2015年8月30日日曜日

第26夜 競馬予想で夜更かし――居酒屋トーク(10)


美味しいイタリアンもいいけれど、競馬談議には居酒屋がよく似合う気がする。

このブログの原点ともいえる居酒屋トーク。

話があちこちに展開していくが、ブログのエッセンスをお伝えできるのではないかと思う。12回に分割して記載する。(その10)

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▼予想の精度

――精度といえば、3人寄らば文殊の知恵と言うけど、予想者全体を示すオッズはソコソコ精度が高いよね。

A:1番人気は長い間、的中率33%前後だよね。3分の一かあ。いいところだね。

――進化していないとも言える()

A:でも、精度が低いのか、やはり偶然の要素が強いのかは、知っておきたいよね。

――そんなことわかるの。

A:変わった検証をしたことがあるよ。出走時点の賞金額順や単勝人気と、その後しばらくしてからの賞金額順を較べてみた。

――結果が気になるけど。

A:おおよそだけど、あまり変わらなかった。つまり、予想の精度は高くて、人気どおりに決着しないのは偶然かレース適性の問題ではないかと。もちろん、人気薄で勝った馬が、出走当時不当に低い評価だったものもあるよ。でも、多くは同じ。競馬だからね、偶然の要素が皆無では成り立たないから。

――ということは、これ以上的中率が上がる可能性は低いと。

A:人気どおりでない決着が、偶然ではなく、レースの要素であれば未だわからないけど。ただ、オッズは馬の能力をよく反映している気がする。

――結構ショックだよね。百発百中は無いということか。

A:馬の状態、臨戦態勢とかレースの展開を重視する予想もあるよね。もっと精度が高くなれば、何かわかるかもしれない。

――予想は難しいね。

A:だから面白いんじゃない。馬の成長や経験なんかもうまく織り込むといいかな、とか考えると研究も楽しくなるよ。わたしは調教よりレースの経験が影響すると思ってるけど、未だわからないこともある。ずっと他馬と並走して外を回らされた馬が次走でどうなるか、ゴール前でデッドヒートした馬がどれくらい成長するかとか。

――楽しんでいるね()

A:そうだね()レース中の速度の緩急は、いずれ体系化したいね。

――馬も一定の速さで走り続けるわけではないものね。

A:騎手の巧拙はこういうところにあるよね。

(つづく)

(SiriusA+B)

2015年8月27日木曜日

第25夜 競馬予想で夜更かし――居酒屋トーク(9)


美味しいイタリアンもいいけれど、競馬談議には居酒屋がよく似合う気がする。

このブログの原点ともいえる居酒屋トーク。

話があちこちに展開していくが、ブログのエッセンスをお伝えできるのではないかと思う。12回に分割して記載する。(その9)

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▼予想道

――走破タイムは使わないし、性別は何種類もあるし、オッズは見ないのに前走のオッズは使う。どういう予想理論なのか不思議。

A:みんなと同じことしても勝てないよね。血統だって参考にするけど、母父なんて見ないし。前に触れたように、正しい数字ではないかもしれないけれど、0.3%しか儲かっている人はいないんだから。

――みんなが真似したらどうするの。

A:けち臭いことは言わないよ。的中率が十分高ければ負けないからね。オッズは下がるだろうけど。でも、データの加工方法や数量化1類での分析は、誰でも簡単にできるものではないと思う。何年も研究してきたし、表計算ソフトの使い方もかなり勉強してここまできたけど、みんながみんなマスターできるわけではないんじゃないかな。

――簡単にはコピーできないんだね。

A:誰でも簡単、というなら競馬は成立しなくなっているよね。簡単、誰でも、絶対、という言葉がある誘い文句は、乗らないほうがいいと思う。

――参考になる話とならない話の見分け方だね。

A:人間誰でも楽をしたいから、楽な道を選びそうになるよね。周りにも楽な道を勧める人も多い。でも、険しい方の道を選んだ人が最終的に成功している気がする。競馬予想に限らず、ね。

――努力に勝る天才はなし、か。

A:努力できることこそが天才かもね。努力次第で的中精度も上がってくると思う。

(つづく)

(SiriusA+B)

2015年8月24日月曜日

第24夜 競馬予想で夜更かし――居酒屋トーク(8)


美味しいイタリアンもいいけれど、競馬談議には居酒屋がよく似合う気がする。

このブログの原点ともいえる居酒屋トーク。

話があちこちに展開していくが、ブログのエッセンスをお伝えできるのではないかと思う。12回に分割して記載する。(その8)

