2018年12月23日日曜日

第225夜 年末大掃除に代えて、予想ファクターで要らないものを捨てる

▼捨てる勇気が拓く地平
有馬記念が終わり年始を迎えると、ネットで投票した馬券の年間収支が明らかになる。
年間収支は多くの人にとって見たくないものかもしれない。
わたしも目を背けるような過去もあった。
一方で、発奮材料にする人もいるだろう。
来年こそ頑張るぞと。
問題は、残念な結果を目の当たりにして耐えられても、自分の予想理論を捨て去ることはなかなかできないことである。
修正の必要は感じても、捨てるのは難しい。
年間収支の結果以上に、予想理論の変更は自らを否定するような行為だからである。

そこで提案である。
収支が赤字だった人には、次のファクターを使わずに「予想理論バージョン2」を作ってみてほしい。
今までに使ってきたものを捨てられないなら並行して使うのも構わない。
改良ではなく、まったく新しいものを作るのだ。
だが、最終的には新しいもので充分だと判断する日が訪れるだろうと思う。

で、使わないファクターである。
1、血統データ
2、調教データ
3、厩舎コメント
4、スピード指数/速度指数など走破タイム
5、脚質、展開予想(ペース、ラップタイム)
6、過去のレース映像
7、パドック、返し馬
8、当日のオッズ
これらのファクターを一切使用せずに、新しい予想理論を作成してほしい。
いずれも世間では「重要」とされているものばかりであり、わたしが不要と思っているものばかりである。
すべて使用している人こそほとんどいないと思われるが、1以上使用している人はかなりいるだろう。
特にスピード指数を、派生したり独自に改良したりしているとしても、予想の根幹として活用している人は多いと思う。
これらを使うな、とわたしは言う。
わたしが不要だと思うからではない。
最終的に使うことになるのは構わないが、わたしが言いたいのは、今まで自分が使っていた予想法にしがみついていれば多少の改善はあっても飛躍はないということだ。
大事だと思っているファクターを使わず、どこまでできるかやってみるのである。
「今のものをより精度を上げれば」と思う人はいるだろうが、多くの場合、精度の問題ではない。
着想やファクターに不足があるか、そもそも理論に誤りがある。
人気、着順、騎手、調教師、年齢、枠順などその他の構成要素だけで予想理論を作ってみれば、新たに重要なファクターが見つかる可能性がある。
明るい月を隠して星を探すような作業である。

適当な、机上の空論を述べているのではない。
わたし自身、以上のようなステップを踏んで今に至っている。
走破タイムを使わないなんて、まったく不可能なことだと思っていたけれど、今ではほとんど参考にしない。
捨てるには勇気も要る。
だが、捨てなければ進化もしない。
年末年始の落ち着いた時期に、長考、試行錯誤の時間をとってはいかがだろう。
古い話で恐縮だが、第32夜、第33夜その他の記事に参考にしてもらいたい内容が含まれている。

▼永遠の予想理論もない
完璧な予想理論というのはないという前提で話をする。
10年単位の長期的な視点で考える場合、ファクターの重要度も変化することがあると思っておいた方がいい。
現代の知見では、競馬は複雑系であり、レース結果を一つで説明できるファクターはない。
「8割方種牡馬で説明できる」とか「走破タイムで説明できる」といったものがないのである。
したがって、いくつかのファクターを組み合わせることになるのだが、その混ぜ合わせる比率は固定的ではない。
重要度で言えば、騎手の時代、種牡馬の時代、速度の時代などといった、勝利の主因となるものが変わる。
突出した騎手に良馬が集中するとか、トニービン、ブライアンズタイム、サンデーサイレンス産駒が席巻するとか、馬場の改良でスピードやスタミナのバランスが変わるといった具合である。
他の時代に比べて、あるファクターの各要素に大きな差が生じると、勝ち馬を見つけやすくなるのだ。
或いはまったく新しいファクターが出現することもあれば、以前より影響の小さくなったファクターも出てくるかもしれない。
「不変のファクター」は存在しない。
例えば、
・馬場の改良が進み、天候や馬場状態の変化による影響は以前より小さくなった印象がある。
・コースの改良で、枠順の有利不利よりも直線の瞬発力が勝負を左右するようになってきたかもしれない。
・騎手の力量は、上位と下位で差が拡大している可能性がある。
・長距離戦は減少傾向にあり、短距離や中距離に適性がある馬が増えている。
という感じだ。
ずっと同じと考える方が説明に苦慮する。
繰り返すが「不変のファクター」は存在しない。
このことを前提に予想理論を組み立て、適宜調整(わたしはファインチューニングと言っている)する柔軟性も持ち合わせておくと良いと思う。
多数の競馬投票者に認知されるまでが勝負である。
(SiriusA+B)

2018年12月16日日曜日

第224夜 マイナーな枠番連勝という馬券

▼売上比率3.3%
日本中央競馬会の平成29年度事業報告書によれば、枠番連勝複式、いわゆる枠連は、馬券全体の売り上げの中でわずか3.3%という比率である。
WIN5に次いで小さいのだが、WIN5は1日1回なので実質は最も売り上げの小さい馬券と言える。
昔からのファン以外に買う人はいないのかもしれず、風前の灯と思う方も少なくないようだ。
だが、特性をよくみれば、意外に使い勝手の良い馬券であると思う。

▼最大36通りという特徴を活かせ
先ず、リスク管理の面で優れている。
16頭以上18頭フルゲートでも36通りである。
寺銭の控除率に差はあるが、複勝、単勝に次いで買い目の数が少ない。
当然、平均配当も低くなるが、それでも2,000円を超える。
単勝平均配当が10倍強で、枠連はだいたいその2倍、買い目が2倍近いから控除率も考慮すれば妥当なところだろう。
資金の循環を考えれば、すなわち的中率の高さと資金の維持をバランスよく考えれば、決して悪くない。
わたしは、少額しか投入できない一般的な馬券購入者であるわたしたちにとって、多くのレースに投票し次々と的中させ、僅かずつでも資金を増やしていく方法が成功の鍵だと思っている。
組み合わせの数が少ないに越したことはなく、枠連は単複同様、わたしたちの味方である。
特に、多頭数ほど保険になりやすいのだ。
拡大馬連、いわゆるワイドと比べると分かりやすい。
ワイドは3点的中するので、レース的中率は高い。
当てやすさ、すなわち的中組み合わせ/全組み合わせ、で考えると、16頭以上だと枠連の方が当てやすくなる。
16頭立て以上のレースでは、ワイドより枠連の方が保険に適しているということだ。
18頭フルゲートなら、単勝の半分の当てやすさである。
買い目が増えるような予想なら、人気薄の枠連を手広く買うのもいいだろう。
ちなみに、馬単と3連複の関係も似たようなものだが、的中率の逆転は8頭立てを境にするので、今の出走頭数からみれば、気に留めない人も多いだろうと思う。

