▼予想の難しさとはどこにあるのか
ハンデ戦はその代表格だが、なんとなく波乱が多いなと思うタイプの競走というものはある。
「荒れる」レースの定義は難しいが、予想の難しいものをそう呼ぶとすれば、出走馬の顔ぶれのほか、競走条件による「荒れやすい」競走はあり、戦略を練る上で役に立つかもしれない。
ただし、これによって、荒れやすい競走を狙うとか回避するとかいった単純な話をするのではない。
予想の難しさとはどこにあるのかを考察し、予想手法にフィードバックするためである。
難しい、とひとことで片付けてはもったいない。
難しいという原因を推定し、その解決策を考えていくことで予想の精度を上げられるのではないかと思うのである。
今回の記事では原因の推定までだが、皆さんの参考になればと思う。
今夜は、1番人気の勝率をもとに、予想のしやすい競走、し辛い競走を考察する。
計測期間(2006-2014年)で中央競馬平地競走は29,902レース、同着も含めた1番人気馬の勝利数は9,578回、勝率は32.0%だった。
この32.0%を基準に考察していく。
▼芝とダート
最初に思い浮かぶのが、芝とダートである。
芝よりダート競走のほうが勝率は高く、予想しやすいと考えられているが、実際そのとおりであった。
第1表のとおり、1番人気の勝率は、芝30.8%、ダート33.2%である。
フルゲートに違いがあるので、念のため出走頭数(ここでは集計の都合上完走馬の平均頭数を用いる。以下同じ)に差があるのかもしれないので調べてみたが、大きな差はなく、「出走頭数が多いから芝競走は難解」というわけではないようである。
第2表のとおり、距離別にも刻んで調べたものの、サンプル数が少ないところはともかく、距離の問題でもなさそうだ。
もっとも、サンプルが少ないところもあるので断定はできないが、芝の場合、長距離競走ほど1番人気の勝率が下がる傾向はある。
この記事には記載しないが、コース別にデータをとってみると、直線が長いほど、内回りと外回りでは外回りほど、勝率が下がる傾向は見受けられる(もちろん例外はある)。
ハンデ戦はその代表格だが、なんとなく波乱が多いなと思うタイプの競走というものはある。
「荒れる」レースの定義は難しいが、予想の難しいものをそう呼ぶとすれば、出走馬の顔ぶれのほか、競走条件による「荒れやすい」競走はあり、戦略を練る上で役に立つかもしれない。
ただし、これによって、荒れやすい競走を狙うとか回避するとかいった単純な話をするのではない。
予想の難しさとはどこにあるのかを考察し、予想手法にフィードバックするためである。
難しい、とひとことで片付けてはもったいない。
難しいという原因を推定し、その解決策を考えていくことで予想の精度を上げられるのではないかと思うのである。
今回の記事では原因の推定までだが、皆さんの参考になればと思う。
今夜は、1番人気の勝率をもとに、予想のしやすい競走、し辛い競走を考察する。
計測期間(2006-2014年)で中央競馬平地競走は29,902レース、同着も含めた1番人気馬の勝利数は9,578回、勝率は32.0%だった。
この32.0%を基準に考察していく。
▼芝とダート
最初に思い浮かぶのが、芝とダートである。
芝よりダート競走のほうが勝率は高く、予想しやすいと考えられているが、実際そのとおりであった。
第1表のとおり、1番人気の勝率は、芝30.8%、ダート33.2%である。
フルゲートに違いがあるので、念のため出走頭数(ここでは集計の都合上完走馬の平均頭数を用いる。以下同じ)に差があるのかもしれないので調べてみたが、大きな差はなく、「出走頭数が多いから芝競走は難解」というわけではないようである。
第2表のとおり、距離別にも刻んで調べたものの、サンプル数が少ないところはともかく、距離の問題でもなさそうだ。
もっとも、サンプルが少ないところもあるので断定はできないが、芝の場合、長距離競走ほど1番人気の勝率が下がる傾向はある。
この記事には記載しないが、コース別にデータをとってみると、直線が長いほど、内回りと外回りでは外回りほど、勝率が下がる傾向は見受けられる(もちろん例外はある)。
(第1表)芝・ダート別1番人気馬勝率
芝ダ別
|
施行競走数
|
1番人気勝鞍
|
勝率
|
完走頭数
|
平均頭数
|
芝
|
14,958
|
4,612
|
30.8%
|
215,984
|
14.4
|
ダート
|
14,944
|