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▼予想データ

――データと言えば、性別で「騸馬」はどう扱ってるの。

A:全部牡馬にしているよ。遺伝子は同じだし。

――じゃあ牡牝2種類なんだ。

A:でも、予想するときは、もう少し複雑に処理しているかな。出走馬全部牡馬と全部牝馬以外は、牡牝の比率も考慮している。やはり牝馬より牡馬の成績のほうが良いから。牡1、牝2と単純に分析するよりは精度が上がる気がする。

――確かに牡牝2種類では、分析するには大雑把過ぎるね。馬場状態も4種類しかないけど、これもさらに分けているのかな。

A:天候と組み合わせて、16種類(雪を含めると最大24種類)に。あまり使わないけれど。

――より細かくしているんだ。

A:反対に、大雑把にするものもあるよ。前走の単勝オッズも参考にしているけど、これは7種類に集約している。5倍未満、5倍以上10倍未満、10倍以上20倍未満、といったふうにね。

――前走のオッズを使うんだ。予想するレースのオッズは使わないのに。

A:だって、ずっと動いているんだもん()過去のオッズは確定しているから扱いやすい。ちなみに前走の着順も参考にするよ。

――着差じゃなくて着順を使うんだ。

A:走破タイムを基準に考えていないから。相対的な順位くらいで。大差でも僅差でも2着は2着だから。

――割り切るね。枠順はどう。枠順はダートで16、芝で最大18種類だから、これはそのまま使っているよね。

A:残念。例えばダートでいえば、60種類以上に分けている。ゴールした頭数と組み合わせて分けているよ。8頭立ての8枠と16頭立ての8枠では、状況が違うよね。

――なんだか大雑把なのか精緻なのかわからない予想法なんだね。

A:精緻に分析したら精度が高くなる、というわけではないから。わたしの予想法は、過去のトレンドというか傾向から勝馬を導き出すタイプなので、過去数年の出走馬をいくつかのグループに分けられればいい。グループ分けが細かすぎても、大雑把すぎても分析に適さないからね。試行錯誤して、一定の傾向が出る大きさに分けているよ。数種類のものもあれば、100種類以上になることもある。

――走破タイムや時速を使わずに、予想しているの。

A:今はそうかな。むしろ、上がり3ハロンと上がりを除いた前半の速度は間接的に使っているけど。

――間接的に使うというのは。

A:速さを順位にして、その順位を参考にしている。

――タイムをそのまま使わないんだ。

A:だって、馬場状態とか調整するの、面倒だから()

――嘘ばっかり()

A:ホントは、着順と同じで相対的な位置だけ分かればいいと思ってる()

――なんでも順位付けなんだね。獲得賞金は使っているの。

A:今はあまり使わないけれど、タイムに代えて重視した時期があったよ。競馬で勝つと言うのが速さでないならなんだろうと考えてね。かなり勉強になった。今の予想法は、賞金分析の延長上に築いている。

――賞金そのものは使わないということ。

A:賞金は数字の幅が広いので、対数にしているけど、今はそれもあまり使わない。着順に応じてオリジナルのポイントにしちゃった。簡単だけど自分の作ったポイントのほうが、数量化1類での分析に相性いいみたい。

――G1競走と未勝利では、ポイントはどれくらい違うの。

A:同じ()

――嘘でしょう。

A:ホント。ちなみにわたしのデータベースには競走名を入れてないから、G1競走がどれかもわからない。

――G1競走も未勝利も同じとはね。

A:冷静に考えると、勝馬投票に区別はないんだよね。賭け方が変わるわけではないし、賭け金も同じ。順位もレース出走馬の中で決めるもの。だから同じ。G1競走が大事なのは競馬関係者でしょう。わたしにとっては、すべての競走がダービーであり、有馬記念である()

――確かに。じゃあ、重賞競走もクラス分けも。

A:ナシ。

――常識破りだよね。

A:固定観念は破らないとね。

(つづく)

(SiriusA+B)

2015年8月21日金曜日

第23夜 競馬予想で夜更かし――居酒屋トーク(7)


美味しいイタリアンもいいけれど、競馬談議には居酒屋がよく似合う気がする。

このブログの原点ともいえる居酒屋トーク。

話があちこちに展開していくが、ブログのエッセンスをお伝えできるのではないかと思う。12回に分割して記載する。(その7)

