▼単勝1点買いで、すべて的中した場合
競馬の神様がいるとして、そして神様は未来を予見できるとして、すべての競走で単勝1点買いを決行したとする。
そんな計算をしてみよう。
なお、同着を考慮していないので、予めご了承願いたい。
2006年から2014年まで、障害競走を含めて31,077競走が行われた。
的中した単勝の配当の合計は、322,568.6倍である。
平均して10.38倍/競走ということになる。
期間中の最高配当は、2014年4月26日福島競馬第8競走で、16番人気リバティーホールが叩き出した569.4倍の巨大万馬券だった。
万馬券は、上記のものを入れて266個、競走全体のわずか0.85%に過ぎないが、配当は合計で42,296.3倍、全配当の13%程度を占める。
▼神に挑戦する人
神様と同じように1点買いですべて的中させることはできないが、1点買いでなければすべて的中させることもできないことではない。
仮に、全出走馬の単勝馬券を買うとどうなるだろうか。
そう考えた人は少なからずいるに違いない。
せっかくだから調べてみよう。
出走馬数は448,540頭である。
的中競走数は、すべてだから31,077本、配当合計は322,568.6倍である。
ということで、すべての馬券を買えば、回収率はほぼ72%である。
実際には出走取り消しによる払い戻しもあるのだが、そこは無視する。
それにしても、この回収率を見て何か感じないだろうか。
「もしかして、1点買いでも、全部勝っても、結果はあまり変わらないのかも」
そうなのである。
実は、あまり大きな差はない。
1番人気だけを買い続けても、全部買っても、あるいは2番人気だけ買い続けても、結果はほとんど同じなのである。
1番人気だけを買い続けても、全部買っても、あるいは2番人気だけ買い続けても、結果はほとんど同じなのである。
衝撃的なことに、神様の領域を目指そうとしたところで、気づけば地上をうろうろしているだけなのである。
▼オッズから乖離した確度の予想
これは何を意味しているのだろうか。
わたしなりに平易な説明を考えると、機械的で一律的な買い方とは「平均的な買い方」なので、平均的な配当に収斂する、ということである。
わたしなりに平易な説明を考えると、機械的で一律的な買い方とは「平均的な買い方」なので、平均的な配当に収斂する、ということである。
オッズと的中率にはかなりの連動がみられる。
オッズで示される的中率を超える的中率を確保しなければ、わたしたちは勝てないのだ。
単勝2.0倍であれば、40%程度の勝率である。
わたしたちは、何らかの根拠をもって、40%以上の確度でその馬が勝つことを確信して購入しなければならない、ということである。
選んだ馬の勝利に80%の確信をもっているなら、単勝オッズでいえば1.0倍である。
それが2.0倍もつくといった場合に初めて超過収益が得られるのだ。
これは、すなわち、オッズに基づいた馬券購入法では、収支を黒字にすることはほぼできないということを意味する(一般的な場合)。
的中率か回収率かといった議論をしている向きもあるけれど、両者は表裏一体であり、
(1/単勝オッズ)×0.8=的中率
というオッズの式よりも0.8の係数が1.0以上になるようにさえすればよいのだ。
(単純化し、単勝の寺銭部分を80%とした)
当たり前の話に戻ってきたが、これこそが難しいのである。
やはり、わたしたちは予想法を磨く以外に道はないようである。
(SiriusA+B)