2022年9月18日日曜日

第386夜 3連単のオッズ分布と戦術(2)

▼事務連絡 ご返信ありがとうございます(本人証明です笑)

▼満遍なく投票
前夜からのつづきである。
2021
16頭立て競走1,047レースの3連単的中オッズの分布を示した。
ボリュームゾーンの80倍から1,280倍までのあたりを狙えばいいのかどうか、という話であった。
今夜は、3,360通りの馬券のオッズ別分布を示す。
これと的中馬券のゾーンを照らし合わせる。

下表のとおり、時期や集計レベルがまったく違うが、202251日の東京競馬で16頭立てだった7レース分のオッズを調べた。
123571012競走である。
僅か7レース分だが、凡そ傾向が判明したので、充分と判断した。
前夜に示した202116頭立ての的中オッズの分布を同じ形で併記したのが下表である。

16
頭立ての場合、3,360通りの馬券のうち、80倍未満が約11個、80倍以上160倍未満が約24個である。
レースにより人気の偏りはあるので、もっとあるときもあれば、もっと少ないときもあるが、標準的にはこれくらいの数だと考えられる。
馬連の種類で最も多かったのは「40,960倍以上81,920倍未満」のゾーンで、459個ある。
このこと自体に重要性はあまりないと思うが、要は高額馬券が大量に存在しているということである。
比較のために用意した的中オッズの分布と見比べてほしい。
的中馬券のゾーンと投票馬券のゾーンがずれている。
数字が大きくなると素数を見つけにくくなるのとよく似ていて、大量の高額馬券から的中する馬券を見つけるのは、なかなかたいへんだろうと想像する。
なお、この調査によれば、80倍から1,280倍までのゾーンには凡そ331個あるので、平均して331点買いをしなければならない。
「ゾーン買い」は早晩破綻すると分かるだろう。

3連単は宝くじか
この投票行動と実際の的中馬券のズレは、以前から予想していた。
3
連単の戦略をいろいろとみていくと、どうしても流しやボックスで「手広く買う」方法が普及しているからである。
実際上も、ひとつずつ選別して購入することは時間的にも難しい。
ただでさえ的中率は高くないので、「抜け」を避けたい心理もある。
その結果、総流しをして人気薄の馬券も買うことになるのだ。

3
連単は、多くの人では、ほとんど宝くじを買うのに近いかもしれない。
配当は高額だから、射幸心を煽る面も否定できないし、それゆえ仲間でワイワイやるには楽しい馬券であると思う。
もし、お楽しみ馬券でなく、3連単で成功しようとするなら、高額配当と引き換えに、極めて的中率が低いことは認識しておく方が良いと思う。
3
連単の場合、100倍の馬券は的中率0.725%なのである。
「誤差」というのはさまざまな分野でどれくらいと決められているが、馬券で的中率0.725%というと、もはや誤差の範囲内である。
多くの馬券がこのような誤差と区別がつかないくらいのものなのだ。

3
連単に限らないが、レースを単位とする馬券戦術においては大きく2種類の方法に分けられる。
ひとつは、ほとんどの馬券を購入してレース的中率を100%に近づけ、ウエイト付けなどの工夫をして収益を上げる。
いまひとつは、一定程度のレース的中率を維持し、複数のレースで収支を黒字に持っていく。
要するに、的中率×回収率>1となるようにする根本は同じだが、的中率を1に近づけるか、回収率を飛躍的に高めるか、といった方向性の違いである。
脱税事件で有名になった戦術は前者であった。
潤沢な資金と、人数を用意してできる力技だった。
控除率も変更された今の3連単では真似ることはできないであろう。
問題は、巷間の3連単の戦術が中途半端なことである。
的中率1とまではいかなくても、100点や200点買いでは的中率が低すぎるのだ。
余程でないと資金が続かない。
潤沢な資金を持っていたとしても、チビチビ買うくらいなら別の券種でドーンと使用したほうが理に適う。
結局は資金が尽きる前に運よく高額馬券を手にすることが必要となる。
だから宝くじと同じだと言う。

3連単の戦術
では、勝つための3連単戦術はあるのか。
ひとつのソリューションとして、わたしなら3連単を単勝や馬単の補助馬券に利用したいと考える。
3
連単は単勝、馬単の延長線上にあることを思い出してほしい。
発想の転換をしてみよう。
単勝は1着を当てる馬券である。
これを3連単の視点から考えてみると、単勝とは「1着を当てるが、2着と3着はマルチで買ったのと同じ」馬券である。
絶対要らない2着、3着の組み合わせも入っている「抱き合わせ販売」ともいえる。
ここから、23着に人気薄がきた場合、或いは、2着や3着もほぼ間違いなし、といった場合、3連単(や馬単)を活かせる。
1着を当てるが、2着と3着はマルチ」ではなく、2着、3着の組み合わせを「段差買い」するのに使うのだ。
例えば、貴方の本命が単勝1番人気で1.2倍だとする。
ところがこの馬以外は何が2着に入ってもおかしくない混戦だったら、人気薄の何頭かに流す3連単を組み合わせる(この場合、1着本命固定の総流しでは無意味、何頭かに絞る)
1
着は断トツの1番人気で決まるだろうが、人気薄が続いてくれば、単勝1.2倍以上に3連単の配当を加えられる。
単勝の低配当を補うことができよう。

この戦術は、3連単の一般的な捉え方とは正反対かもしれない。
だが、単勝系馬券であるというのは本来の姿である。
高額配当を狙う馬券ではなく、低額配当を補う馬券として活かす。
(SirisuA+B)

オッズのゾーン 2022年5月1日東京競馬場16頭立て7レース分平均(小数点以下四捨五入) (前夜の表の再掲)2021年16頭立て競走の3連単的中オッズ
1倍以上10倍未満 0 0
10倍以上20倍未満 0 4
20倍以上40倍未満 2 37
40倍以上80倍未満 9 93
80倍以上160倍未満 24 152
160倍以上320倍未満 55 170
320倍以上640倍未満 94 169
640倍以上1,280倍未満 158 165
1,280倍以上2,560倍未満 246 102
2,560倍以上5,120倍未満 295 69
5,120倍以上10,240倍未満 361 49
10,240倍以上20,480倍未満 413 24
20,480倍以上40,960倍未満 455 8
40,960倍以上81,920倍未満 459 4
81,920倍以上163,840倍未満 364 0
163,840倍以上327,680倍未満 232 1
327,680倍以上655,360倍未満 115 0
655,360倍以上(投票なし含む) 78
合計 3,360通り 1,047レース

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