▼特殊な買い方
この枠連という馬券は、最大8つに出走馬をまとめるため、「同枠馬」が存在するところに特徴がある。
オールドファンは「枠連ネイティブ」だから理解できないだろうが、「馬連ネイティブ」の人には、この「特殊な馬券」を、馬単位で予想するのか、違う方法があるのかわからない、という基本的なところで敬遠しているケースがある。
答えとしては、「予想方法に違いはない」である。
ただ、上手く使えれば資金配分戦術上有効なのだ。
わたしの枠連のイメージは、陸軍で言えば騎兵、将棋で言えば桂馬という感じだろうか(どちらもたまたま馬である)。
使い方の難しい馬券であるが、一本釣りではなく投げ網方式で幅広く馬券を買う人であれば、買い目を減らすのに使える。
本命から流すのにも馬連と枠連を組み合わせることもできる。
一般的な使い方は以上のようなものだ。
わたしの個人的見解で言えば、枠連は他の馬券を補完する押さえとしては点数が絞れて有用である。
(SiriusA+B)

2018年12月9日日曜日

第223夜 レースの絞り込みは必要なのか

▼絞り込みはいいことか
ここのところ、わたしの馬券購入の考えに関する話題を取り留めなく続けている。

馬券上手はレースを絞って勝負している、という言及を目にする。
「絞っていくと勝負は1日2、3レースだ。全レース買うとは、判断基準が甘いのではないか」と断罪されることもある。
わたしは馬の名前すら覚えていないので周囲に競馬をそれほど知らないと思われているのだが、
「すみませんね、わたしはほとんどのレースに手を出しています」
と思わず告白しそうになってしまう。
でも、例えば居酒屋で、酔った勢いを借りて思わず口に出してしまったら、
「ついでに単勝複勝を複数買うこともありまぁす」
とまで言っちゃうかもしれない。
ホントのことだから。
きっと素人だと思って、いろいろ教えてくれる違いない。
レースは自信がなければ見送れとか、死に票を考える方がいいよ、といった助言である。
ここからはありがたく拝聴するだろう。
他人の考え方を聞く機会ほど貴重なものはない。
投票者の中での自分の相対的位置を想像するのに参考になるほか、サムシングニュー(何か新しい考え)を得られるチャンスでもある。

話が逸れた。
わたしの考え方は、確かに素人臭いけれど、実は発想の転換をしている。
こちらは次項に記すとして、まずレースの絞り込みの是非についてわたしの見解を申し上げたい。

レースにはなるべく多く参加した方が良い、というのがわたしの考えである。
「1日2、3レース」というのは自信があるというより、基準が厳しすぎる可能性が高い。
そして、基準が厳しすぎるということは、リスク回避を過剰にしているということでもある。
何を根拠に馬券を買うのかは様々であるが、自信があるというのは、いくつかのフィルターを通過したのだろう。
そういう馬は、他の馬券投票者のフィルターも通過しており、つまりある程度安全性が高く、結果として人気を集めていると思ってよい。
「他の馬券投票者は信じないがわたしはとても自信がある」馬は、そうそういない。
したがって、割合人気のある馬券を買うことになり、余程の的中率を保持しない限り長期的な必勝は難しいのではないか。
問題は的中率である。
注意しなければならないことは、競馬の着順は必ずしも能力順ではないという事実で、だからこそギャンブルとして成立していることを忘れてならない。
能力が高いほど勝利に近いしその可能性は高まるが、過去の名馬さえ足下をすくわれた敗戦は少なくない。
ほとんどの馬券を完璧に的中させる気なら、1日2、3レースではなく、月に2、3レースあるかどうかで、そういう意味では、むしろ基準が甘すぎると言えるかもしれない。

野球の打率3割の打者なら何度も打順が回ってくればヒットをコンスタントに打ってくる。
だがその3割打者にチャンスにだけ代打で打てというのは難しい話だ。
なるべく多くのレースに参加した方がいいというのは、これに似ている。
資金の問題である。
1日最大36レースだ。
投票機会は36回以下なのだ。
当たり外れを繰り返すサイクルが1日に何度もあれば、1日の収支も安定してくる。
リカバリーできる可能性が高くなる。
片っ端から見送りし、その日1レースか2レースしか賭けないというなら、外れたときには目も当てられない。
この点に言及したブログ記事は見当たらなかったが、わたしは忘れてはならないと思っている。
当然、予想技術がそれなりに高いことを前提としている。

▼レースという枠を超えて
もうひとつ、発想の転換例について述べたい。
レースは同着というケースを除き、1着は1頭であり、最大18頭から必ず選ばれる。
馬券に絡む定員は1、複勝圏で3である。
皆さんはレース単位で予想する。
これが当たり前である。
だがわたしは、1日の出走馬で条件に合う馬をピックアップするという戦略で臨むときがある。
レースの枠を超えるというか、外すというか、言い方はわからないが馬単位で見ていくのである。
レース単位で何が1着になるかどうか、ではなく、こういう馬は上位に食い込みやすい、と調べていくのである。
例えば「前走2着馬」とか「前走1番人気で敗退した馬」を選ぶ予想法だとして、出走馬に該当する馬がいれば、例え同じレースに複数エントリーしていようと全部買うのだ。
この例えの方法だと、平均して1レースに1頭くらいだ(前走にて1頭しかいないから)。
ちなみにいずれの予想法でも勝率は約20%ある(第31夜、第32夜)。

わたしは自分の判定基準に照らし合わせ「このレースにはいない」「このレースは3頭もいるのか、しょうがないなあ」などぶつぶつ言いながらベットしていく。
該当馬がいないレースまで無理に買うことはしないけれど、複数いても仕方がないと思って全部に投票している。
複数いるレースは割合混戦になることが多く、配当も妙味があって、トリガミは案外少ないのだ。
もちろん1レースに10頭も該当する馬がいれば見送るなりさらに絞り込んだりするだろうけれど、まあ最大4頭くらいには収まる。
該当馬1頭の場合は人気馬のケースが多く、とても楽しみに結果を待つ。
レース予想という概念を破る思考なので多くの人にはご理解いただけないだろうが、こうした発想もあるということだ。
さすがにこれと似たブログ記事は見つからなかった。
だが、少なくともわたしはこれでソコソコの実績をあげている。
(SiriusA+B)

