2015年12月13日日曜日

第46夜 競馬は、ため息が出るほどよくできている


▼多頭数のとき「荒れる」のは本当か

荒れる、とは定義次第で変わる。

馬連なら万馬券だと思う人もいるし、1番人気から3番人気までの馬が揃って連対しない場合と考える人もいる。

特に、23着馬は購入した馬券によって印象が異なる。

多分にそれぞれ投票者の狙いが大きく外れた場合に感じるようだ。

ただ、出走頭数の違いは、頭に入れておいたほうがいい。

8頭立てと16頭立てでは、単勝でさえ的中率は半減するのだ。

頭数によって、馬券の様相は大きく変わる。

馬券検討するなら、頭数による変動は十分認識しておきたい。
そして、事実を突き詰めていくと、競馬はため息が出るほどよくできていることに気が付くだろう。

 

▼単勝で検証する

単純に出走頭数で均すと、例えば8頭立ての場合、単勝では8分の1の的中率がある。

何も検討せずに賭けてさえ、8回に1回は的中するのである。

8分の1ということは12.5%で、これをオッズに換算すると6.4倍になる(この計算においては、控除率を20%とおく)

当然、16頭立てであれば、12.8倍である。

8 12.5% 6.4

12 8.33% 9.6

16 6.25% 12.8

18 5.56% 14.4

理論上では、頭数が増えていくと、的中率が下がる一方、オッズが高くなっていくはずである。

では実際のオッズはどうだろうか。

2006年から2014年の全競走31,077競走を頭数別に単勝倍率を調べてみた。



出走頭数

競走数

単勝平均

的中率換算

単純理論値

4

2

2.55

0.314

0.250

5

14

2.84

0.282

0.200

6

51

5.35

0.150

0.167

7

165

5.28

0.152

0.143

8

443

6.69

0.120

0.125

9

853

6.54

0.122

0.111

10

1263

7.24

0.111

0.100

11

1711

8.00

0.100

0.091

12

2413

8.38

0.096

0.083

13

2679

9.78

0.082

0.077

14

3343

10.01

0.080

0.071

15

4149

10.94

0.073

0.067

16

10617

11.34

0.071

0.063

17

649

13.80

0.058

0.059

18

2725

12.99

0.062

0.056

単勝平均から逆算して的中率を弾き出したのが「的中率換算」である。

この「的中率換算」を隣の列の「単純理論値」と比べてもらいたい。

出来ればグラフにすると視覚的によくわかると思う。

この「単純理論値」は、この項の冒頭で示した各頭数で均等割りした的中率である。

グラフにすれば説明不要だが、サンプル数の少ない少頭数競走以外は、衝撃的なほど、「単純理論値」と大差ないことがわかるであろう。

予想理論や必勝法などというわたしたちを笑うかのように、平均すれば、単勝オッズは出走頭数1頭当たりの平均的中率(つまり予想もせずに1頭を選んだ時の的中率)とほぼ同じなのである。

少なくとも、単勝に限ってみれば、「多頭数だから荒れやすい」ということはないようである。

出走頭数に比例して的中率が下がり、その分オッズが高くなるだけに過ぎないのだ。
ちなみに、この調査期間の単勝平均オッズは10倍強である。
1競走あたりの平均出走頭数は14.38頭であるから、やはり理論値との乖離は小さい。

(SiriusA+B)

ブログ アーカイブ