4,966
|
33.2%
|
214,294
|
14.3
|
合計
|
29,902
|
9,578
|
32.0%
|
430,278
|
14.4
|
(第2表)芝・ダートおよび距離別1番人気馬勝率
距離別
|
施行競走数
|
1番人気勝鞍
|
勝率
|
完走頭数
|
平均頭数
|
芝5ハロン以下
|
271
|
86
|
31.7%
|
4,196
|
15.5
|
芝6ハロン以下
|
3,298
|
990
|
30.0%
|
49,115
|
14.9
|
芝7ハロン以下
|
1,552
|
458
|
29.5%
|
23,814
|
15.3
|
芝8ハロン以下
|
2,561
|
790
|
30.8%
|
37,942
|
14.8
|
芝9ハロン以下
|
3,018
|
973
|
32.2%
|
42,149
|
14.0
|
芝10ハロン以下
|
2,671
|
844
|
31.6%
|
37,217
|
13.9
|
芝11ハロン以下
|
515
|
154
|
29.9%
|
7,084
|
13.8
|
芝12ハロン以下
|
552
|
167
|
30.3%
|
7,269
|
13.2
|
芝13ハロン以下
|
486
|
131
|
27.0%
|
6,415
|
13.2
|
芝15ハロン以下
|
27
|
10
|
37.0%
|
365
|
13.5
|
芝16ハロン以下
|
9
|
1
|
11.1%
|
154
|
17.1
|
芝17ハロン以下
|
9
|
5
|
55.6%
|
134
|
14.9
|
芝18ハロン以下
|
9
|
3
|
33.3%
|
130
|
14.4
|
ダート5ハロン以下
|
1,081
|
364
|
33.7%
|
13,765
|
12.7
|
ダート6ハロン以下
|
3,322
|
1,126
|
33.9%
|
49,946
|
15.0
|
ダート7ハロン以下
|
2,481
|
790
|
31.8%
|
37,550
|
15.1
|
ダート8ハロン以下
|
868
|
294
|
33.9%
|
12,935
|
14.9
|
ダート9ハロン以下
|
6,515
|
2,182
|
33.5%
|
90,658
|
13.9
|
ダート10ハロン以下
|
247
|
82
|
33.2%
|
3,365
|
13.6
|
ダート11ハロン以下
|
235
|
68
|
28.9%
|
3,385
|
14.4
|
ダート12ハロン以下
|
190
|
53
|
27.9%
|
2,492
|
13.1
|
ダート13ハロン以下
|
15
|
7
|
46.7%
|
198
|
13.2
|
合計
|
29,932
|
9,578
|
32.0%
|
430,278
|
14.4
|
(芝計)
|
14,978
|
4,612
|
30.8%
|
215,984
|
14.4
|
(ダート計)
|
14,954
|
4,966
|
33.2%
|
214,294
|
14.3
|
▼逆転可能性
古くから「ダート競馬は単調でつまらない」ということばがあるが、今回集計した情報を考え合わせると、「逆転可能性」が高い競走ほど人気どおりにいかないのではないかとわたしは考えた。
少し研究を進めて、第3表を作成してみた。
これは、各競走で1-3着となった馬3頭の上がり3ハロンタイムを平均したものだ。
1-3着馬の単勝人気の合計別に集計している。
1、2、3番人気が独占すると「6」となるのでこれが最も「堅い」レースで、「7」だと1、2、4番人気の組み合わせになろう。
蛇足だが、調査期間中最大の「43」をつけたレースは1着14番人気、2着13番人気、3着16番人気であった(2010年7月10日函館競馬第5競走、1,200m芝)。
この表のとおり、芝競走に限れば、荒れた競走は上がり3Fの時計がかかる傾向が、緩やかだがあるようだ。
上がりのかかるレースは差し馬が台頭すると言われている。
こうした競走では、ペース配分に失敗して力尽きたり、脚を余したりする馬も少なくないことだろう。
つまり、全馬が力を十分に発揮できない状況では予想どおりにいかないということであり、こうした環境下で活躍する可能性のある馬のポイントを引き上げられないかを模索しなければならないということである。
どうやって見つけるか、それは今後の課題である。
