▼1番人気が勝たなかった日
前夜の話題で、第1競走で1番人気が勝利したとしても、あるいは敗けたとしても、第2競走で1番人気が勝つ確率に何の影響も及ぼさない、ということがおわかりいただけたものと思う。
「そろそろくる」と思うのは、確率から揺り戻しがあると推定しているからで、これは思い込みである。
「独立な試行の確率」だからである。
揺り戻しはあると信じていた人は、ネットでも構わないので調べてみると参考になる。
ちなみに、統計では前夜のとおり数字が美しく揃うのだが、この偏り、ランダムさは想像以上にすごい。
実際、1日12競走中、1番人気が1度も勝てなかったことだってあるのだ。
この期間中には、例えば、2014年12月28日の中山競馬場の例がある。
当日は有馬記念があり、11競走しかなかったが、1番人気は1競走も勝っていない。
2014年7月13日の福島競馬でも1番人気は未勝利で、このような日は2006年から2014年までの調査期間中、23日もあった。
反対に、ほとんどの競走で1番人気が勝つ日もある。
2008年3月16日の中京競馬では10競走で1番人気の勝利に終わった。
こんな例をみると、とても「次のレースで1番人気が絶対来る」とは思わないだろう。
▼自分との闘い
確率については、想像とまったく違う答えになることがおわかりいただけたと思う。
根本的なことであるが、統計と確率は違う。
競馬データは統計の世界だが、競馬予想は確率では勝てない。
確率の話だけではない。
競馬ファンの中ではこと数字に関して誤解も多いように思う。
当然と思っていることも、今一度疑ってみよう。
わたしが周囲を見て一番気になることに「厚めに買う」という用語がある。
これが本命だから厚めに、という「厚め」である。
オッズが低いところに資金を集中して、オッズの高いところを少しだけ買う。
本当にこれって「正しい買い方」なのだろうか。
ちょっと逃げ腰ではないだろうか。
「どれが来ても、トリガミにならない」と人は言う。
しかし、全部外れたら元も子もない。
むしろ、オッズの高いところを「厚め」に買ったらどうなのか。
うまくいけば、しばらく黒字を維持できると思うのだが。
リスクは甘受しよう。
リスクにきちんと向き合おう勇気を持とう。
競馬は自分との闘いなのである。
ライバルが馬でないことはわかっていると思うが(笑)、周囲の競馬ファンでも、実はない。
自分の本命予想をどれだけ信じられるか、心中できるか、冷静でいられるか、が競馬の本質ではないだろうか。
そして、信じるに足るだけの、自分自身が納得できるだけの予想法を確立すること、それが勝利に結びつく。
(SiriusA+B)