2015年11月23日月曜日

第41夜 デビュー戦で勝利した馬はやはりすごい、栴檀は双葉より芳しということ


デビュー戦後を追跡調査

「せんだんは、ふたばより、かんばし」と読む。念のため。

新馬戦などデビュー戦で勝利を収めた馬は、本当に強かったのかを調べてみた。

不明データで恐縮だが、2009年から2012年の勝ち馬を2014年末まで追跡調査、果たしてどんな成績を収めてきたのか、通算勝利数をご覧いただきたい。

調査期間の短い馬でも1年以上調査できている。

比較のため、同じレースで2着となった馬も同じように追跡している。

デビュー戦勝利馬で、通算勝利数が1勝の1勝馬は1658頭中818頭、全体の49%であった。

これはデビュー戦以後、1度も勝っていない馬たちである。

すぐに引退してしまった馬もいるし、伸び悩んだ馬もいる。

しかし、半数はさらに1勝以上した。

3割は通算3勝以上である。

 

一方、2着馬だった馬たちはどうなっただろうか。

表のとおり、結局勝つことができなかった馬は37%にも上った。

6割強は1勝以上したのだが、通算2勝以上となるのは全体の3分の1にとどまる。

 



2014年末現在勝利数

デビュー戦勝利馬

デビュー戦2着馬

頭数

占有率

頭数

占有率

0勝馬

-

-

614

37%

1勝馬

818

49%

482

29%

2勝馬

362

22%

223

13%

3勝馬

227

14%

175

11%

4勝馬

115

7%

85

5%

5勝馬

82

5%

39

2%

6勝馬

37

2%

22

1%

7勝馬

10

1%

11

1%

8勝馬

3

0%

4

0%

9勝馬

1

0%

2

0%

10勝馬

1

0%

1

0%

11勝馬

2

0%

0

0%

頭数計

1658

 

1658

 

 

デビュー戦1番人気だった馬のその後は

では、1番人気だった馬では、その後どうなったのだろうか。

これも調べてみた。

同じ1658戦で1番人気に推され、見事勝利した馬は566頭、全体の34%

ここでも1番人気の勝利は3分の1と変わらない。

この566頭のうち、その後1勝もしなかったのは、つまり通算1勝馬は249頭、全体の44%である。

面白いことに、この566頭はすべて前項のデビュー戦勝利馬に含まれているのだが、通算勝利数の傾向がほとんど同じなのである。

これは、デビュー戦での人気が将来の勝ち鞍とあまり関係がないということを示している。

一方、1番人気ながら敗退した1092頭の馬たちはどうだったろうか。

これも4割が結局勝つことはできなかった。

不思議な偶然だが、前項の2着馬ととてもよく似た傾向になっている。

デビュー戦1番人気で敗退馬と、人気にかかわらずデビュー戦2着馬がほぼ同じような将来を描くとは、さすがに予想していなかった。

 



2014年末現在勝利数

デビュー戦勝利馬

デビュー戦敗退馬

頭数

占有率

頭数

占有率

0勝馬

-

-

432

40%

1勝馬

249

44%

303

28%

2勝馬

132

23%

148

14%

3勝馬

78

14%

97

9%

4勝馬

50

9%

58

5%

5勝馬

31

5%

24

2%

6勝馬

20

4%

12

1%

7勝馬

3

1%

7

1%

8勝馬

2

0%

6

1%

9勝馬

0

0%

4

0%

10勝馬

0

0%

1

0%

11勝馬

1

0%

0

0%

頭数計

566

 

1092

 

 

わたしたちの予想は上手いのか、下手なのか

それにしても、である。

デビュー戦という過去の戦績なしの予想においても、競馬ファンは他の競走とほぼ同じような1番人気の的中率をあげている。

これはすごいことである。

予想の源泉はなんであろう。

競馬新聞で予想しても、データで予想を立てても、過去の戦績をベースにしている人は多い。

新馬戦に限っては、調教や血統を重視する人が少なくないというが、戦績がなくても同じような的中率になるファクターはなんであろうか。

競馬記者の予想なのだろうか。

出走馬の力のばらつきが大きいことはわかっているものの、実際にレースで走ったこともないのである。

このあたりのことはいずれ考察してみたい。

(SiriusA+B)

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