2018年12月2日日曜日

第222夜 競馬予想の「期待値」は正直よく飲み込めない

▼期待値とは
あまりよく知らなかったのだけれど、「期待値」が1を上回るときに馬券を買うべし、という理論がある。
解説してくれと言われたので、にわかにネットを漁ったのだが、申し訳ない、よくわからなかった。
なんでも、
期待値=的中率×オッズ
だそうで、的中率をどう見積もるかというところでムニャムニャ言ってはぐらかされるページが多かった。
的中率×オッズでは、単勝なら寺銭を引いた0.8になるが、的中率を操作するようだ。

この理論、変だよ、と言いたいのではない。
知らなくても皆さんが実践していることのように思えるのだ。
例えば、単勝2.5倍の馬券の的中率は、平均的に、
1 / 2.5 × 4/5 = 32%
と弾き出される。
期待値は、0.32 × 2.5 = 0.8
となるのは自明だ。
だが、わたしたちは総合的に判断して(根拠のない期待や思い込みを含めて)、「たぶん32%より高い確率で勝つだろう。9割がた間違いない」と考え、計算式に表すと、
0.9 × 2.5 = 2.25
と2.25という数字はともかく皮算用しているのである。
この「0.9」に明快な根拠を用意できればいいのだ。

私見だが、この理論のおかしなところは、この計算式でよいのか、ということである。
単勝で言えば「自分の期待する勝率の割にはオッズが高い(逆数で計算される勝率が低い)」ことであればよく、1を超えるかどうかはあまり関係ないことなのだと思う。
すなわち、
自分の期待する勝率(勝つ確率)>オッズの逆数で算出される勝率
で、期待する勝率が割に合うならゴー、なのでないだろうか。
1.1倍でも100%くると思うなら賭ければよい。
理論的にも合っている。
だが、オッズ100倍(勝率0.8%)だが、2%の勝率を期待し期待値が1を超えるからといって勝負に出るだろうか。
さらに実戦では、少し買い増しされるだけでオッズが大きく変動する。
発売締切ギリギリまで睨んで買えるだろうか。

▼判断ツールとして
この期待値の理論というか判断ツールはあまりわからないけれど、自分の期待する勝率とオッズの逆数にギャップがあるものを見つけ出すという試みは、必勝法へのアプローチであると言っていい。
前夜に、今年のわたしが複勝を買っている話を少しだけ綴っているが、実は、一定の判断基準を満たす馬の複勝を買っている。
一定の判断基準は公開しないけれど、過去のレースで統計を取り、判断基準を満たす馬を買い続けても充分勝負になると信じるに至ったのである。
期待値1近辺なのであろう。

わたしの場合、オッズを見ないで朝のうちにまとめて買うので、それぞれの買い目がどのくらいの配当かは知らない(もちろん人気馬の単勝オッズはぼんやり分かるが、気にも留めない)。
ただ、あとで確認すると、とんでもない馬に賭けていることもある。
1番人気馬は多いが、千円(10倍)を超える複勝も的中させているので、これが資金を大きくする原動力になっている。
ある程度確信が持てる予想ができるなら、オッズはあまり気にしなくていい。
反対に気にしなければならないのなら、予想法の再検討をした方がいいかもしれない。
そういう判断ツールとしては有用に思う。
(SiriusA+B)

2018年11月25日日曜日

第221夜 複勝は奥深く、断定できないけれど、庶民派の着実な券種だと思うのだが

▼金持ちの馬券なのか
「射幸心を煽る」とは、楽をして良い思いをしたい、儲けたいという気持ちにさせる、ことである。
賭け事には少なからずこうした思いを秘められいる。
だから「何々するだけで儲かる」というフレーズで誘惑されやすく、実際そういう誘惑が多いように思う。

わたしの場合、副業的な位置付けになるだろうか。
本業のほかに稼げたら、とは思うが、楽をして、というのはない。
データを収集加工する作業は、少なくともわたしには苦行である。
予想法の研究は終わりというものがない。
好きでなければ働いた方がよほど稼げるだろう。

この射幸心を煽り方もよくできていて、中央競馬でもリスクに応じた馬券の種類が存在して、それぞれの「程よいリスク」を選べるようになっている。
楽しみを増やす、というのはそういうことだとご理解いただきたい。

このうち複勝馬券は券種のうちで最も的中率が高く配当が低い。
そのため「大金を投じて1.1倍の配当を得るような買い方のできる金持ちの馬券だ」という声もある。
わたしには後述するように庶民の馬券に思えるけれど、それこそ射幸心を煽られているのでは、と思わずにはいられない。
100円で1点買いにしても、全レースで投票したいので1日最大3,600円は要る。
ある程度的中率も確保できるので、資金の枯渇リスクも小さい。
この例では、10%の黒字は+360円だが、黒字になるだけ凄いことだと思う。
そもそも100円であっても何点も買いにいき、たまに大きめの配当を当てるより少額で確実だと思うけれど。

逆に聞きたい。
お金持ちは、1万円の利益を目指して10万円を投じるだろうか。
お金持ちでも賭け金が膨らむほど惜しくなると思うのだが(庶民と金銭感覚は違うけど)。
1万円の黒字で嬉しくなる財布感覚の人に10万円は大きすぎるが、10万円を気安く出せる金銭感覚の人にも1万円は小さすぎるのだ。
ということで、お金持ちの馬券ではない気がする。

▼複勝馬券とどう付き合うか
では、どう付き合うといいだろう。
情けないけれど、わたしは未だ確たる回答を持っていない。
いろいろなサイトを見て回っても、これは、という戦略にも出合わなかった。

いくつかわかっていることはある。
例えば、コロガシはおススメしない。
1番人気の複勝率でも67%弱である。
0.67×0.67=0.45
だ。
2回でさえ半分以上の確率で失敗する。

1.1倍近辺ばかり狙う「本命党」の買い方も難しい。
いくら自信があっても9割近く当てるのはたいへんなことなのだ。

では穴馬を狙うか、というのもどうかと思う。
3着までの人気馬で埋まらない空席は意外に少ない。
その割に穴馬は多い。

▼負けにくい馬券
じゃあ、なんの馬券なの、ということである。
わたしが思うに、勝ちにいく馬券としては付き合い方が難しいけれど、負けにくい馬券と思えば使いやすいかもしれない。
実際、大穴狙いでなければ複勝はよく当たり、資金は枯渇しにくい。

ならば、守備的というか保険的馬券なのだろうか。
余剰資金(例えば1万円投じて最低得られる利益千円で他の馬券を買う)で勝負するとなればまた難しい議論になるが、そのような使い方なのか。
冷静に考えて、そんなことする?

