美味しいイタリアンもいいけれど、競馬談議には居酒屋がよく似合う気がする。
このブログの原点ともいえる居酒屋トーク。
話があちこちに展開していくが、ブログのエッセンスをお伝えできるのではないかと思う。12回に分割して記載する。(その3)
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▼スピード指数などの時計理論
――精緻な予想といえば、スピード指数とか速度を使った理論だよね。
A:出てきたな(笑)
――スピード指数はリスペクトしているでしょう。
A:もちろん、今もすごいと思っている。使わなくなっただけ。まだウインドウズが3.1でExcelが4.0のときに高いパソコン買って1、2、3着のタイムをちまちまと入力したよ。まだシートが1枚だけでね、画面の端っこまで入力するとよくフリーズしたので苦労した。
――年齢がばれる(笑)
A:
西田式スピード指数の本は何度も読み返して自分なりの改良をして基準タイムや馬場指数を出したのに、収支トントンまであと一歩が続いたね。長い間走破タイムとにらめっこしていて、ちょっと限界を感じたかな。
――限界というと。
A:馬はホントに全力で走っているのかっていう……(笑)
――スピード指数のそもそもの前提が疑問になったと(笑)。少なくとも、一瞬、全力を出しているのは分かる。悲しいけど途中で骨折して予後不良になる子もいるからね。でも、ゴールしたあとに疲れ果てて倒れこんだ馬は見たことない。発走からゴールまでずっと全力じゃないっていうことだよね。
A:スローペースで展開して上がり3ハロンが鋭いと、「もしかして余裕?」とか(笑)
――そこで、いろいろと修正する派生理論が登場。
A:競走のペースや大外を回ったとかの位置取りを考慮した指数は研究されたよね。
――坂道や直線の長さとか。コーナーの研究も見たことある。
A:でも、どんなに精緻にしても的中率が向上しない。わたしの場合は、タイムではなく、速度に換算することでより精緻にできると思った。統計学的にもこの方がいいらしいね。わたしの予想法の問題はここにある、速度に直すことで的中率が劇的に改善する、と思った。
A:
実際やってみて多少は精度が上がったよ。わたしの作ったスピード指数の問題かもしれないけれど、成績の良くないときの指数が実力以上に悪くなるような感じだったから。速度に換算して歪みがないというかフラットな感じになったね。でも、懸案の「全力疾走」への疑問は解決しなかった。スピード指数にしても、速度にしても、馬の強さを示している気がしなくなって。
――じゃあ、速度も捨てた、と。
A:捨てたつもりはないけれど、だんだんその要素の比率が低くなってきたことは確か。そもそも一番速い馬を探しているのではなく、一番強い馬、勝つ馬を探そうと思っていたことを忘れそうになったし。
――でも、速いと勝てるよね。
A:すごく差があるならわかるけれど、ほとんど同じ速さで走れる馬たちだよね。コースや展開、駆け引きで順番が入れ替わるくらいだから、最速の馬を探すのは参考くらいにしかならないと思うんだよね。それに、走破タイムって、そんなに気にしているのかな。調教師が「今日は1分28秒台で走り抜けたい」なんてコメント出したことないでしょう。
――確かにタイムで賞金が変わったりしないね。
A:そうそう。中央競馬のコース形状だってバラバラだし、メイン競走の重賞と同じ日に同じコースで条件戦の方がいいタイムということもあるよね。賞金額が変更されることはないしね。いくら時間が掛かっても、その競走で最初にゴールを駆け抜ければいい。結果として、競走で勝った馬が一番速かったのは間違いないとはいえ、速く走れるから勝ったわけではないということ。人間のフルマラソンに近くて、勝つことだけが大事なのでは。フルマラソンの場合はタイムも重要だけど。
――タイムよりも馬の強さがわかるようなモノサシってあるかな。
A:それが分かれば勝てそうだねー(笑)
(つづく)
(SiriusA+B)