2025年3月9日日曜日

第508夜 8頭に1頭は「黒字馬」


▼わたしにとっては不思議な数字
前夜はレースの枠組みを外して馬単位の視点で数字を幾つか列挙した。
勝ち上がり率は、3233%だと申し上げた。
生涯で1回でも複勝圏に入った馬は4748%に達する。
1
勝以上した馬の場合、単勝オッズが10倍を切る経験は94%で、多くの馬が一度は脚光を浴びる、という要旨であった。

今夜はその延長戦なのだが、わたしには理由を説明できない数字について書くことにしたい。
デビューから引退まで、すべてのレースで単勝を賭けても黒字になった馬をわたしは「(単勝)黒字馬」と呼んでいる。
一発大穴馬券となった場合や、コツコツと何勝か挙げる場合などさまざまだが、これが全出走馬の12%(12%より少し多いという意味)程度になるのだ。
頭数に換算すると、全出走馬の8頭に1頭程度の割合で「黒字馬」が出現する勘定になる。
だいたい、各世代の550頭から600頭くらいの間の数だ。
不思議なのは、この12%強という数字そのものではなく、世代別に区切ってもあまり変わらないという点である。
同歳戦、古馬戦の割合、クラス別競走数の割合など、数字に強い方であれば「こういう理由だよ」と説明してくれるかもしれない。
数字に弱いわたしは、「なぜ12%強という比率が一定なのか」が分からないのだ。
勝ち上がり率は、レースの数が大きく影響するから一定なのもなんとなく腑に落ちる。
しかし、支持率すなわち単勝オッズ、勝利のタイミング、いろいろな要因が複雑に絡み合ってもなお、12%強という黒字馬出現比率は変わらないのだ。
デビュー前から600頭に満たないこの馬たちを見つけるのは不可能だが、見つけられたとしてもなぜこの出現比率に大きな変化はないのだろうと不思議に思う。
なお、図表508-1にある60,789頭のうち、1勝以上した19,631頭を分母にすると、黒字馬の比率は39.2%である(黒字馬/出走馬)
現役馬が多く残る2019年産駒以降は、2025年以降の成績によって、黒字馬の比率は低下していくものと推定される。

(
図表508-1)単勝黒字馬の割合(2011-2024年中央競馬平地競走の成績の範囲内)
産駒年 出走実頭数 平均出走回数 勝利実頭数 勝上率 単勝黒字実頭数 黒字馬/勝上馬 黒字馬/出走馬
全体 60,789 9.5 19,631 0.323 7,686 0.392 0.126
2009年産駒 4,688 10.5 1,497 0.319 585 0.391 0.125
2010年産駒 4,468 10.6 1,497 0.335 565 0.377 0.126
2011年産駒 4,521 10.8 1,498 0.331 574 0.383 0.127
2012年産駒 4,504 10.6 1,469 0.326 538 0.366 0.119
2013年産駒 4,596 10.3 1,491 0.324 538 0.361 0.117
2014年産駒 4,673 10.3 1,501 0.321 585 0.390 0.125
2015年産駒 4,663 9.6 1,517 0.325 567 0.374 0.122
2016年産駒 4,741 9.5 1,532 0.323 599 0.391 0.126
2017年産駒 4,763 9.6 1,549 0.325 589 0.380 0.124
2018年産駒 4,768 9.4 1,551 0.325 596 0.384 0.125
2019年産駒 4,711 9.0 1,543 0.328 622 0.403 0.132
2020年産駒 4,826 7.5 1,518 0.315 637 0.420 0.132
2021年産駒 4,867 5.7 1,468 0.302 691 0.471 0.142

▼期間を区切ると
さすがにデビュー前から黒字馬を見つけるというのはあり得ないため、1戦目を見たうえで黒字馬を見つけるという前提にしてみよう。
ここには記載していないが、第2戦から46月まで、すなわち古馬戦のファーストシーズン終了頃までで期間を区切ったとき、その期間内に1度でも勝った馬だけ、その期間内の出走全レースで単勝を賭け続けると回収率143%になる。
「この期間に絶対に1度は勝つ馬」を100%予想できればの話だから、これもやはり机上の空論だが、これに近い芸当を思いつかれた方なら必勝法になるだろう。

(SiriusA+B)

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