次の夜には、天候についても触れたい。
(第3表)上位3頭の人気合計別上がり3ハロン平均速度
古くから「ダート競馬は単調でつまらない」ということばがあるが、今回集計した情報を考え合わせると、「逆転可能性」が高い競走ほど人気どおりにいかないのではないかとわたしは考えた。
少し研究を進めて、第3表を作成してみた。
これは、各競走で1-3着となった馬3頭の上がり3ハロンタイムを平均したものだ。
1-3着馬の単勝人気の合計別に集計している。
1、2、3番人気が独占すると「6」となるのでこれが最も「堅い」レースで、「7」だと1、2、4番人気の組み合わせになろう。
蛇足だが、調査期間中最大の「43」をつけたレースは1着14番人気、2着13番人気、3着16番人気であった(2010年7月10日函館競馬第5競走、1,200m芝)。
この表のとおり、芝競走に限れば、荒れた競走は上がり3Fの時計がかかる傾向が、緩やかだがあるようだ。
上がりのかかるレースは差し馬が台頭すると言われている。
こうした競走では、ペース配分に失敗して力尽きたり、脚を余したりする馬も少なくないことだろう。
つまり、全馬が力を十分に発揮できない状況では予想どおりにいかないということであり、こうした環境下で活躍する可能性のある馬のポイントを引き上げられないかを模索しなければならないということである。
どうやって見つけるか、それは今後の課題である。
次の夜には、天候についても触れたい。
(第3表)上位3頭の人気合計別上がり3ハロン平均速度
1-3着人気合計
|
芝競走数
|
上がり3F平均速度
|
ダ競走数
|
上がり3F平均速度
|
6
|
1,199
|
61.72
|
1,332
|
57.54
|
7
|
804
|
61.71
|
911
|
57.60
|
8
|
1,213
|
61.61
|
1,291
|
57.47
|
9
|
1,296
|
61.60
|
1,296
|
57.62
|
10
|
1,242
|
61.63
|
1,356
|
57.52
|
11
|
1,116
|
61.51
|
1,197
|
57.53
|
12
|
1,148
|
61.45
|
1,198
|
57.52
|
13
|
1,016
|
61.52
|
1,034
|
57.52
|
14
|
966
|
61.60
|
931
|
57.46
|
15
|
863
|
61.60
|
814
|
57.46
|
16
|
738
|
61.43
|
713
|
57.49
|
17
|
574
|
61.54
|
595
|
57.51
|
18
|
514
|
61.45
|
492
|
57.51
|
19
|
452
|
61.51
|
379
|
57.36
|
20
|
374
|
61.53
|
350
|
57.64
|
21
|
301
|
61.48
|
228
|
57.58
|
22
|
269
|
61.41
|
192
|
57.33
|
23
|
183
|
61.55
|
155
|
57.57
|
24
|
161
|
61.22
|
141
|
57.75
|
25
|
132
|
61.75
|
93
|
57.43
|
26
|
105
|
61.60
|
63
|
57.68
|
27
|
66
|
61.23
|
58
|
57.55
|
28
|
41
|
61.53
|
26
|
57.86
|
29
|
54
|
61.62
|
28
|
57.44
|
30
|
42
|
61.27
|
28
|
57.09
|
31
|
24
|
61.39
|
17
|
57.21
|
32
|
14
|
61.80
|
9
|
56.72
|
33
|
13
|
60.81
|
8
|
55.17
|
34
|
8
|
61.13
|
1
|
59.67
|
35
|
12
|
61.72
|
4
|
58.41
|
36
|
5
|
60.87
|
3
|
57.55
|
37
|
5
|
61.56
|
0
| |
38
|
3
|
63.13
|
0
| |
39
|
1
|
62.80
|
0
| |
40
|
1
|
62.43
|
1
|
58.22
|
41
|
2
|
64.21
|
0
| |
42
|
0
| |||
43
|
1
|
59.78
|
0
|
(SiriusA+B)