2026年3月1日日曜日

第551夜 凡走を繰り返した挙句


好走か凡走か、で成績評価
被告馬Aは直近5走にわたって凡走を繰り返した挙句云々、と書き出せば、何やら刑事事件の判決文の読み上げのようだが、本件の裁判官はわたしである。
最近まで知らなくてお恥ずかしいが、法律用語では「被告人」と言えば刑事事件、「被告」と言えば民事事件だそうである(報道ではいずれも「被告」)
主文を後回しにしないで申し上げると、凡走を繰り返した被告馬Aは無罪(馬券を買う)、一方、好走を繰り返した被告馬Bは有罪(馬券見送り)というのが、わたしの判決になる。
大方の予想とはまったく逆の判決に、脳内地裁では法廷内が静まり返った、かもしれない。
貴方は上級裁判所に控訴するかどうか、ご判断いただきたい(知らんけど)

2011-2024
年中央競馬平地競走において、この期間中に5走以上出走した馬は、延べ365,074頭いた。
各馬出走時の直近5走について、「好走」と「凡走」に仕分けて、成績にどのような差が出るのか確かめることにした。
先ず、何を以って好走・凡走とするか、定義が必要である。
わたしは、とても単純な方法だが、「単勝人気以上(良い)の着順」を好走、「単勝人気未満の着順」を凡走としてみた。
競走中止は凡走として取り扱う。
この方法では人気馬ほど厳しい基準で、1番人気であれば1着のみ好走、2着以下に敗れれば凡走となる。
最低人気馬はすべて好走だ()
単純なやり方にしたので、ヘンだと思われれば、独自に定義してもらえればと思う。

このように仕分けると、最も良い馬(被告馬B)は「好走、好走、好走、好走、好走」で、最も悪い馬(被告馬A)は「凡走、凡走、凡走、凡走、凡走」だ。
好走を1、凡走を2と表わせば、前者は「11111」、後者は「22222」となる。
好走と凡走の組み合わせは32通り(25)で、図表551-3に成績を載せておいた。
図表は後程ご覧いただくことにして、皆さんにお伺いしたいのは、凡走馬Aと好走馬Bどちらが成績は良いと思うか、である。
実は、凡走を繰り返したAのほうが勝率は高いのだ。
概ね、傾向として、直近5走の成績が悪い馬ほど結果を出す。
図表551-1は直近5走のうち、凡走回数別に集約したものである。
凡走した回数が多いほど、今走の成績は良いことが分かる。
(
図表551-1)直近5走における「好走」回数別今走競走成績(2011-2024年中央競馬平地競走で5走以上の成績を持つ馬)(好走=1、凡走=2)
直近5走中、好走回数 勝利回数 出走回数 勝率 単勝回収率
5回 1,683 35,982 0.047 0.65
4回 5,399 86,756 0.062 0.69
3回 8,497 113,531 0.075 0.75
2回 7,174 86,940 0.083 0.80
1回 3,002 35,907 0.084 0.83
0回 533 5,958 0.089 0.82

