2020年5月31日日曜日

第279夜 出走頭数に注意を払う

不思議なデータ
データをいじっていると、ときどき思いもかけない結果になって頭を悩ますことがある。
例えば日齢(年齢や月齢よりも小さいもの)を順位付けするとき、若い順にしたり年長者から数えたりすると、なるほどと思うデータになる。
逆から数えてみると興味深い集計ができることがあるのだ。
ところが、調子に乗って何でも逆から順位付けしていたところ、あるデータで「何だろう」という結果になった。
枠順(馬番)である。
最内枠から1番、2番と付けられていることは周知のとおりだ。
これをひっくり返して大外から1番、2番と付けてみたのである。
例えば13頭立てなら、馬番13番を「1番」、馬番1番を「13番」とする。
出走頭数によって本当の1番は16番になったり18番になったりする。
これで逆番ごとに勝率を集計したのだ。
そうすると下表のように、正規の馬番での勝率と似た右肩下がりのデータに仕上がった。
「大外(逆番1)が最も勝率が高い!
一瞬、目を疑ったのだった。
しばらくの間、謎が解けなかった。

★馬番とその逆番(大外を1番とする番号)の番号別勝率(2006-2018、中央競馬全競走、取消・除外・競走中止等含む)
馬番/逆番 馬番勝率 逆番勝率
1 7.079% 7.442%
2 7.455% 7.112%
3 6.890% 7.175%
4 7.629% 7.003%
5 6.965% 7.157%
6 7.301% 7.263%
7 7.191% 7.362%
8 7.308% 6.991%
9 6.893% 7.354%
10 7.231% 6.879%
11 6.670% 6.670%
12 6.832% 6.550%
13 6.429% 6.783%
14 6.309% 6.303%
15 5.976% 6.443%
16 6.343% 5.823%
17 4.691% 5.438%
18 5.580% 6.195%

もちろん、これにはカラクリがある。
出走頭数を考慮していなかったからである。
馬番・逆番とも、番号が大きくなるにつれ、出走頭数別平均勝率に近づいてくる。
出走頭数別平均勝率とは、12頭立てなら1/128.3%18頭立てなら1/185.6%である。
だから、例えば16頭立て限るなど、頭数を揃えて集計すれば、馬番でも逆番でもちゃんと同じ「外枠不利」になる。
わたしの拙い説明でよく分からない人、詳しく知りたい人はご自身でもやってみるとよく分かる。

★馬番とその逆番(大外を1番とする番号)の番号別勝率算出根拠付
馬番/逆番 馬番件数 馬番勝馬数 馬番勝率 逆番件数 逆番勝馬数 逆番勝率
1 44,894 3,178 7.079% 44,894 3,341 7.442%
2 44,894 3,347 7.455% 44,894 3,193 7.112%
3 44,894 3,093 6.890% 44,894 3,221 7.175%
4 44,894 3,425 7.629% 44,894 3,144 7.003%
5 44,893 3,127 6.965% 44,893 3,213 7.157%
6 44,873 3,276 7.301% 44,873 3,259 7.263%
7 44,795 3,221 7.191% 44,795 3,298 7.362%
8 44,543 3,255 7.308% 44,543 3,114 6.991%
9 43,827 3,021 6.893% 43,827 3,223 7.354%
10 42,552 3,077 7.231% 42,552 2,927 6.879%
11 40,657 2,712 6.670% 40,657 2,712 6.670%
12 38,245 2,613 6.832% 38,245 2,505 6.550%
13 34,824 2,239 6.429% 34,824 2,362 6.783%
14 31,144 1,965 6.309% 31,144 1,963 6.303%
15 26,539 1,586 5.976% 26,539 1,710 6.443%
16 21,330 1,353 6.343% 21,330 1,242 5.823%
17 4,818 226 4.691% 4,818 262 5.438%
18 4,068 227 5.580% 4,068 252 6.195%


このときは大いに悩んだけれど、原因が判明してからは出走頭数にもよく注意するようになった。
スピード指数で基準タイムを3着までで作る場合、出走頭数を加味したほうがいいかもしれないとか、賞金は5着までだが(手当を除く)少頭数でもらいやすかったのではないか、など「上位何頭」というデータには注意している。

馬券と頭数
オッズや馬券の組み合わせでは出走頭数の影響が大きい。

オッズは窪みの話題の中で、頭数別標準オッズを示しているとおりだ。

馬券の組み合わせは数多くのサイトで一覧にしてくれている。
あまり触れられていないのだが、わたしが補足したいのは、頭数別組み合わせの「増加率」に注目してほしい、ということである。
例えば16頭立ての競走で三連単の組み合わせ数は3,360通りである。
全通り買おうとすれば3,360通りだが、貴方に「絶対に3着までには入らない自信のある馬」が3頭いるとすればどうか。
16
頭から3頭を除いて13頭の組み合わせを買えばいいと思うだろう。
13
頭の組み合わせ数は1,716通りである。
3
頭減らすだけで「買い目のダイエット率」は49%、約半分になる。
おそらくこれを利用した買い方で世間を騒がせた1件はピンとくる人がいるだろう。

★馬券券種別組み合わせ数
出走頭数 単勝・複勝 馬連・ワイド 馬単 三連複 三連単
8頭 8 28 56 56 336
9頭 9 36 72 84 504
10頭 10 45 90 120 720
11頭 11 55 110 165 990
12頭 12 66 132 220 1,320
13頭 13 78 156 286 1,716
14頭 14 91 182 364 2,184
15頭 15 105 210 455 2,730
16頭 16 120 240 560 3,360
17頭 17 136 272 680 4,080
18頭 18 153 306 816 4,896
組合せ増加数 単勝・複勝 馬連・ワイド 馬単 三連複 三連単
8頭
9頭 1 8 16 28 168
10頭 1 9 18 36 216
11頭 1 10 20 45 270
12頭 1 11 22 55 330
13頭 1 12 24 66 396
14頭 1 13 26 78 468
15頭 1 14 28 91 546
16頭 1 15 30 105 630
17頭 1 16 32 120 720
18頭 1 17 34 136 816

自分の馬券理論を検証するときには、出走頭数に気をつけたほうが良さそうだ。
思いの外、少頭数のレースしか的中させていないケースはあるかもしれない。
この記事を書きながら、わたしも順位付けした数値を見直してみようと思っている。
(SiriusA+B)

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