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▼馬体重、斤量

――あれ、じゃあ、馬体重の増減も参考にしていないの。

A:うん。馬体重の増減は予想の参考にしていないよ。体長とか、体脂肪率とか、ほかの指標もないと適正かどうかもわからないから。それに480kgの馬で8kgの増減が、60kgの人間の1kgの増減にあたるなら、あまり神経質にならなくていいと思う。

――馬格と斤量の比率には一定の傾向があるみたいだけどね。

A:そうだね。走破タイムには影響があるね。わたしは消化していないけれど、年齢、性別、距離の情報を組み合わせれば、良質なデータになると思う。

――斤量は考慮するの。

A:実はあまり考慮していない。48kgとか58kgなら影響も明らかだけど、それ以外は未だよくわからない。

――意外にデータを使っていないんだね。

A:今の時代は情報量が多いけど、使いこなせないデータは利用しないようにしている。研究を放棄しているわけではないから、予想にマッチした加工方法を開発したら取り入れるつもり。

(つづく)

(SiriusA+B)

2015年8月18日火曜日

第22夜 競馬予想で夜更かし――居酒屋トーク(6)


美味しいイタリアンもいいけれど、競馬談議には居酒屋がよく似合う気がする。

このブログの原点ともいえる居酒屋トーク。

話があちこちに展開していくが、ブログのエッセンスをお伝えできるのではないかと思う。12回に分割して記載する。(その6)

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▼相馬眼

――馬を見る眼についてはどう思う。

A:ホントに分かる人どれくらいいるのかわからない。わたしは、パドックでどの馬が勝てそうかわかったことはないなあ。「古馬は調子」というけれど、どれも良さそうに見える()

――そりゃ仕上げてきているからね。相馬眼のある人って、どこを見ているんだろうね。

A:厩務員を強く引っ張っているとか、踏み込みがいいとか、毛ヅヤとか。でも、勝てるかどうかをどうやって判断しているのかな。例えば、国体の100メートル競走で、出場選手たちを見て誰が優勝するのか身体から判断できるか、という話でしょ。わたしはわからないな。どうも主観的で。買うつもりの馬の状態を確認するくらいしか思い浮かばない。

――わかる人に会いたい。

A:ホント。調教師や厩務員のコメントも同じで、わたしにはわからないから参考にしていない。

――じゃあ、予想法は、データがすべてということだね。

A:わたしの場合はね。出走馬にすごく差があるなら見ればわかるかもしれないけれど、視覚的に見分けられるほど差があるようには見えないから。それに、朝まとめて買うので、そもそも見る時間がない。

(つづく)

(SiriusA+B)

 

2015年8月15日土曜日

第21夜 競馬予想で夜更かし――居酒屋トーク(5)


美味しいイタリアンもいいけれど、競馬談議には居酒屋がよく似合う気がする。

このブログの原点ともいえる居酒屋トーク。

話があちこちに展開していくが、ブログのエッセンスをお伝えできるのではないかと思う。12回に分割して記載する。(その5)

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▼オッズ分析

――オッズの分析はどうかな。わたしは割りと好きだな。

A:時間とともに変化するデータはちょっと苦手かな()。オッズの動きをずっと見ているのも時間がもったいないし。

やっぱり必勝法というのはないのかな。

A:あるよ。少なくとも、軍資金と短時間で馬券を買う技術が必要だけど、そうした必勝法は実在する。買い目を決めるノウハウは、それほど難しいものはいらないようだけど。難しくないと言っても、もちろんかなりレベル高いよ。

――よく馬主とか金持ちの馬券で、複勝1.1倍の馬券をドーンと買うとかいう、あれ?

A:その「あれ」は儲からないと思う()。必勝法ではないんじゃないかな。応援馬券とか道楽とかいう範疇かと。ただ軍資金の大きさで闘い方は変わってくると思う。

――馬券の種類が変わるということ?