わたしは大量のレースで少額からコツコツと資金を増やしていく馬券ではないだろうかと思う。
断定的に言い切れないのが残念だが、皆さんはどう思うだろうか。
倍率に関係なく、これはと自分が思う馬1頭の複勝をほぼ全レース買うとよくわかるが、1日を終えればたまに黒字になり、大幅に負け越すケースは少ない。
競馬(馬券)は「資金をいかに減らさずにプラスにもっていくか」というゲームだとわたしは思っている。
その趣旨にいちばん近いのが複勝なのだ。
的中率は高いので資金の回転が速い。
絞れなければ見送るのも悪くないが、数多くのレースに挑み、1点を狙う。
できればオッズも見ないで、すべて同じ金額で勝負してほしい。
自信のあるレースにドカン、ではなく、魚網を投げるように広く薄くだ。
あなたの選択眼が素晴らしいのなら、多くの開催日で6割近くの的中率を弾き出し、頻繁に資金を回収しながら少しずつ黒字を蓄積していくはずである。
単勝を買っておけば当たったとか、そういうことも考えず、ストイックに複勝だけで戦い続ける気持ちの強さも大切だ。
射幸心を煽られてはいけない。

以上は仮説であるが、この戦略が間違っていないなら、少額で臨む大多数の人向けの馬券である。
ちなみに、仕事が忙しくあまり投票できていないが、今年のわたしはこの方法を実践している。
今年の収支は、大きな複勝を当てたこともあり今のところ黒字である。
オッズを見ずに買うので、多くの本命に混じって自分でもびっくりするような穴馬が当たったりする。
極めて少額ながら、口座残高は元の2倍を超え、270%以上である。
大儲けはもちろんないけれど、意外に着実な歩みだと感じている。
時間をかければ、とお思いの方もいるだろうが、意外に短期間で利益は積もる。
(SiriusA+B)

2018年11月18日日曜日

第220夜 穴馬の定義

▼何をもって穴馬というのか
激走馬でも穴馬でも呼び方は好きにしていいが、要するに人気薄で馬券に絡む3着以内に飛び込んでくる馬の話である。
いろいろなサイトをみていると、そうした馬の探し方のヒントが掲載されている。
共通しているのは、何と言ったらいいか、ちょっと欲望が剥き出しという感じがする(笑)
野球で言えば打率の低いホームラン狙いのような雰囲気である。
的中率の話などはほとんどないので、実際のところどんな成績かは不明だが、それよりも知りたいことがある。
穴馬の定義である。
人気薄でしょ、と即答されそうだが、それなら毎レースで何頭もいる。
もう少し絞りたい。
人気薄で3着までに飛び込んできそうな馬、というところか。
ここで矛盾が出てくる。
じゃあなぜ人気薄なのか。

多くの人が激走しそうにないと思っているから、という回答が出てくれば、わたしと同じ考えだと思う。
すなわち、わたしは走ると思っているけれど、皆はそう思っていない馬、というのが穴馬なのである。
「多くの投票者と違う、わたしの指名した馬」という主観的なものなのだ。
激走或いは変わり身も皆が織り込んでいれば、それは人気になる。
だから、自分の予想した有力馬をオッズと見比べて初めて人気がないことを知り、穴馬だと認識できるのである。
したがって、穴馬がいないレースだってある。

▼人気薄の馬から穴馬を探すこと
ところが人気薄の馬を並べてそこから穴馬を探す人がいる。
すべてのレースで穴馬はいる半面、前項の手順に比べて成功する確率は低いと思われる。
この手順では、人気馬或いは実力馬を外した上での選抜であり、前項のように出走全馬から穴馬を探すわけではない。
前項では予想してオッズを見たら穴馬だった、である。
裏返せば多くの場合人気と大差なかった、となる。
ところが最初から人気薄に絞って探すと、人気馬で決着しそうなレースで無駄使いしてしまう。
もちろん競馬だから何があるかはわからないけれど、分の悪い勝負だと思うのである。

本当の(?)穴党は、予想した有力馬が人気のとき買わない、ケンする、のではないだろうか。
ボール球にも大振りばかりしていたら打率も下がる。

▼穴馬のオッズを見て怯まない方法
残念なことに、人間は怯んでしまう。
こうして見つけた穴馬のオッズがあまりにも高いとき、思わず単勝狙いをやめて複勝を買ったり、人気馬との馬連の組み合わせを買ったり、果ては予算より減らして賭けたりしてしまうことはないだろうか。
怯まず買え、というのは実際のところ難しい。
わたしのお馬鹿な経験では、レース場所の東西を見間違え、本命と思った馬の単勝オッズが100倍以上あったと思ってしまったとき、複勝に切り替えてしまったことがある。
1着でゴールしたときは自分が天才かと思ったが、複勝110円と聞いて初めて間違いに気づいた。
500円か千円買っていた頃で、利益は50円か100円である。
単勝は2倍以上あったことは覚えている。
500円か千円を稼いでいたのにと思ってしまった。
このとき考えたのが、レースを見間違えないようにしよう、ではなくて、そもそもオッズを見ないようにしよう、だった。
焦ったり怯んだり、ロクなことがない。
ということで、朝のうちに全レースをまとめて買うのが原則になった。
怯まない方法として、人気に関わらず、オッズを見ないで定額を淡々と、ということが挙げられるのだ。
時折、人気馬に混じって中穴あたりが的中する。

もうひとつの方法がある。
最初から馬連、ワイド、3連複、複勝を恒常的に買うスタイルにすることである。
一獲千金を狙う射幸心が最大の敵で、最初からコツコツ稼ぐ馬券にしておけばいいのだ。
配当の妙味の点でこれ以上妥協のしようがない複勝だったら迷いも生じない。
おそらく金額も下げたりしないだろうと思う。
(SiriusA+B)

