▼また競馬で黒字の男性が登場
2016年10月13日のことである。
この日、競馬に関する1つの記事が報道された。
大阪国税局が府内の公務員の男性を所得税法違反容疑で告発したというものであった。
競馬の払戻金は4億2千万円と言われ、この所得を国税局は雑所得ではなく一時所得として認定したようである。
同じ大阪府下の男性で適用する所得区分が最高裁まで争われた件については、皆さんもよくご存知かと思うが、外れ馬券も経費として認定できる雑所得扱いであった。
少し横道にそれるが、所得税について触れておく。
給与所得、雑所得、一時所得はいずれも合算して課税する総合課税といわれるものなのだが、雑所得と一時所得では経費の扱いが異なる。
所得税は、10種類に分けられる。
利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得である。
「一時所得」とは、利子所得から譲渡所得までのいずれにも該当しない所得で、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外のものであって、労務の対価としての性質等を有しない一時の所得をいう。
競馬の払戻は、一般にこの一時所得と認定される。
最後の「雑所得」は、以上9種類の所得に該当しないもので、公的年金等もこの中に含まれている。
最高裁まで争われた件は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得ということで、競馬の払戻金であろうとも一時所得ではなく雑所得であると認定されたものである。
雑所得では、一時所得の一律50万円の控除と異なり、必要な経費を収入から差し引きできるということなのだが、最高裁判決で外れ馬券を経費と認められた。
今回、大阪国税局は、府内の公務員の男性に一時所得と認定したようだ。
「恒常的で規則的な買い方ではない」という判断で、現在でもほとんどの馬券ファンに適用されるものである。
「税金のことはわからない」というのも良いことではないけれど、非常に大雑把に言えば「ラッキーなら一時所得」「戦略戦術を用いているもので継続的なら雑所得」と考えればわかりやすい。
▼WIN5の売り上げは伸びるか
今回告発された男性の場合、5重勝単勝式、いわゆるWIN5で2勝したこと、予想法は競馬新聞をみてのアナログ式であること、などが明らかにされている。
報道の通りであれば、競馬の仕組みの脆弱な部分を突いた方法ではなく、至極まっとうでオーソドックスなやり方である。
競馬ファンの「希望の星」とも言えるが、真似しようとWIN5の売り上げが増えるのではないかと予想していたところ、見事に外れた。
報道直後の売り上げに大きな変化は見られなかったのである。
(2016年9月18日から10月14日報道直後までの券種別売上比率)
2016年10月13日のことである。
この日、競馬に関する1つの記事が報道された。
大阪国税局が府内の公務員の男性を所得税法違反容疑で告発したというものであった。
競馬の払戻金は4億2千万円と言われ、この所得を国税局は雑所得ではなく一時所得として認定したようである。
同じ大阪府下の男性で適用する所得区分が最高裁まで争われた件については、皆さんもよくご存知かと思うが、外れ馬券も経費として認定できる雑所得扱いであった。
少し横道にそれるが、所得税について触れておく。
給与所得、雑所得、一時所得はいずれも合算して課税する総合課税といわれるものなのだが、雑所得と一時所得では経費の扱いが異なる。
所得税は、10種類に分けられる。
利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得である。
「一時所得」とは、利子所得から譲渡所得までのいずれにも該当しない所得で、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外のものであって、労務の対価としての性質等を有しない一時の所得をいう。
競馬の払戻は、一般にこの一時所得と認定される。
最後の「雑所得」は、以上9種類の所得に該当しないもので、公的年金等もこの中に含まれている。
最高裁まで争われた件は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得ということで、競馬の払戻金であろうとも一時所得ではなく雑所得であると認定されたものである。
雑所得では、一時所得の一律50万円の控除と異なり、必要な経費を収入から差し引きできるということなのだが、最高裁判決で外れ馬券を経費と認められた。
今回、大阪国税局は、府内の公務員の男性に一時所得と認定したようだ。
「恒常的で規則的な買い方ではない」という判断で、現在でもほとんどの馬券ファンに適用されるものである。
「税金のことはわからない」というのも良いことではないけれど、非常に大雑把に言えば「ラッキーなら一時所得」「戦略戦術を用いているもので継続的なら雑所得」と考えればわかりやすい。
▼WIN5の売り上げは伸びるか
今回告発された男性の場合、5重勝単勝式、いわゆるWIN5で2勝したこと、予想法は競馬新聞をみてのアナログ式であること、などが明らかにされている。
報道の通りであれば、競馬の仕組みの脆弱な部分を突いた方法ではなく、至極まっとうでオーソドックスなやり方である。
競馬ファンの「希望の星」とも言えるが、真似しようとWIN5の売り上げが増えるのではないかと予想していたところ、見事に外れた。
報道直後の売り上げに大きな変化は見られなかったのである。
(2016年9月18日から10月14日報道直後までの券種別売上比率)
日付
|
09/18
日
|
09/24
土
|
09/25
日
|
10/01
土
|
10/02
日
|
10/08
土
|
10/09
日
|
10/10
月
|
10/15
土
|
10/16
日
|
関東
|
中山
|
中山
|
中山
|
中山
|
中山
|
東京
|
東京
|
東京
|
東京
|
東京
|
関西
|
阪神
|
阪神
|
阪神
|
阪神
|
阪神
|
京都
|
京都
|
京都
|
京都
|
京都
|
ローカル
|
|
|
|
|
|
|
|
新潟
|
新潟
| |
単勝
|
5.2%
|
6.2%
|
5.2%
|
6.0%
|
5.1%
|
6.4%
|
5.3%
|
5.4%
|
6.0%
|
4.8%
|
複勝
|
8.0%
|
9.8%
|
8.5%
|
10.3%
|
7.1%
|
9.5%
|
7.5%
|
8.2%
|
9.7%
|
6.3%
|
枠連
|
3.3%
|
3.7%
|
2.8%
|
3.3%
|
3.3%
|
3.3%
|
3.1%
|
2.9%
|
3.7%
|
3.3%
|
馬連
|
13.2%
|
14.9%
|
13.1%
|
14.7%
|
14.1%
|
14.6%
|
14.5%
|
13.3%
|
14.9%
|
14.2%
|
馬単
|
7.2%
|
7.4%
|
7.2%
|
7.6%
|
7.0%
|
7.5%
|
7.1%
|
7.4%
|
7.4%
|
7.0%
|
ワイド
|
7.0%
|
8.0%
|
6.7%
|
7.8%
|
6.9%
|
7.8%
|
7.2%
|
7.0%
|
7.9%
|
6.7%
|
3連複
|
18.7%
|
19.9%
|
18.1%
|
19.4%
|
20.3%
|
19.2%
|
20.0%
|
18.4%
|
19.9%
|
20.9%
|
3連単
|
34.9%
|
30.0%
|
35.6%
|
30.9%
|
34.3%
|
31.7%
|
33.0%
|
34.9%
|
30.4%
|
34.8%
|
5重勝
|
2.6%
|
|
2.7%
|
|
2.0%
|
|
2.3%
|
2.6%
|
|
2.0%
|
計
|
100.0%
|
100.0%
|
100.0%
|
100.0%
|
100.0%
|
100.0%
|
100.0%
|
100.0%
|
100.0%
|
100.0%
|
売上規模
|
249億円
|
160億円
|
268億円
|
166億円
|
294億円
|
157億円
|
237億円
|
220億円
|
184億円
|
318億円
|
全体としてみれば、動じず、浮き足立つこともなく、というところか。
競馬ファン侮りがたし、手強い相手である。
(SiriusA+B)