A:それもあるけど、買う点数が変わるというほうがいいかな。軍資金が多いなら、多点買い、ふつうは一点買いだと思う。幅広く買えるということは、リスク回避のやり方が変わるからね。軍資金の多い人は資金配分、少額の人は予想精度を中心に戦略を立てることかな。

――ちょっと意外だね。馬連なんかは数点購入するのが一番いいと思ってた。

A:買い方としてはオーソドックスだけど、長期間黒字っていうのも難しいかな。中途半端な点数買いは、たぶん厳しい収支になるだろうなと。軍資金が多い人の「かなり幅広い多点買い」は、予想外の高配当を手にすることができる。時々やってくる高配当が利益の源泉で、多くのレースでは低配当でトントン程度になるようにして耐える。でも、ふつうの人が考える多点買いじゃないよ。例えば3連単で2000点買いとか、3000点買いだからね。

――3000点買いだと、1レースに軍資金は30万円か。

A:それも均等買いでね。おそらく必勝法は、段差買いになるので、60万円は必要かなと思う。ということは、3場開催で136レース、土日で72レースだから、4320万円。もちろん、ほとんどのレースである程度の回収は見込むので、そこまで必要ないけれど、これくらいのお金を何とも思わないくらいの金銭感覚でないとね。

――お金を考えてレースを絞ったら。

A:買うレースを選ばないほうがいいと思う。堅いと思ったレースで荒れるから配当がいいわけで、これを見送っていたら回収率は下がるだろうね。

――じゃあ、ふつうの人の必勝法をお願いします()

A:うん、1点買いに限る、かな()。競馬とは、軍資金を維持しつつ、大きな配当を待つゲームだから。

――名言だね。軍資金の多い人は多点買いである程度資金を維持できるけど、少額の人ほど、軍資金を枯渇させないように的中率を上げなければいけないんだね。

A:ただ、軍資金の大きい人の必勝法は存在が明らかになったけど、少額投資の必勝法は明らかにされた例がない。少なくとも、わたしが考えている通りなら、「本命党」「穴党」という区分で勝っている人はいないだろうと思う。

――複勝は金持ちの馬券だと思っていたけど。

A:むしろ3連単かな。

――わたしたち少額馬券師には、3連単は無謀なのかな。

A:うん、無謀な気がする()→
第14夜 馬券の買い方とリスク

(つづく)

(SiriusA+B)

2015年8月12日水曜日

第20夜 競馬予想で夜更かし――居酒屋トーク(4)


美味しいイタリアンもいいけれど、競馬談議には居酒屋がよく似合う気がする。

このブログの原点ともいえる居酒屋トーク。

話があちこちに展開していくが、ブログのエッセンスをお伝えできるのではないかと思う。12回に分割して記載する。(その4)

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▼血統

――血統なんてどう。時計理論に代わるツールとして。

A:わたし自身は血統好きだけどね。ただ、普通の血統理論は結果論みたいなところがあって、自分なりの血統理論を作ってる。

――男子は血統好きだよね()

A:女子は少数派だろうね()

――普通の血統理論って、父系が中心だよね。

A:母系は分析が難しいからね。1年間に1頭しか産まないからデータが少ない。

――時計理論と違って、なんか数字が少ない。

A:血統理論と言っても、距離適性、馬場適性、コース適性を印象論で話している感じがする。父系はともかく、母系はサンプルデータが少なくなるから数字で語りにくいのかも。わたしは母系をファミリーラインで遡ってまとめているよ。1900年より前に生まれた牝馬を「祖先馬」に指名して、そのファミリーラインの馬を一括りにしている。サンプル数が確保できて分析しやすい。もっと最近の世代でまとめたいけれど、サンプル数が確保しにくいから。
→第10夜 母系を分析するデータベースは5万頭
→第11夜 祖先馬が分析を可能に

――父馬はサイアーラインを遡るの。

A:父馬は父馬だけで祖先を遡らない。サンプル数も確保できるしね。これが遺伝学的に正しいかどうかは知らないけれど、統計的には結構上手くいっている気がする。数量化Ⅰ類で分析すると、父系母系とも一定の傾向が出てくるよ。

――でも時計理論の代わりにはならないか。

A:要素のひとつではあるけれど、わたしの考えでは、予想の柱になるほどではないかな。血統分野の今の関心は、もう少し勝利馬と血統の関係を深くすること。馬場適性や距離適性を組み合わせて予想できないかなと思っているのだけれど、まだ上手くいっていない。

――血液を調べればもっと詳しく分かりそうなものだけれど、そんなデータは公開してはいけないらしいね。

A:競馬が成り立たなくなるからね。でも爪の形とか、外形的な特徴と適性は一定の傾向があると思うから、血統理論もまだ良くなる余地はありそう。

(つづく)

(SiriusA+B)

2015年8月9日日曜日

第19夜 競馬予想で夜更かし――居酒屋トーク(3)


美味しいイタリアンもいいけれど、競馬談議には居酒屋がよく似合う気がする。

このブログの原点ともいえる居酒屋トーク。

話があちこちに展開していくが、ブログのエッセンスをお伝えできるのではないかと思う。12回に分割して記載する。(その3)