前走の凡走
なぜ、こうなるのか。
主因は、自身の人気を基準に成績を評価したことにある。
競馬に限らず、良いとか悪い、正しいとか正しくない、必要とか不要、というのは、自己の基準による。
自己の基準が世の中の多数派か少数派かでせめぎ合う。
少数派と分かっていながら、法令や権威を持ち出して、無理矢理突破しようとする輩もいるから面倒臭い。
それはさておき、今夜の好走凡走を定義するにあたって、わたしは世間で想定される基準を2種類に分類した。
(1)1
着から順に優良とする方式
(2)
当該馬自身の人気を評価基準にして評価以上の成績を良しとする方式
予想者の多くは、曖昧ながらこのふたつをブレンドして判断している、とわたしは考えている。
傾向としては、(1)が主で、(2)が従だろう。
わたしがここで提示したのは、ほぼ(2)だけにしたものだ。
出走他馬はともかく、当該馬自身が「自分としては良かった/悪かった」と採点する。
換言すれば、自身の持てる能力(あくまで馬券購入者の見立てだが、馬自身が喋れないので)を発揮したかどうかだけで判断した。
この際、1着や2着などどうでもいい、7番人気馬が6着や7着なら好走なのだ。
この評価方式で凡走続きだと、「こんな馬ではない」と陣営は奮起するだろう。
成績は平均より上がる率が高くなる。
反対に、馬券購入者は凡走で評価を下げてしまう。
ここに、評価(オッズ)と実力の乖離が生じやすい。
図表551-2に、如実に表われている。
(
図表551-2)直近5走における「好走」回数別、前走好走凡走別今走競走成績(好走=1、凡走=2)
直近5走中、好走回数 勝利回数 出走回数 勝率 単勝回収率
5回・前走好走 1,683 35,982 0.047 0.65
4回・前走好走 4,245 69,702 0.061 0.69
3回・前走好走 5,087 68,362 0.074 0.75
2回・前走好走 2,840 34,771 0.082 0.79
1回・前走好走 573 6,966 0.082 0.68
4回・前走凡走 1,154 17,054 0.068 0.68
3回・前走凡走 3,410 45,169 0.075 0.75
2回・前走凡走 4,334 52,169 0.083 0.80
1回・前走凡走 2,429 28,941 0.084 0.86
0回・前走凡走 533 5,958 0.089 0.82

この図表は、551-1の分類を、さらに前走が好走か凡走だったかで分割したものだ。
勝率・連対率を見れば、前走凡走馬の奮起(勝率)とオッズの乖離(回収率)が明らかだ。
回収率が高く出るのは、前走で人気を落とし、支持が下がった美味しい馬券を意味する。
今すぐ当てたい人は好走馬を選ぶかもしれないが、長期的にみれば必ずしもベストな選択とは限らない。
(SiriusA+B)
(
図表551-3)直近5走好走凡走別成績(好走=1、凡走=2)
1前走 2前走 3前走 4前走 5前走 勝利回数 出走回数 勝率 単勝回収率 直近5走中、好走回数(図表551-1,551-2対応)
1 1 1 1 1 1,683 35,982 0.047 0.65 5
1 1 1 1 2 1,051 18,276 0.058 0.60 4
1 1 1 2 1 1,014 17,697 0.057 0.74 4
1 1 1 2 2 855 11,723 0.073 0.81 3
1 1 2 1 1 1,084 16,840 0.064 0.71 4
1 1 2 1 2 869 11,483 0.076 0.69 3
1 1 2 2 1 855 11,561 0.074 0.69 3
1 1 2 2 2 699 8,670 0.081 0.84 2
1 2 1 1 1 1,096 16,889 0.065 0.73 4
1 2 1 1 2 838 10,991 0.076 0.83 3
1 2 1 2 1 840 11,312 0.074 0.82 3
1 2 1 2 2 689 8,555 0.081 0.75 2
1 2 2 1 1 830 11,292 0.074 0.67 3
1 2 2 1 2 671 8,551 0.078 0.77 2
1 2 2 2 1 781 8,995 0.087 0.79 2
1 2 2 2 2 573 6,966 0.082 0.68 1
2 1 1 1 1 1,154 17,054 0.068 0.68 4
2 1 1 1 2 769 11,254 0.068 0.70 3
2 1 1 2 1 849 11,087 0.077 0.82 3
2 1 1 2 2 710 8,502 0.084 0.78 2
2 1 2 1 1 885 11,188 0.079 0.75 3
2 1 2 1 2 719 8,451 0.085 0.80 2
2 1 2 2 1 711 8,741 0.081 0.78 2
2 1 2 2 2 619 7,041 0.088 0.88 1
2 2 1 1 1 907 11,640 0.078 0.74 3
2 2 1 1 2 698 8,598 0.081 0.76 2
2 2 1 2 1 712 8,701 0.082 0.85 2
2 2 1 2 2 581 7,161 0.081 0.84 1
2 2 2 1 1 784 9,176 0.085 0.84 2
2 2 2 1 2 601 7,187 0.084 0.77 1
2 2 2 2 1 628 7,552 0.083 0.94 1
2 2 2 2 2 533 5,958 0.089 0.82 0



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