2018年11月11日日曜日

第219夜 アナログ情報を含めたスピード系指数のデータ統合

▼方法が分かれば進むのに、という人はいる
「各馬の能力をひとつの指数で表現して、できれば機械的に買い目を決められるようにしたい」と考える人は多いと思う。
だが、「前走で上がり3ハロンが1番良かった馬」とか「調教や前走で見所ありとメモした馬」という情報を速度指数に上手く組み込めないという悩みを持つ人は、周囲を見回せば少なくないようだ。
既に解法を得ている人から見れば「簡単じゃないか」と言うだろうが、そこがひとつの壁なのだ。
数学の問題と同じで、解法に繋がる着想が得られれば解けるのに、と思うことはよくある。
今夜は、ノウハウというか解法のヒントを綴りたい。
当たり前と思う方は既に分かっていらっしゃると思うので読み飛ばしてもらっていい。

▼単位を揃える
最初にすべての情報をどの単位でまとめるかを決める。
まとめるのは勝率でも連対率でも何でも良いが、片や時速で片や勝率ではデータを結合できない。
その揃え方である。
このブログでアクセス数をみるとスピード指数系支持する読者が多いようなので、わたしがいつも例に出す速度で揃えてみよう。

わたしのブログ用データベース(平地競走9年分、約29,900競走)では、全体の平均時速は58.83km/hである。
例えば「前走で上がり3ハロンが1番良かった馬」を要素に加えたいとしよう。
この場合、該当するデータ、すなわち前走で上がり3ハロンが最速だった馬の合計をとり、平均する。
件数は2万件を軽く超えるので、割としっかりしたデータである。
様々なコース、競走条件はあるが、細分化するより全部まとめてサンプル数を確保した方がいいだろう。
仮に、平均時速の平均をとると59.05km/hとしよう(この数字は適当である)。
基準速度である58.53との差異をみると、
59.05ー58.53=+0.52
となる。
該当馬には+0.52を足してやればいいのだ。
速度に揃えるというのはこういう手順でやる。
「前走2着馬」とか「騎手」「3番人気」なども同様にする。

なお、数学的には各要素の重複を差し引く作業があるけれど、要素の選択でよほどの偏りがなければまあ無視してもそれほど酷い間違いにはならないだろう。

▼アナログ情報を加えるには
では、レースのリプレイを見て「これは見どころがある。次走に期待したい」というような場合はどうするか。
アナログ情報は数値にできない、という人もいるが、継続的にデータに記録することでデジタルデータにすることができる。
「見どころ有り」という項目欄を用意し、該当馬に「1」を立てる。
内容別にしたいとか、凄く見どころ有り、と見どころ有りで「2」「1」と使い分けてもいいけれど、まあ主観的データなのでひとつでいいと思うが好きに決めればいい。
これも該当馬すべての時速を合計し、平均を求めればよい。
あなたの注目馬の平均時速が58.63km/hなら、基準速度との差+0.10を次走出走の該当馬に加えてやればいいのだ。
直接目測で0.2秒足すなどするより良いのではないかと思っている。
自分の「相馬眼」の実力も分かるだろう。
何をポイントに「次走期待できる」と思っているのかも明らかになってくる。
(SiriusA+B)

2018年11月4日日曜日

第218夜 生産者或いは育成は血統並みに考慮されていい


▼血統だけではない、育成の力
血統がすべて、ということはないだろう。
人間を見ればわかる。
サラブレッドも走るだけの才能しか評価されないけれど同様である。
競走能力とは、速さ、スタミナだけではなく、忍耐力やスピードのギアチェンジ、馬込みでも負けない精神力といったなかなか数値にできない項目を含めた総合力である。
競馬を観ていると、先天的能力以上に育成の差は大きいのではないかと感じることも少なくない。
育成は血統以上に重視すべきではないかと思うのである。
血統はある意味わかりやすい。
多くの人間が「天賦の才の違い」を言い訳にしてしまうが、実際のところ、努力の差が大きい現実を見て見ぬふりをしているだけだ。

近年はノーザンファームの育成牧場が実績を挙げている。
社台グループで繁殖牝馬のレベルも高いが、安住することなく、血の入れ替えや設備投資などに積極的に資金をかけている印象がある。
生産そのものはもちろんだが、充実した外厩を生産馬に提供し、傑出した成績を残している事実は、競走馬となってからも育成が如何に重要かを示す実例と言える。
下表は、産駒の多い種牡馬の生産者別獲得賞金を一覧したものである。
肌馬の差は判定しづらいが、同一種牡馬で有意な成績差をみれば、もはや血統だけで馬の能力を説明することは難しい。