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▼スピード指数などの時計理論

――精緻な予想といえば、スピード指数とか速度を使った理論だよね。

A:出てきたな()

――スピード指数はリスペクトしているでしょう。

A:もちろん、今もすごいと思っている。使わなくなっただけ。まだウインドウズが3.1Excel4.0のときに高いパソコン買って123着のタイムをちまちまと入力したよ。まだシートが1枚だけでね、画面の端っこまで入力するとよくフリーズしたので苦労した。

――年齢がばれる()

A: 西田式スピード指数の本は何度も読み返して自分なりの改良をして基準タイムや馬場指数を出したのに、収支トントンまであと一歩が続いたね。長い間走破タイムとにらめっこしていて、ちょっと限界を感じたかな。

――限界というと。

A:馬はホントに全力で走っているのかっていう……()

――スピード指数のそもそもの前提が疑問になったと()。少なくとも、一瞬、全力を出しているのは分かる。悲しいけど途中で骨折して予後不良になる子もいるからね。でも、ゴールしたあとに疲れ果てて倒れこんだ馬は見たことない。発走からゴールまでずっと全力じゃないっていうことだよね。

A:スローペースで展開して上がり3ハロンが鋭いと、「もしかして余裕?」とか()

――そこで、いろいろと修正する派生理論が登場。

A:競走のペースや大外を回ったとかの位置取りを考慮した指数は研究されたよね。

――坂道や直線の長さとか。コーナーの研究も見たことある。

A:でも、どんなに精緻にしても的中率が向上しない。わたしの場合は、タイムではなく、速度に換算することでより精緻にできると思った。統計学的にもこの方がいいらしいね。わたしの予想法の問題はここにある、速度に直すことで的中率が劇的に改善する、と思った。

――速度に変換するだけで改善するのかな。
→第6夜 走破タイムを分析するなら速度に変換することをおススメ

A: 実際やってみて多少は精度が上がったよ。わたしの作ったスピード指数の問題かもしれないけれど、成績の良くないときの指数が実力以上に悪くなるような感じだったから。速度に換算して歪みがないというかフラットな感じになったね。でも、懸案の「全力疾走」への疑問は解決しなかった。スピード指数にしても、速度にしても、馬の強さを示している気がしなくなって。

――じゃあ、速度も捨てた、と。

A:捨てたつもりはないけれど、だんだんその要素の比率が低くなってきたことは確か。そもそも一番速い馬を探しているのではなく、一番強い馬、勝つ馬を探そうと思っていたことを忘れそうになったし。

――でも、速いと勝てるよね。

A:すごく差があるならわかるけれど、ほとんど同じ速さで走れる馬たちだよね。コースや展開、駆け引きで順番が入れ替わるくらいだから、最速の馬を探すのは参考くらいにしかならないと思うんだよね。それに、走破タイムって、そんなに気にしているのかな。調教師が「今日は128秒台で走り抜けたい」なんてコメント出したことないでしょう。

――確かにタイムで賞金が変わったりしないね。

A:そうそう。中央競馬のコース形状だってバラバラだし、メイン競走の重賞と同じ日に同じコースで条件戦の方がいいタイムということもあるよね。賞金額が変更されることはないしね。いくら時間が掛かっても、その競走で最初にゴールを駆け抜ければいい。結果として、競走で勝った馬が一番速かったのは間違いないとはいえ、速く走れるから勝ったわけではないということ。人間のフルマラソンに近くて、勝つことだけが大事なのでは。フルマラソンの場合はタイムも重要だけど。

――タイムよりも馬の強さがわかるようなモノサシってあるかな。

A:それが分かれば勝てそうだねー()

(つづく)

(SiriusA+B)

2015年8月6日木曜日

第18夜 競馬予想で夜更かし――居酒屋トーク(2)


美味しいイタリアンもいいけれど、競馬談議には居酒屋がよく似合う気がする。

このブログの原点ともいえる居酒屋トーク。

話があちこちに展開していくが、ブログのエッセンスをお伝えできるのではないかと思う。12回に分割して記載する。(その2)

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▼必勝法

――サイン馬券なんか、手軽でいいけど、ダメってことか。

A:案外そんなこともないかも。サインって、馬の名前や枠順の色なんかでJRAが勝馬のメッセージを送っているっていうものでしょ。ある意味ランダムに選ぶようなものだから、馬連や3連単なら、75%くらいの回収率になるんじゃないかな。馬券ベタな人より、時間掛けずに済む分だけ効率がいい気がする。

