2017年2月19日日曜日

第153夜 遺伝学みたいな手法で血統に思いを巡らせる

▼競馬に強い遺伝子()
今夜は抽象的に過ぎるかもしれない。
いわゆる「スピード遺伝子」について考えていたら、こんな仮説もできるか、と思ったのだ。
頭の体操なので、まあこんな考え方もあるという程度に眺めていただければ。

一般的な血統論では、ある種牡馬の産駒をすべて同一の「血」として扱い、傾向のばらつきを母系か、数代前の祖先に遡って説明を補う。
これには多少無理があって、体系的な説明をしにくい原因になっている。
要するに同じ血統で優駿と駄馬が出現する説明ができないのだ。

そこで、わたしは「競馬に強い遺伝子」というものがあると仮定してみることにした。
わたしの頭の中での話なので、何をもって強いと言うか、そんな遺伝子があるのか、といったことは、ひとまず置いておく。
その遺伝子は、才能豊かな「R」とそれほどでもない「P」の組み合わせになっている。
R
richPpoorの頭文字を採った。
競走生活で淘汰されたとして、種牡馬は「RR」型か「RP」型しかいないとする。
肌馬にはこれに加えて「PP」型が混じっているとも仮定する。
遺伝は両親からひとつずつ受け継ぐので、組み合わせは以下のようになる。
1)
RR型母RR
産駒は100%RR
2)
RR型母RP
産駒は50%RR型、50%RP
3)
RR型母PP
産駒は100%RP
4)
RP型母RR
産駒は50%RR型、50%RP
5)
RP型母RP
産駒は25%RR型、50%RP型、25%PP
6)
RP型母PP
産駒は50%RP型、50%PP
である。

RR型とRP型の2種類、母RR型とRP型とPP型の3種類と仮定したのだが、PP型の種牡馬がいると考える人は加えてもらえればと思う。
産駒の型のパーセンテージは、すべて市場に出回っているわけではないので予想のしようがないものの、
RR型種牡馬の産駒はRR型かRP型である。
RP型種牡馬の産駒はRR型、RP型、PP型のいずれもある。
ということはわかる。

▼血統論の否定?
前項の仮定理論では、「血」という1種類で考えるのではなく、遺伝学的な思考で「1頭の種牡馬の産駒は、2ないし3種類に分けられる」ということを示した。
むしろ、1種牡馬=1種類という考え方ではいろいろ説明できなかったことが説明できるということである。

この仮定理論を推し進めるとなかなか応用が利き、面白い。
例えば肌馬である。
肌馬については資料が少なくなるので未知となる場合が多いだろうが、3種類すべてを用意した。
注目すべきはPP型である。
この理論のとおり、もしも種牡馬からR遺伝子を受け継いだなら、PP型の肌馬からもRP型産駒が生まれ、さらにRR型の孫まで出現することも考えられるのだ。
「種牡馬が重要」とか「地味な血統から優駿が」とかいったことは、血統を遡らなくてもこの理論なら説明できそうということだ。
ディープインパクトを種牡馬RR型と仮定するなら(実際、産駒の成績からはそうみえる)、産駒はRR型とRP型となる。
「そんなことはない。勝負にならない馬もいる」と言うなら、種牡馬がRP型か、ひとつの遺伝子で決まらないということか、競馬は血統以外の要素が多いか、のいずれかである。
これは血統論の否定か競馬予想における重要度の引き下げを意味するように思うのだが、いかがであろう。
もちろん、こんな遺伝子があるとしての話だが。
(SiriusA+B)

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