2015年11月7日土曜日

第37夜 血統論の話(1)



▼異質な血統論
競馬の予想法について、これまで触れてきたことと、これから話題にすることをまとめると、わたしは次のような考えを持っている。

予め断っておくが、「ダメ」と言っているのではなく、問題点や改善すべき点を指摘するに過ぎない。

1)スピード指数

収支をプラスにできる可能性を有する。

ただし、馬の速さは「強さ」を測る代替として使用していることを考えておかなければならない。

走破タイムや基準タイムを速度に換算すると、より精度が高まる(強い馬、弱い馬の判定の歪みが改善する)

2)血統論

データ数の少ない母系の考察が不足がち。

そもそもデータの裏付けが足りず、主観的で再現性に乏しい。

瞬発力、スタミナなど、計測された資料がほとんどない。

また、統計に限らず、生物学・遺伝学的に沿っていない考え方が支配的である。

一般的に、多弁である。

その割に根拠に乏しい。
正直申し上げて、自分の買った理由の羅列と広範な血統知識の披瀝の域を出ない。

余談だが「馬場適性」を「馬場適正」と誤っているブログが多い。

3)出目論
すべての競走は、独立した事象であり、前のレースとはまったく関係がない。

この根本的な部分の誤解に基づく理論展開がなされている。

4)オッズ分析

多くの理論で、根拠に乏しい。

ほとんどの場合、集計タイミングのアヤである。

根本的に、統計と確率を混同している。

母集団に関する考察も少ない。

 

以上の中でも、血統論は特に再考すべき点が多い。

今夜から何回かにわたり、血統論を特集する。
わたしの考える「血統をベースにした予想法」も紹介したいと思う。

血統スペシャルだが、理論「血祭り」になるかもしれない()

 

▼どこまで遡るか

血統論を語る人のブログを訪ねると、血統は簡単ではない、というフレーズをしばしば目にする。

わたしなりの解釈では、理論がしっかりしていないことに加えて、多くの知識が必要である、ということである。

出走馬の父を見て、「ボールドルーラー系」とか「ミスタープロスペクター系」とわからなければならない、ということのようだ。

さらに、その系統の特徴も掴んでおかねばならない。

知識量は膨大である。

ところが、その「系」の定義は曖昧で、括り方も決まっていない。

マニアックと言われているのは、ことばが、少数の仲間内でしか通用しないためと思える。

一体、何代遡ればよいのか。

この正確な答えをわたしは探している。

今のところ、わたしは「遡らない」というのが用意している答えだ。

遺伝学的にそれでいいように思えるし、遡ることによって同じ内容を何度も重複して評価する違和感を回避できる。

そして、それ以上祖先を遡ってまとめなくてもサンプルは足りるということだけである。

一方、母方についてはファミリーラインを遡る。
わたしは「祖先馬」と名付けているが、ファミリーラインを遡って1900年より前に現れる最初の牝馬を起点としてその子孫をひとまとめにするのである。
この方法だと種牡馬並みにサンプル数を確保できる。

この母系については、第11夜から第13夜のトピックも参照願いたい。

(つづく)

(SiriusA+B)

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