▼表 主要生産者のディープインパクト産駒・ステイゴールド産駒成績

ディープインパクト ステイゴールド
2017年賞金順 生産者名 産駒生産頭数 賞金合計 1頭当たり平均賞金 産駒生産頭数 賞金合計 1頭当たり平均賞金
1 ノーザンファーム 408 20,484,657,000 50,207,493 95 3,122,098,000 32,864,189
2 社台ファーム 230 6,816,574,000 29,637,278 98 1,964,492,000 20,045,837
3 社台コーポレーション白老ファーム 0 0 0 0 0 0
4 ダーレー・ジャパン・ファーム 0 0 0 0 0 0
5 ヤナガワ牧場 6 314,415,000 52,402,500 4 259,744,000 64,936,000
6 岡田スタッド 11 709,909,000 64,537,182 6 41,049,000 6,841,500
7 下河辺牧場 61 1,688,520,000 27,680,656 46 380,247,000 8,266,239
8 追分ファーム 40 863,661,000 21,591,525 20 821,352,000 41,067,600
9 ビッグレッドファーム 15 165,301,000 11,020,067 96 1,876,106,000 19,542,771
10 グランド牧場 23 404,862,000 17,602,696 2 59,379,000 29,689,500
11 フジワラファーム 3 60,983,000 20,327,667 1 0 0
12 ノースヒルズ 20 810,491,000 40,524,550 12 262,144,000 21,845,333
13 辻牧場 6 515,459,000 85,909,833 3 56,242,000 18,747,333
14 千代田牧場 32 700,499,000 21,890,594 21 283,566,000 13,503,143
15 コスモヴューファーム 2 24,788,000 12,394,000 47 948,476,000 20,180,340
16 三嶋牧場 18 637,517,000 35,417,611 7 32,684,000 4,669,143
17 新冠タガノファーム 0 0 0 1 0 0
18 レイクヴィラファーム 3 83,432,000 27,810,667 7 58,322,000 8,331,714
19 ケイアイファーム 27 1,004,286,000 37,195,778 1 17,691,000 17,691,000
20 岡田牧場 0 0 0 2 130,000 65,000
21 坂東牧場 4 16,130,000 4,032,500 20 999,430,000 49,971,500
22 チャンピオンズファーム 0 0 0 0 0 0
23 藤原牧場 6 20,037,000 3,339,500 0 0 0
24 富田牧場 4 125,485,000 31,371,250 0 0 0
25 笠松牧場 2 500,000 250,000 1 18,369,000 18,369,000
26 新冠橋本牧場 0 0 0 2 42,789,000 21,394,500
27 目黒牧場 0 0 0 0 0 0
28 谷川牧場 3 69,452,000 23,150,667 2 7,743,000 3,871,500
29 本桐牧場 0 0 0 4 34,311,000 8,577,750
30 高昭牧場 4 5,436,000 1,359,000 4 13,084,000 3,271,000
31 村上欽哉 2 13,800,000 6,900,000 3 87,173,000 29,057,667
32 白井牧場 3 76,424,000 25,474,667 11 138,688,000 12,608,000
33 小島牧場 1 0 0 1 202,918,000 202,918,000
34 桜井牧場 3 151,808,000 50,602,667 1 489,000 489,000
35 清水牧場 0 0 0 4 12,558,000 3,139,500
36 パカパカファーム 25 532,303,000 21,292,120 4 56,829,000 14,207,250
37 前谷武志 0 0 0 0 0 0
38 天羽禮治 1 0 0 1 0 0
39 宮内牧場 1 131,540,000 131,540,000 0 0 0
40 杵臼牧場 5 17,659,000 3,531,800 3 7,519,000 2,506,333
41 日高テイエム牧場 0 0 0 0 0 0
42 川上牧場 3 17,130,000 5,710,000 2 9,329,000 4,664,500
43 日西牧場 0 0 0 2 1,984,000 992,000
44 三城牧場 1 1,200,000 1,200,000 0 0 0
45 静内フジカワ牧場 0 0 0 2 75,696,000 37,848,000
46 いとう牧場 5 91,701,000 18,340,200 2 139,854,000 69,927,000
47 木村牧場 0 0 0 6 12,494,000 2,082,333
48 トウショウ産業株式会社トウショウ牧場 0 0 0 0 0 0
49 松浦牧場 6 82,414,000 13,735,667 5 75,120,000 15,024,000
50 隆栄牧場 2 176,678,000 88,339,000 2 1,254,000 627,000
51 豊洋牧場 0 0 0 0 0 0
52 鎌田正嗣 0 0 0 2 25,000 12,500
53 栄進牧場 5 3,782,000 756,400 0 0 0
54 大島牧場 0 0 0 1 1,480,000 1,480,000
55 日進牧場 0 0 0 1 2,133,000 2,133,000
56 上水牧場 5 51,050,000 10,210,000 6 45,376,000 7,562,667
57 服部健太郎 0 0 0 0 0 0
58 日の出牧場 0 0 0 0 0 0
59 アラキファーム 0 0 0 2 58,701,000 29,350,500
60 日高大洋牧場 13 423,261,000 32,558,538 7 30,095,000 4,299,286
61 錦岡牧場 8 102,925,000 12,865,625 5 105,869,000 21,173,800
62 ミルファーム 0 0 0 0 0 0
63 平山牧場 0 0 0 0 0 0
64 ヒダカファーム 0 0 0 2 70,254,000 35,127,000
65 藤沢牧場 0 0 0 1 3,390,000 3,390,000
66 カタオカファーム 0 0 0 2 7,261,000 3,630,500
67 稲原牧場 1 6,800,000 6,800,000 0 0 0
68 浦河小林牧場 2 0 0 9 125,230,000 13,914,444
69 タバタファーム 5 91,409,000 18,281,800 3 56,820,000 18,940,000
70 カミイスタット 0 0 0 0 0 0
71 西村和夫 1 0 0 3 12,507,000 4,169,000
72 山際牧場 0 0 0 2 404,000 202,000
73 佐竹学 0 0 0 4 13,838,000 3,459,500
74 桑田牧場 4 21,870,000 5,467,500 1 0 0
75 谷岡牧場 1 134,850,000 134,850,000 1 0 0
76 日本中央競馬会日高育成牧場 0 0 0 0 0 0
77 須崎牧場 0 0 0 2 10,288,000 5,144,000
78 エスティファーム 8 121,858,000 15,232,250 2 1,742,000 871,000
79 中本牧場 0 0 0 0 0 0
80 服部牧場 4 342,373,000 85,593,250 1 5,100,000 5,100,000
81 矢野牧場 9 109,102,000 12,122,444 3 9,945,000 3,315,000
82 浜本牧場 0 0 0 5 33,261,000 6,652,200
83 三石橋本牧場 0 0 0 6 317,110,000 52,851,667
84 大北牧場 3 4,640,000 1,546,667 1 0 0
85 斉藤安行 0 0 0 0 0 0
86 木村牧場 0 0 0 6 12,494,000 2,082,333
87 三木田牧場 1 352,000 352,000 0 0 0
88 天羽牧場 5 91,568,000 18,313,600 2 13,463,000 6,731,500
89 酒井牧場 2 11,040,000 5,520,000 2 112,813,000 56,406,500
90 明治牧場 4 116,242,000 29,060,500 3 98,764,000 32,921,333
91 雅牧場 1 11,100,000 11,100,000 6 82,206,000 13,701,000
92 太陽牧場 0 0 0 0 0 0
93 山岡牧場 0 0 0 0 0 0
94 谷岡スタット 1 0 0 1 4,810,000 4,810,000
95 磯野牧場 0 0 0 0 0 0
96 恵比寿興業株式会社那須野牧場 0 0 0 0 0 0
97 浦河日成牧場 0 0 0 1 1,100,000 1,100,000
98 大西ファーム 0 0 0 1 1,450,000 1,450,000
99 シンボリ牧場 5 26,050,000 5,210,000 3 18,991,000 6,330,333
100 まるとみ冨岡牧場 0 0 0 3 4,620,000 1,540,000


