詳細なデータが得られる時代になって、どうしても個体(個別の馬たち)を調べる傾向が強くなっている。今夜と次回、競走全体を見る、という視点でトピックを提供したい。
▼次走で7頭の勝ち馬を輩出した競走がある
データを見ていると、何の変哲もない競走がすごいものだったのではないかと気付かされることがある。例えば、2009年6月14日に行なわれた東京競馬第4競走である。3歳未勝利戦、芝1600mのコース、18頭で行なわれる予定だったが、1頭が取り消し17頭の競走となった。驚いたのは、この競走に出走した17頭のうち、7頭が次の競走で勝利していることだった。ちなみに次戦が地方競馬で勝利した馬も含めると8頭である。勝馬マイネルエデンも連勝した。
わたしが調べた限りでは、2006年から2013年の全27,626競走で、7頭の勝ち馬を出したのはこれのみである。この競走で何があったのだろう。単なる偶然だろうか。ちなみに次走で6頭が勝利した競走も5レースある。これらの競走の特徴を研究するのもいいかもしれない。
▼競走の勝利者は只1頭、次走も1頭
一般にはあまり調べられていないようだが、ある競走の出身馬が次走で勝利する率をご存知だろうか。わたしが2006年から2013年までの競走で、2014年末現在までの記録から集計したところ、1競走あたりわずか0.92頭であった。当たり前の話であるが、平均すると、勝利馬は1頭、次の出走時にも1頭弱しか勝馬になれないのである。まさに1頭ずつ勝ちあがっていくのだ。
下表のように、次の競走で1頭も勝ち馬を輩出しなかった競走は全体の4割に及ぶ。一方で2頭以上勝ち馬を出す競走も4分の1近くある。こうした統計も、予想の一助となるかもしれないと思い、掲載した。いろいろ想像すると面白いと思う。
次走勝利馬数
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競走数
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比率
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0頭
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10932競走
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39.6%
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1頭
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10242競走
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37.1%
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2頭
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4704競走
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17.0%
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3頭
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1399競走
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5.1%
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4頭
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293競走
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1.1%
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5頭
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50競走
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0.2%
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6頭
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5競走
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0.0%
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7頭
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1競走
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0.0%
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(SiriusA+B)