――馬を見なくてもいいの。

A:馬を見て予想しなければならない、と決められているわけではないもの。

――そっか。考えてみたら当たり前だけど、固定観念みたい。言われると「目からウロコ」って感じだよね。

A:そうそう。オッズ理論なんかも馬を見ないよね。必勝法ならなんでもいいよ。「勝てば官軍」なんだから。

――学術的に言うと()、サイン馬券とは馬を見ることは不可能だからランダムに掛けるということだね。高額配当も狙えるということか。

A:ところが、この馬券の使い手に限らず、最後にオッズを見ている人が多い気がする。あまりに人気薄だと怯んだりするよね。馬連や馬単で人気馬と絡めて買ったり、購入金額を小さくしたり。

――そうすると、75%の回収率に届かなくなるかもしれないね。

A:オッズに引きずられると、どうしても人気馬を中心に買ってしまって回収率は低くなるみたい。理論的なものではないけれど、人気馬ばかり買ったり、穴馬ばかり買ったりするのはどうかな。大数の法則に吸い込まれていく気がする。

――本命党とか穴党はよくないってことなの。

A:本命党や穴党って、オッズを見て買うでしょう。自分の選んだ本命が、結果として人気馬ばかりという本命党ならいいと思う。よく、オッズの逆数が的中率と近似しているって言うじゃない(注。非常に簡単にすると、「1/オッズ×(3/4)」単勝・複勝なら「×(4/5)」=的中率)。オッズを見て買うということは、結局回収率75%になるように買っているということ。自分が選んだ馬なら、オッズが示している以上の的中率と無関係に選んだということだから、等式が成り立たない。精度の高い予想なら75%以上の回収率になるだろうし、そうでなければ75%より低い回収率にとどまると思う。
→第5夜 オッズはほんとうに重要なのか

(つづく)

(SiriusA+B)

2015年8月3日月曜日

第17夜 競馬予想で夜更かし――居酒屋トーク(1)


美味しいイタリアンもいいけれど、競馬談議には居酒屋がよく似合う気がする。

このブログの原点ともいえる居酒屋トーク。

話があちこちに展開していくが、ブログのエッセンスをお伝えできるのではないかと思う。12回に分割して記載する。(その1)

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▼黒字のヒト

――競馬で生計を立てるとまではいかなくても、長い間黒字のヒトって日本にどのくらいいるのかな。

A:予め主催者に「寺銭」を取られているから、少数というより「まれ」なくらいじゃないかな。1年とか2年黒字というヒトは結構いるだろうと思うけれど、何年もプラス収支を続けるのは東大に入るくらい難しい気がする()
→第1夜 達人の領域
→第4夜 黒字収支を続ける人はどのくらいいるのだろう

――東大に入るくらいだったら、同級生で0.2%0.3%といったところだね。

A:競馬人口150万人から160万人とみて、5,000人弱という規模でしょう。仮定の話だから適当だけど、あるいはもっと少ないか、もっと多いかは正直分からない。ただ、何万人もいるとは思えないということは確か。競馬で黒字になっているヒトが明らかになったのは、わたしの知っているもので2件。香港に拠点を置いていた集団と、大阪国税局に摘発された会社員の人。会社員の人は税制に一石を投じてくれたわけだけれど、この水準まで儲けているヒトもあまりいなさそうということもわかった。

――自分が黒字かどうかは言わないんだ。

A:少なくとも平均よりは成績がいいところにいる、ということで()

――競馬で勝つ秘訣って何だろうね。

A:アンケート調査でもできればいいけれど()。少なくとも予想法にオリジナル性があることは確かかな。1から予想ツールを作るかどうかはともかく、市販の予想ソフトでもひと工夫しないとね。皆と同じなら勝てないわけだから。

――専門紙やスポーツ紙の予想では勝てないということね。

A:誰かの印をそのまま使うっていうのでは、黒字は無理じゃないかな。ごく短期的にはあり得るけれど。競馬で儲かれば不労所得と揶揄する人も多い。わたしから言わせれば、不労どころか相当真剣に取り組まないと。

――ラクして儲けるなんて話ではないよね。

A:そうそう。その思った時点でもうプラス収支にはならない気がする。
→第3夜 試験の神様でも出たとこ勝負ではないということ

(つづく)

(SiriusA+B)

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