2017年12月24日日曜日

第194夜 情報の集計の仕方、年齢別勝率を例に

▼年齢限定戦と古馬戦では傾向が違うという話
馬券にあまり強い影響はないけれど、年齢と勝率には明らかな関係がある。
記事下に表を掲載したので参照いただきたい。
データはいつもの2006年から2014年の中央競馬平地競走完走馬延べ約43万頭を集計したものである。
この期間の平均勝率はほぼ7%ちょうどであることを頭に入れておくと、よりわかりやすいと思う。
【表1】で示しているとおり、2歳・3歳限定戦では、出走馬の中で、年長の馬ほど勝率が高いという傾向を示す。
ここでいう年齢は「日齢」とわたしが呼んでいるもので、競馬新聞の表記上の「2歳」「3歳」ではなく、出走日から各馬の誕生日までの日数である。
早く生まれた者が有利、ということである。
一方、古馬戦は【表2】のようになった。
なんだか、ちょっと傾向がつかみづらいデータになっている。
これは、出走頭数のばらつきが影響を及ぼしている。
統計を取ると、このように、何の結論も得られないような結果に出くわすことがある。
その中には集計方法を変えることで驚くほどはっきりと傾向がわかる場合もある。
古馬戦を例にとれば、「年長順」ではなく「若い順」にして集計するとよい。
同じデータだが、【表3】のとおり、若い順であればきれいなグラフを描くことができるのである。
古馬戦では、2歳・3歳限定戦とまったく逆で、若い馬ほど勝率が高いのである。
同じ1レースでも出走頭数が違うので、順位付けをするときには、「逆順」も試してみると良いという話であった。
「使えないな」と思っていたデータが宝石に変わることもある。

▼馬番別勝率も
馬番別勝率も、並べ替えを工夫することによって傾向がはっきりする。
【表5】にあるように、馬番順に並べるより、奇数と偶数に分けたほうが傾向を読み取りやすい。
ご存じのとおり、馬をゲートに入れるときは奇数、偶数の順で、奇数馬は「お待たせ」されることが影響しているのである。
特に芝では内枠の偶数枠が有利とはっきりわかる。
ダートでは奇数偶数間の差が明快ではないものの、やや外側の偶数枠が有利である。

【表123歳限定戦
年齢順(年長順) 完走件数 勝利件数 勝率
1 15,581 1,366 8.8%
2 15,340 1,217 7.9%
3 15,290 1,201 7.9%
4 15,228 1,162 7.6%
5 15,135 1,127 7.4%
6 15,179 1,129 7.4%
7 15,159 1,039 6.9%
8 14,924 1,071 7.2%
9 14,602 969 6.6%
10 14,121 881 6.2%
11 13,655 830 6.1%
12 12,660 834 6.6%
13 11,580 687 5.9%
14 10,267 596 5.8%
15 9,010 485 5.4%
16 6,780 354 5.2%
17 1,866 100 5.4%
18 1,451 79 5.4%

【表2】古馬戦
年齢順(年長順) 完走件数 勝利件数 勝率
1 14,866 482 3.2%
2 14,860 624 4.2%
3 14,871 777 5.2%
4 14,815 812 5.5%
5 14,836 938 6.3%
6 14,815 1,051 7.1%
7 14,774 1,121 7.6%
8 14,728 1,239 8.4%
9 14,535 1,176 8.1%
10 14,135 1,205 8.5%
11 13,536 1,164 8.6%
12 12,620 1,020 8.1%
13 11,435 958 8.4%
14 10,139 819 8.1%
15 8,640 728 8.4%
16 6,336 509 8.0%
17 1,427 109 7.6%
18 1,082 73 6.7%

【表3】古馬戦2
年齢順(若い順) 完走件数 勝利件数 勝率
1 15,048 1,477 9.8%
2 14,869 1,414 9.5%
3 14,806 1,313 8.9%
4 14,798 1,367 9.2%
5 14,777 1,238 8.4%
6 14,778 1,230 8.3%
7 14,746 1,074 7.3%
8 14,712 1,043 7.1%
9 14,534 920 6.3%
10 14,124 833 5.9%
11 13,493 761 5.6%
12 12,622 653 5.2%
13 11,405 532 4.7%
14 10,116 405 4.0%
15 8,671 284 3.3%
16 6,433 200 3.1%
17 1,422 36 2.5%
18 1,096 25 2.3%

【表4】馬体重と勝率
重い順 完走件数 勝利件数 勝率
1 31,758 3,000 9.4%
2 31,296 2,901 9.3%
3 30,924 2,715 8.8%
4 30,664 2,598 8.5%
5 30,479 2,460 8.1%
6 30,160 2,341 7.8%
7 29,980 2,215 7.4%
8 29,593 2,083 7.0%
9 28,963 1,832 6.3%
10 28,001 1,718 6.1%
11 26,455 1,559 5.9%
12 24,817 1,336 5.4%
13 22,405 1,058 4.7%
14 19,684 877 4.5%
15 16,962 672 4.0%
16 12,591 392 3.1%
17 3,138 112 3.6%
18 2,408 63 2.6%

【表5】馬番と勝率
馬番号 完走件数 勝利件数 勝率
芝馬番01 14,851 1,113 7.5%
芝馬番03 14,866 1,076 7.2%
芝馬番05 14,862 1,073 7.2%
芝馬番07 14,831 1,067 7.2%
芝馬番09 14,414 977 6.8%
芝馬番11 13,125 845 6.4%
芝馬番13 11,090 654 5.9%
芝馬番15 8,694 452 5.2%
芝馬番17 3,393 166 4.9%
芝馬番02 14,871 1,190 8.0%
芝馬番04 14,885 1,227 8.2%
芝馬番06 14,853 1,124 7.6%
芝馬番08 14,694 1,041 7.1%
芝馬番10 13,867 950 6.9%
芝馬番12 12,207 810 6.6%
芝馬番14 10,019 583 5.8%
芝馬番16 7,597 467 6.1%
芝馬番18 2,865 163 5.7%
ダ馬番01 14,803 988 6.7%
ダ馬番03 14,813 957 6.5%
ダ馬番05 14,792 1,042 7.0%
ダ馬番07 14,808 1,031 7.0%
ダ馬番09 14,648 1,005 6.9%
ダ馬番11 13,961 935 6.7%
ダ馬番13 12,176 842 6.9%
ダ馬番15 9,549 649 6.8%
ダ馬番02 14,827 1,068 7.2%
ダ馬番04 14,834 1,054 7.1%
ダ馬番06 14,826 1,037 7.0%
ダ馬番08 14,798 1,099 7.4%
ダ馬番10 14,409 1,114 7.7%
ダ馬番12 13,349 956 7.2%
ダ馬番14 10,715 699 6.5%
ダ馬番16 6,986 478 6.8%

(SiriusA+B)

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