▼予想理論への反映
では、この生産者別の差を馬券予想に反映できないだろうか。
勝利と育成に、それほど強い影響度を示すとは思っていなかったが、案外関係性が深いようだ。
ちょっと調べれば、生産者別勝率や連対率は簡単に手に入るし、少しだけ計算すれば1戦あたりの平均獲得賞金も明らかになる。
わたしの無駄な解説などなしに、下表をじっくりご覧いただきたい。
2015年から2017年まで3年間の成績である(地方や障害競走を含む)。

▼表 上位生産者100傑の勝率・連対率・複勝率・獲得賞金
2017年賞金順 生産者名 3年間1着 3年間2着 3年間3着 3年間着外 3年間全体 賞金計 1走あたり 勝率 連対率 複勝率
1 ノーザンファーム 1,728 1,442 1,255 9,824 14,249 41,052,768,000 2,881,098 12.10% 22.20% 31.10%
2 社台ファーム 1,001 1,053 963 9,096 12,113 21,400,714,000 1,766,756 8.30% 17.00% 24.90%
3 社台コーポレーション白老ファーム 338 319 349 2,925 3,931 7,750,720,000 1,971,692 8.60% 16.70% 25.60%
4 ダーレー・ジャパン・ファーム 217 207 181 1,567 2,172 3,756,221,000 1,729,384 10.00% 19.50% 27.90%
5 ヤナガワ牧場 62 67 62 699 890 3,109,768,000 3,494,121 7.00% 14.50% 21.50%
6 岡田スタッド 164 165 174 1,912 2,415 3,254,851,000 1,347,764 6.80% 13.60% 20.80%
7 下河辺牧場 171 190 175 1,845 2,381 3,358,849,000 1,410,688 7.20% 15.20% 22.50%
8 追分ファーム 114 91 116 1,031 1,352 2,140,154,000 1,582,954 8.40% 15.20% 23.70%
9 ビッグレッドファーム 121 141 176 1,724 2,162 2,615,713,000 1,209,858 5.60% 12.10% 20.30%
10 グランド牧場 115 103 107 1,127 1,452 2,102,258,000 1,447,836 7.90% 15.00% 22.40%
11 フジワラファーム 106 86 68 1,027 1,287 1,903,934,000 1,479,358 8.20% 14.90% 20.20%
12 ノースヒルズ 119 143 132 1,144 1,538 2,349,168,000 1,527,417 7.70% 17.00% 25.60%
13 辻牧場 79 84 62 850 1,075 1,818,173,000 1,691,324 7.30% 15.20% 20.90%
14 千代田牧場 126 124 148 1,787 2,185 2,469,694,000 1,130,295 5.80% 11.40% 18.20%
15 コスモヴューファーム 70 64 73 803 1,010 1,329,472,000 1,316,309 6.90% 13.30% 20.50%
16 三嶋牧場 111 100 100 1,127 1,438 1,822,733,000 1,267,547 7.70% 14.70% 21.60%
17 新冠タガノファーム 82 87 75 725 969 1,515,274,000 1,563,750 8.50% 17.40% 25.20%
18 レイクヴィラファーム 61 82 61 483 687 1,101,044,000 1,602,684 8.90% 20.80% 29.70%
19 ケイアイファーム 57 60 69 490 676 1,100,784,000 1,628,379 8.40% 17.30% 27.50%
20 岡田牧場 72 67 71 709 919 1,442,594,000 1,569,743 7.80% 15.10% 22.90%
21 坂東牧場 49 49 43 376 517 1,080,922,000 2,090,758 9.50% 19.00% 27.30%
22 チャンピオンズファーム 54 59 40 471 624 874,451,000 1,401,364 8.70% 18.10% 24.50%
23 藤原牧場 42 47 50 461 600 1,009,275,000 1,682,125 7.00% 14.80% 23.20%
24 富田牧場 49 55 55 457 616 964,311,000 1,565,440 8.00% 16.90% 25.80%
25 笠松牧場 52 55 46 517 670 841,206,000 1,255,531 7.80% 16.00% 22.80%
26 新冠橋本牧場 40 34 61 519 654 715,633,000 1,094,240 6.10% 11.30% 20.60%
27 目黒牧場 17 19 12 91 139 483,227,000 3,476,453 12.20% 25.90% 34.50%
28 谷川牧場 38 44 33 463 578 728,609,000 1,260,569 6.60% 14.20% 19.90%
29 本桐牧場 34 43 35 427 539 760,311,000 1,410,596 6.30% 14.30% 20.80%
30 高昭牧場 47 67 68 915 1,097 892,523,000 813,603 4.30% 10.40% 16.60%
31 村上欽哉 45 60 42 627 774 753,202,000 973,129 5.80% 13.60% 19.00%
32 白井牧場 35 43 46 431 555 820,679,000 1,478,701 6.30% 14.10% 22.30%
33 小島牧場 31 25 26 315 397 553,476,000 1,394,146 7.80% 14.10% 20.70%
34 桜井牧場 20 20 20 222 282 420,341,000 1,490,571 7.10% 14.20% 21.30%
35 清水牧場 15 17 14 135 181 495,990,000 2,740,276 8.30% 17.70% 25.40%
36 パカパカファーム 31 35 29 369 464 644,875,000 1,389,817 6.70% 14.20% 20.50%
37 前谷武志 23 28 12 147 210 356,995,000 1,699,976 11.00% 24.30% 30.00%
38 天羽禮治 26 25 29 268 348 482,356,000 1,386,080 7.50% 14.70% 23.00%
39 宮内牧場 34 60 47 494 635 563,097,000 886,767 5.40% 14.80% 22.20%
40 杵臼牧場 37 44 42 597 720 690,672,000 959,267 5.10% 11.30% 17.10%
41 日高テイエム牧場 11 7 8 99 125 281,194,000 2,249,552 8.80% 14.40% 20.80%
42 川上牧場 38 26 45 700 809 667,812,000 825,478 4.70% 7.90% 13.50%
43 日西牧場 26 33 33 398 490 487,255,000 994,398 5.30% 12.00% 18.80%
44 三城牧場 23 14 11 186 234 400,907,000 1,713,278 9.80% 15.80% 20.50%
45 静内フジカワ牧場 30 27 29 170 256 483,182,000 1,887,430 11.70% 22.30% 33.60%
46 いとう牧場 37 27 35 305 404 658,979,000 1,631,136 9.20% 15.80% 24.50%
