%)。
▼同歳戦、古馬戦
では、出走馬の年齢区分別で分析するとどうなるだろうか。
2歳限定戦、3歳限定戦と古馬戦の3系統で調べた結果が第5表である。
これも大方の予想どおり、古馬戦のほうが勝率は低い。
2歳と3歳では勝率に差があるけれど、これは出走頭数の差異による影響も多分にある。
古馬戦では適性や調子を見極める必要があるように言われることもあるが、どちらかというと2歳・3歳戦のほうが実力を比較しやすい、実力差が大きいといったほうがいいように思われる。
比較をしやすいというのは、出走回数や出走距離などで出走各馬の差が小さいということである。
もうひとつ加えてよいなら、古馬の場合は成長から円熟期、衰退期に変わっていくため、それ相応の予測をしなければならない。
若馬は基本的に成長時期なので右肩上がり、その角度による差はあっても方向は同じであり、予想しやすいのである。
(第5表)年齢区分別1番人気馬勝率
では、出走馬の年齢区分別で分析するとどうなるだろうか。
2歳限定戦、3歳限定戦と古馬戦の3系統で調べた結果が第5表である。
これも大方の予想どおり、古馬戦のほうが勝率は低い。
2歳と3歳では勝率に差があるけれど、これは出走頭数の差異による影響も多分にある。
古馬戦では適性や調子を見極める必要があるように言われることもあるが、どちらかというと2歳・3歳戦のほうが実力を比較しやすい、実力差が大きいといったほうがいいように思われる。
比較をしやすいというのは、出走回数や出走距離などで出走各馬の差が小さいということである。
もうひとつ加えてよいなら、古馬の場合は成長から円熟期、衰退期に変わっていくため、それ相応の予測をしなければならない。
若馬は基本的に成長時期なので右肩上がり、その角度による差はあっても方向は同じであり、予想しやすいのである。
(第5表)年齢区分別1番人気馬勝率
年齢別
|
施行競走数
|
1番人気勝鞍
|
勝率
|
完走頭数
|
平均頭数
|
古馬戦
|
14,788
|
4,396
|
29.7%
|
212,450
|
14.4
|
2歳限定戦
|
5,062
|
1,797
|
35.5%
|
68,158
|
13.5
|
3歳限定戦
|
10,052
|
3,385
|
33.7%
|
149,670
|
14.9
|
合計
|
29,902
|
9,578
|
32.0%
|
430,278
|
14.4
|
▼牝馬限定戦
最後に、牝馬限定戦について一言触れておきたい。
結論を先に申し上げれば、勝率はあまり変わらないとみてよさそうだ。
すべて牝馬になることで「均質」性は上がるように思ったが、実際のところはあまり気にしなくてよいと考えられる。
(第6表)牝馬限定戦1番人気馬勝率
最後に、牝馬限定戦について一言触れておきたい。
結論を先に申し上げれば、勝率はあまり変わらないとみてよさそうだ。
すべて牝馬になることで「均質」性は上がるように思ったが、実際のところはあまり気にしなくてよいと考えられる。
(第6表)牝馬限定戦1番人気馬勝率
性別
|
施行競走数
|
1番人気勝鞍
|
勝率
|
完走頭数
|
平均頭数
|
牝馬限定戦
|
4,483
|
1,414
|
31.5%
|
66,143
|
14.8
|
牝馬限定戦以外
|
25,419
|
8,164
|
32.1%
|
364,135
|
14.3
|
合計
|
29,902
|
9,578
|
32.0%
|
430,278
|
14.4
|
(SiriusA+B)