▼多頭数のとき「荒れる」のは本当か
荒れる、とは定義次第で変わる。
馬連なら万馬券だと思う人もいるし、1番人気から3番人気までの馬が揃って連対しない場合と考える人もいる。
特に、2、3着馬は購入した馬券によって印象が異なる。
多分にそれぞれ投票者の狙いが大きく外れた場合に感じるようだ。
ただ、出走頭数の違いは、頭に入れておいたほうがいい。
8頭立てと16頭立てでは、単勝でさえ的中率は半減するのだ。
頭数によって、馬券の様相は大きく変わる。
馬券検討するなら、頭数による変動は十分認識しておきたい。
そして、事実を突き詰めていくと、競馬はため息が出るほどよくできていることに気が付くだろう。
そして、事実を突き詰めていくと、競馬はため息が出るほどよくできていることに気が付くだろう。
▼単勝で検証する
単純に出走頭数で均すと、例えば8頭立ての場合、単勝では8分の1の的中率がある。
何も検討せずに賭けてさえ、8回に1回は的中するのである。
8分の1ということは12.5%で、これをオッズに換算すると6.4倍になる(この計算においては、控除率を20%とおく)。
当然、16頭立てであれば、12.8倍である。
8頭 12.5% 6.4倍
12頭 8.33% 9.6倍
16頭 6.25% 12.8倍
18頭 5.56% 14.4倍
理論上では、頭数が増えていくと、的中率が下がる一方、オッズが高くなっていくはずである。
では実際のオッズはどうだろうか。
2006年から2014年の全競走31,077競走を頭数別に単勝倍率を調べてみた。
出走頭数
|
競走数
|
単勝平均
|
的中率換算
|
単純理論値
|
4
|
2
|
2.55
|
0.314
|
0.250
|
5
|
14
|
2.84
|
0.282
|
0.200
|
6
|
51
|
5.35
|
0.150
|
0.167
|
7
|
165
|
5.28
|
0.152
|
0.143
|
8
|
443
|
6.69
|
0.120
|
0.125
|
9
|
853
|
6.54
|
0.122
|
0.111
|
10
|
1263
|
7.24
|
0.111
|
0.100
|
11
|
1711
|
8.00
|
0.100
|
0.091
|
12
|
2413
|
8.38
|
0.096
|
0.083
|
13
|
2679
|
9.78
|
0.082
|
0.077
|
14
|
3343
|
10.01
|
0.080
|
0.071
|
15
|
4149
|
10.94
|
0.073
|
0.067
|
16
|
10617
|
11.34
|
0.071
|
0.063
|
17
|
649
|
13.80
|
0.058
|
0.059
|
18
|
2725
|
12.99
|
0.062
|
0.056
|
単勝平均から逆算して的中率を弾き出したのが「的中率換算」である。
この「的中率換算」を隣の列の「単純理論値」と比べてもらいたい。
出来ればグラフにすると視覚的によくわかると思う。
この「単純理論値」は、この項の冒頭で示した各頭数で均等割りした的中率である。
グラフにすれば説明不要だが、サンプル数の少ない少頭数競走以外は、衝撃的なほど、「単純理論値」と大差ないことがわかるであろう。
予想理論や必勝法などというわたしたちを笑うかのように、平均すれば、単勝オッズは出走頭数1頭当たりの平均的中率(つまり予想もせずに1頭を選んだ時の的中率)とほぼ同じなのである。
少なくとも、単勝に限ってみれば、「多頭数だから荒れやすい」ということはないようである。
出走頭数に比例して的中率が下がり、その分オッズが高くなるだけに過ぎないのだ。
ちなみに、この調査期間の単勝平均オッズは10倍強である。
1競走あたりの平均出走頭数は14.38頭であるから、やはり理論値との乖離は小さい。
ちなみに、この調査期間の単勝平均オッズは10倍強である。
1競走あたりの平均出走頭数は14.38頭であるから、やはり理論値との乖離は小さい。
(SiriusA+B)