2016年10月26日水曜日

第123夜 勝馬投票券に影響力を持つ者の存在を仮定する


▼経験則を用いる
人間は見えない大きな力に恐れ戦くが、正体くらいは見ておきたい。
「オッズの裂け目」や「異常オッズ」に注目する馬券術があるけれど、「大口購入者」を見えない大きな力に例えることができる。
しかし、実際のところ、大口購入者はどれほどの影響力を持つのだろうか。
今夜は、想像たくましく、ちょっと仮定を重ねてみたい。
そのために、統計の経験則80-20の法則を用いる。

例題として、20161022(土曜日)東京競馬第11競走富士ステークス(G3)を調べてみよう。
馬連の売り上げは、49,9506,100円であった。
ちょうど5億円と簡略化して考えてよさそうである。
仮に「80-20の法則」を当てはめてみると、馬券購入単位上位2割が馬券の8割を購入していると考えることができる。
富士ステークスで言えば、4億円ほどを購入額上位20%の人が買っているのではないかということだ。
馬券購入者の総数は知る由もないが、非常に大雑把に言えば、150万人くらいが投票に参加していると考える。
馬連は全馬券の14%程度の比率で売れており、14%の人が馬連を買うとすれば、21万人で、その上位20%の人数は42千人である(1,500,000*0.14*0.2)
すると、上位20%の平均購入額は9,500円あまりである。
購入額最上位者はもちろんもっと大きな金額になるので、20パーセンタイルでは数千円というところだろう。
わたしたち「その他大勢」である、21万人の8割くらいの人数は168千人で、百円単位から千円、2千円くらいで遊んでいると思われる。
こうして推測していくと、馬連1点で6(10万円から数十万円)くらいが最上位層の買い方ではないかとイメージできる。
正しいかどうかはわからないが、まあこんなものだろう。

富士ステークスは11頭立てで、馬連の組み合わせは11*10/255通りだった。
JRA
の発表によると、最も売れなかった人気薄は馬連5-92,345票、金額にすれば234,500円だ。
的中した馬券は9番人気で、2,165,800円売れている。
この的中馬券も、80-20の法則に従っているなら、8割が20%の上位購入者に買われたと考えることができる。
そうすると、170万円ほどを上位20%が購入したと想像でき、先ほどの推測の通り110万円も買った人がいるなら、それでもせいぜい23人いる程度ではないだろうか。
一人で100万円ほど購入する可能性はゼロではないけれど、極めて低い率であり、現実的には無視できるとみて良い。
あるいは、数万円買った人が何人かいるのかもしれない。
一方で、百円から千円くらい買った人の総額は40万円ほどだ。
全員百円なら4,000人、全員千円なら400人である。
的中馬券の投票総数は21,658票だから、あくまで想像だが、3,000人から5,000人くらいの人が当たり馬券を手にしたのではないかと思う。

いずれにせよ、オッズに影響を与える上位購買層はこんな感じだろう。
1
番人気や2番人気であれば、一人の投票行動による影響はないに等しい。

個人的には「大量買いする人」といっても意外と影響力は「小物」、大山鳴動して鼠一匹、という気もするが、いかがだろうか。
正体が明らかになれば(仮定が大きく外れていないとして)、恐れることはない。
反応、対応もいろいろ考えられるが、それについてはご自身で練っていただければと思う。
(SiriusA+B)

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