47 木村牧場 51 49 53 606 759 712,100,000 938,208 6.70% 13.20% 20.20%
48 トウショウ産業株式会社トウショウ牧場 30 28 21 424 503 532,411,000 1,058,471 6.00% 11.50% 15.70%
49 松浦牧場 22 36 34 330 422 443,782,000 1,051,616 5.20% 13.70% 21.80%
50 隆栄牧場 22 16 16 179 233 379,358,000 1,628,146 9.40% 16.30% 23.20%
51 豊洋牧場 31 30 36 271 368 552,846,000 1,502,299 8.40% 16.60% 26.40%
52 鎌田正嗣 17 21 17 249 304 346,668,000 1,140,355 5.60% 12.50% 18.10%
53 栄進牧場 28 30 28 267 353 555,358,000 1,573,252 7.90% 16.40% 24.40%
54 大島牧場 27 28 34 312 401 513,450,000 1,280,424 6.70% 13.70% 22.20%
55 日進牧場 20 34 32 316 402 524,278,000 1,304,174 5.00% 13.40% 21.40%
56 上水牧場 23 22 21 307 373 390,582,000 1,047,137 6.20% 12.10% 17.70%
57 服部健太郎 13 10 7 47 77 245,054,000 3,182,519 16.90% 29.90% 39.00%
58 日の出牧場 20 26 13 189 248 323,281,000 1,303,552 8.10% 18.50% 23.80%
59 アラキファーム 16 12 16 199 243 379,304,000 1,560,922 6.60% 11.50% 18.10%
60 日高大洋牧場 36 51 47 468 602 691,670,000 1,148,953 6.00% 14.50% 22.30%
61 錦岡牧場 36 33 44 541 654 658,589,000 1,007,017 5.50% 10.60% 17.30%
62 ミルファーム 22 27 21 403 473 386,429,000 816,975 4.70% 10.40% 14.80%
63 平山牧場 13 22 7 166 208 307,881,000 1,480,197 6.30% 16.80% 20.20%
64 ヒダカファーム 24 19 23 356 422 473,249,000 1,121,443 5.70% 10.20% 15.60%
65 藤沢牧場 25 22 16 244 307 392,653,000 1,279,000 8.10% 15.30% 20.50%
66 カタオカファーム 17 9 27 155 208 272,337,000 1,309,313 8.20% 12.50% 25.50%
67 稲原牧場 18 24 28 269 339 382,736,000 1,129,015 5.30% 12.40% 20.60%
68 浦河小林牧場 16 17 20 175 228 269,873,000 1,183,654 7.00% 14.50% 23.20%
69 タバタファーム 27 32 16 264 339 565,588,000 1,668,401 8.00% 17.40% 22.10%
70 カミイスタット 17 21 16 216 270 360,654,000 1,335,756 6.30% 14.10% 20.00%
71 西村和夫 24 14 18 303 359 316,107,000 880,521 6.70% 10.60% 15.60%
72 山際牧場 7 12 9 104 132 171,739,000 1,301,053 5.30% 14.40% 21.20%
73 佐竹学 22 18 27 234 301 341,783,000 1,135,492 7.30% 13.30% 22.30%
74 桑田牧場 25 25 24 273 347 427,503,000 1,231,997 7.20% 14.40% 21.30%
75 谷岡牧場 18 12 9 176 215 307,062,000 1,428,195 8.40% 14.00% 18.10%
76 日本中央競馬会日高育成牧場 21 18 30 267 336 323,841,000 963,813 6.30% 11.60% 20.50%
77 須崎牧場 19 16 21 197 253 276,422,000 1,092,577 7.50% 13.80% 22.10%
78 エスティファーム 42 49 43 611 745 643,827,000 864,197 5.60% 12.20% 18.00%
79 中本牧場 12 10 3 102 127 231,962,000 1,826,472 9.40% 17.30% 19.70%
80 服部牧場 30 33 35 336 434 851,546,000 1,962,088 6.90% 14.50% 22.60%
81 矢野牧場 27 27 34 293 381 428,302,000 1,124,152 7.10% 14.20% 23.10%
82 浜本牧場 22 27 18 284 351 477,774,000 1,361,179 6.30% 14.00% 19.10%
83 三石橋本牧場 12 9 14 137 172 260,097,000 1,512,192 7.00% 12.20% 20.30%
84 大北牧場 15 22 25 292 354 260,317,000 735,359 4.20% 10.50% 17.50%
85 斉藤安行 12 11 12 66 101 198,053,000 1,960,921 11.90% 22.80% 34.70%
86 木村牧場 51 49 53 606 759 712,100,000 938,208 6.70% 13.20% 20.20%
87 三木田牧場 18 17 11 130 176 281,876,000 1,601,568 10.20% 19.90% 26.10%
88 天羽牧場 21 23 35 323 402 419,991,000 1,044,754 5.20% 10.90% 19.70%
89 酒井牧場 24 13 14 171 222 343,828,000 1,548,775 10.80% 16.70% 23.00%
90 明治牧場 20 28 26 233 307 454,300,000 1,479,805 6.50% 15.60% 24.10%
91 雅牧場 13 4 14 215 246 198,567,000 807,183 5.30% 6.90% 12.60%
92 太陽牧場 19 29 18 305 371 382,938,000 1,032,178 5.10% 12.90% 17.80%
93 山岡牧場 15 6 12 163 196 389,623,000 1,987,872 7.70% 10.70% 16.80%
94 谷岡スタット 9 13 6 76 104 239,999,000 2,307,683 8.70% 21.20% 26.90%
95 磯野牧場 11 9 5 106 131 224,243,000 1,711,779 8.40% 15.30% 19.10%
96 恵比寿興業株式会社那須野牧場 24 15 9 239 287 373,649,000 1,301,913 8.40% 13.60% 16.70%
97 浦河日成牧場 16 31 43 281 371 339,888,000 916,140 4.30% 12.70% 24.30%
98 大西ファーム 9 3 6 60 78 148,108,000 1,898,821 11.50% 15.40% 23.10%
99 シンボリ牧場 25 31 38 480 574 434,001,000 756,099 4.40% 9.80% 16.40%
100 まるとみ冨岡牧場 13 22 16 156 207 193,700,000 935,749 6.30% 16.90% 24.60%


(SiriusA+B)

ブログ アーカイブ