2025年5月18日日曜日

第517夜 数字の法則系予想法


▼数字で予想する
馬のことは分からん、いっそ、数字の出方に賭けてみようとする人が出てきてもおかしくない。
ネットを回っていると、741の法則とか541の法則とか、549の法則、369の法則など、数字を使った法則が溢れている。
外形的に、どうでもいい話だが、これらは「理論」ではなく「法則」と呼ばれるものが多い気がする。
条件が揃ったときに何が起きるか予測するものが法則、何故そうなるのかを説明するのが理論だそうだ。
このような定義が正しいのなら、数字による予想法は「法則」で合っているような気がする。

法則の中身は様々で、ただの数字遊び(失礼)の類もあれば、大雑把だが経験則をよく踏まえてになるほど、と思わず唸ってしまうものまである。
そうしたものの成績は、ほどほどに的中し、たまに大きなものを当てて回収率も(平均に比べて)それほど悪くない、そのように思われる。
長期の収支はともかく、目の前のレースを当てられるかどうかであれば、一生懸命に考え抜いた予想と比べても遜色ないだろう。
下手に「あたしゃ、馬のことが分かる」と宣う人よりは潔い。

「ほどほどに的中し、回収率もそれほど悪くない」予想法には、魅力が詰まっている。
よくできた法則を調べてみると、前走4-7着近傍の成績の馬を抽出する仕組みになっているのだろう。
これは的中率と回収率から妙味のある部分を狙っている。
こうしたところは学ぶべき点である。

▼予想者集団を考える
貴方がもし、素人予想屋として名を上げようとするなら、門外不出で驚異的な予想か、ライトな馬券ファンが好む予想法の教導者となるか、いずれかが近道のように思う。
数字の法則予想法は、まさに後者だ(ちなみに、前者は名を上げることをせず、自分で馬券を買うほうがいい)
馬券投票者の大部分はライトな馬券ファンである。
・馬のことは分からない、予想スタイルも確立しているわけでもない、と冷静に自己分析している。
・誰かの予想に乗るだけでは儲けられないし、自分なりに予想した感じがしない。
・小難しい理論は要らないが、かといってカルト的な話は信じていない。
・基本的に忙しく、競馬の研究をする時間を確保できない。
・毎週毎週、朝から晩まで競馬漬けというわけにはいかないので、長期戦略より短期決戦、できれば1日単位で良い収支を出したい。
・有料予想に出費したくない。
・馬柱以上の過去データを持っていない。
以上のような人が多いのだろうと思う。
数字の法則予想法は、まさに打ってつけなのだ。
直近の馬柱以上のデータは不要、手軽で無料。
経験に基づく法則だから、何故なのか理解するものでもない。
買い目に若干のオリジナリティ(独自性)を加えれば、自分で予想した実感も湧く。
1
日やっていれば、何レースか当てられるし、上手くいけば黒字を出す日もある。
幸先良くスタートできれば、しばらく採用する人も少なくないと思われる。
ただ、月単位以上継続すると馬券収支で苦戦する日が目立つようになり、別の予想スタイルへと離れていくかもしれないが、シンプル故に試してみようとする人は後を絶たないだろう。

▼予想スタイルを考える
わたしも、似たような馬券術を即興で作ってみた。
711の法則」とでも名付けよう。
次のふたつの数字をミックスすることにした。
 前走人気+前々走着順
そう、人気と着順を足すのである、しかもふたつは同じレースのものでもない。
1
番人気は1点、1着は1点とすれば、2点から36点だ。
これで、合計の値が7から11点になる馬を狙う。
前走は人気を使い、着順は使わない。
前々走は着順を使う。
このため、前2走完走した馬のみを対象とする。
前走は結果(着順)を考慮せず、前走人気と前々走着順という別のレースの異なるデータを足すのだ、ほどほどの奇天烈(キテレツ)感は出ていると思う。
一方で、適度な的中率と回収率を実現していると自負する。
組み合わせは意外なものと感じられるかもしれないが、キチンと理由がある。
このふたつのファクターは、前々走のパフォーマンスを反映している。
つまり、前走成績を見ないで前々走成績を重視する仕組みである。
ポイントは、7点から11点に焦点を当てることだ。
的中率は下がるが、最も高い単勝回収率の位置で絞る。

これが、予想法や競馬研究のトレーニングになる。
というのは、各ファクターの癖や特徴を掴めるからだ。
上記算式のほか、前走着順+前々走人気とか、前走着順+前々走着順などでもほぼ同様の結果を得ることはできる。
的中率をもう少し上げたいなら、足し算の合計「7から11」を小さく変更すれば良い。
小さくするというのは、人気馬にシフトすることだ。
その分、回収率はちょっと下がる。
1
2番人気・着順をもう少し分析すれば、精度はさらに上がるだろう(法則としてはシンプルにしたいのでここには目をつぶっている)

わたしには、これらの算式で得られる勝率や回収率を、予め想像することができる。
長い間、このような組み合わせを繰り返し行なってきたので、主なファクターの特徴やファクター間の重なり具合などを把握しているからである。
オッズの特徴なども自己評価だがある程度理解しているつもりだ。
ファクターを組み合わせる作業は、まるで化学実験、或いは創作料理の開発のようだ。
「この組み合わせだと、こうなるのかあ」などと独り言をぶつぶつと、夜中に言っている。

わたしは、冒頭に取り上げた数字の法則たちに限らないが、他人様(ひとさま)の予想理論や法則をこのように活用させてもらっている。
(SiriusA+B)

(
図表517-1)前走・前々走の人気・着順組合せの実績(2011-2024年中央競馬平地競走、過去2走完走馬)
【A】前走人気+前々走着順
【B】前走着順+前々走人気
【C】前走着順+前々走着順
【D】前走人気+前々走人気


点数 【A】勝利回数 出走回数 的中率 回収率 【B】勝利回数 出走回数 的中率 回収率 【C】勝利回数 出走回数 的中率 回収率 【D】勝利回数 出走回数 的中率 回収率
2 - 6点 14,684 92,713 0.158 0.73 12,853 74,799 0.172 0.74 12,502 75,681 0.165 0.74 15,114 92,802 0.163 0.75
7 - 11点 10,862 112,482 0.097 0.79 12,631 115,675 0.109 0.79 12,703 120,615 0.105 0.77 10,722 110,009 0.097 0.80
12 - 16点 6,482 107,538 0.060 0.78 7,573 126,395 0.060 0.79 7,366 126,468 0.058 0.76 6,529 108,280 0.060 0.78
17 - 21点 3,551 96,263 0.037 0.73 3,241 108,283 0.030 0.71 3,508 103,366 0.034 0.75 3,360 94,913 0.035 0.72
22 - 26点 1,501 72,863 0.021 0.68 985 66,601 0.015 0.63 1,086 64,338 0.017 0.64 1,374 70,924 0.019 0.67
27 - 36点 423 36,507 0.012 0.52 220 26,613 0.008 0.49 338 27,898 0.012 0.58 404 41,438 0.010 0.50


ブログ アーカイブ