2015年10月14日水曜日

第31夜 勝率20%くらいの予想なら誰でもすぐできる


▼オッズのすごさ

何度か触れたことであるが、1番人気馬の勝率は長い間ほぼ3分の1である。

予想法が進化していないのか、中央競馬会が巧みなのかはわからない。

的中率で考えると、3分の1はとても高いといえない。3回に2回は外れるのである。しかし、困ったことにオッズ以上の予想法に出会ったことはない。

もちろん回収率は低いため、そのまま機械的に買うこともできない。

 

▼勝率

だからこそ必勝法を探し、研究するのだが、どうしたものか、世間で公開されている予想法では33%はおろか、25%も的中していないものがほとんどである。

それでも、スピード指数、あるいはこれに改良を加えたスピード系の指数は、25%近傍を目指すことができるだろうと思われる。

わたしは、勝率について以下のように考えている。

100%=神の領域(ちなみに全単勝を買えば達成できる)

50%=モンテカルロ法など資金配分上の戦略が有効になる

33%=オッズ

25%から30%=均等買いで黒字の可能性が出てくる

20%から25%=ある程度到達できるが、黒字にするのは難しい

もちろん、大穴ばかり狙う戦術もあるだろうから、20%を切る予想法を確立している人もいるかもしれない。ただ、オッズをにらみながらの戦術であり、長期間持続して黒字になるのは困難だろうと思われる。

いずれにせよ、「20%から25%」程度であれば、誰でも予想ができるし、ご自身の予想法がこの領域であれば、さらにブラッシュアップするようにしたい。
なお、的中率を上げるために「レースを絞る」という考えには賛同できない。レースを絞るというのは、リスクを減らそうとする行為である。「危険」も減少する半面、リターンも小さくなることは過去にも述べたとおりである。

 

▼勝率20%くらいの予想

前項で勝率が20%くらいなら誰でも予想ができる、と申し上げた。

実際に可能なのか、簡単な例をひとつ挙げてみる。

下表は3種類の予想法を検証したデータである。データは勝率、つまり単勝1点買いをしたと仮定したものだ。

(1)出走馬中、獲得した総賞金がもっとも多い馬を本命馬とする

(2)出走馬中、獲得した総賞金を出走回数で除した平均賞金がもっとも多い馬を本命馬とする

(3)前走で上がり3ハロンが最速だった馬を本命馬とする

(4)参考のため、1番人気を本命馬とする

データは2006年から2014年までのものを使い、2010年から2014年の5年間の競走で検証した。全体には障害競走も含まれる。

ご覧いただければ一目瞭然だが、(2)の出走前に獲得済みの平均賞金が最多の馬を本命馬にすると、20%の勝率は確保できる。誰でも同じように予想でき(再現性があるということ)、同時に検証もできるので、ぜひご自身でも調べてほしい。賞金の種類はあえて申し上げないが、もっとも単純なものを使用しているので、すぐにわかるだろう。

▼予想法の完成がゴールではなく、スタートあるということ

この(2)「平均獲得済み賞金予想法」は、誰でも比較的簡単に作成できる。走破タイムに影響されないので、馬場指数やスローペースの補正、斤量の変化などの独自指数を用意しなくてよいからだ。競馬新聞を買い、獲得済みの総賞金と出走回数がわかれば電卓ひとつで予想できる。

もちろん、およそ20%は的中するが、黒字には至らない。よく勘違いしている人を見かけるのだが、各馬の順位付けが終わったところはゴールではない。数字を算出してからが予想のスタートである。(1)(3)を参考に併載したのは、予想の参考にしてもらいたいからなのだ。

もし、この予想法でさえ、あなたの予想法より精度が高いようなら、もっと努力したほうがよい。あなたの努力は世間の平均的水準を下回っている可能性が高い。幸せを掴むためにもっとがんばる必要がある。

もし、この予想法でさえ、実践できないようなら、競馬をやらないほうがよい。競馬で勝つために努力する姿勢ができていない。電卓で計算できるこの程度の努力でも面倒だと思うなら、仕事をはじめ人生そのものを軽く考えている。

もし、この予想法でさえ、あなたが買っている他人の予想と大差ないようなら、あなたは信頼のおけない予想会社にお金を吸い取られていると思ってよい。他人の予想に乗ることで、手間ひまをお金で買ったつもりかもしれないが、割の合わない買い物をしているといわざるを得ない。そもそも頭を使わないで勝てると思うこと自体がおかしい。

そして、独自の予想理論があって、この予想法を鼻で笑うことができるのであれば、希望はある。さらに精進することによって「勝ち組」も視野に入ってくる。

念のため申し上げておくが、この予想法を公開したからといって、オッズが下がることはない。この程度の予想法で機械的に馬券を購入しても黒字収支にはならないからだ。



2010-2014

(1)

出走前獲得賞金額が最も多い馬

(2)

出走前獲得平均賞金が最も多い馬

(3)

前走上がり3Fが最速だった馬

(4)

1番人気馬

全体

1

2,518

3,487

617

5,512

2

2,200

2,419

721

3,286

3

1,805

1,822

727

2,190

全馬

16,151

16,830

20,031

17,266

勝率

16%

21%

3%

32%

連対率

29%

35%

7%

51%

複勝率

40%

46%

10%

64%


1

1,139

1,610

316

2,557

2

986

1,119

380

1,534

3

802

871

352

1,062

全馬

7,513

8,038

9,186

8,283

勝率

15%

20%

3%

31%

連対率

28%

34%

8%

49%

複勝率

39%

45%

11%

62%

ダート

1

1,263

1,757

283

2,740

2

1,145

1,215

319

1,629

3

946

889

342

1,047

全馬

7,994

8,148

10,061

8,339

勝率

16%

22%

3%

33%

連対率

30%

36%

6%

52%

複勝率

42%

47%

9%

65%

(SiriusA+B)

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