2016年11月27日日曜日

第131夜 鳶が鷹を産んだとは思わない――1990年生繁殖牝馬の「同窓会」(8)


▼賞金を稼いだ産駒の話
前夜の表を再掲する。
繁殖牝馬の競走時代の成績で下位80%に属する「Ba」「Bb」グループから出現した獲得賞金1億円以上の産駒について調べてみる。
下表のように、Ba馬から34頭の産駒とBb馬から19頭の産駒がいる。
サンプルが少ないので、53頭をまとめて集計する。
(表1)1990年生まれの繁殖牝馬670頭の仔で1億円以上獲得した産駒89頭

Aa
Ab
Ba
Bb
計
繁殖牝馬頭数
95
40
234
301
670
1億円以上獲得産駒数
28
8
34
19
89
登録産駒数全体
705
275
1,563
1,741
4,284
出現率
4%
3%
2%
1%
2%


▼出産状況
まず、出産状況から考察する。
表2のように、出生順位別の集計を行なった。
あまり特徴的なことはなかったが、やはり8番目の仔までに9割が生まれている。
実は10頭目以降に生まれた馬がヒントになっているのだが、それは次項で説明する。

表3は、母馬の出産年齢である。
これもあまり特徴はないが、比較的高齢でも優れた仔を産んでいることがわかる。

いずれも、データに特徴がないので出産状況も調べてみた。
表4である。
日本では繁殖牝馬に毎年種付けをしている。
あまり意図的に空けることはないようなのだが、妊娠しなかったり流産したりして結果的に空いてしまうことが少なくない。
このデータでは、前年出産しなかった繁殖牝馬の仔が12頭、前々年も出産しなかった繁殖牝馬の仔が2頭いることがわかった。
この14頭は平均的出現率より少し高いようだ。
前年に生まなかった事情はわからないが、かえって好影響を及ぼしている可能性もある。

(
表2)何番目の仔かの集計

産駒番号
頭数
累積%
第1仔
8
15%
第2仔
9
32%
第3仔
11
53%
第4仔
7
66%
第5仔
4
74%
第6仔
4
81%
第7仔
3
87%
第8仔
3
92%
第9仔
0
92%
第10仔
0
92%
第11仔
1
94%
第12仔
2
98%
第13仔
0
98%
第14仔
1
100%
合計
53

 

(表3)母馬の出産年齢別集計

母馬出産時年齢
頭数
累積%
5歳
7
13%
6歳
3
19%
7歳
8
34%
8歳
8
49%
9歳
8
64%
10歳
5
74%
11歳
3
79%
12歳
1
81%
13歳
3
87%
14歳
1
89%
15歳
1
91%
16歳
1
92%
17歳
2
96%
18歳
1
98%
19歳
1
100%
合計
53
 

 

(表4)繁殖牝馬の直前の出産状況

空胎
頭数
初仔
8
前年から連続して出産
31
1年空胎(流産なども含む)
12
2年空胎(流産なども含む)
2
合計
53

▼何度でも出現する
以上の集計結果からは、あまりぱっとした特徴がなかった。
ところが、データをもう少し詳しくみると、ちょっと面白いデータに気がついた。
母馬が同じ、つまり兄弟姉妹が意外に多いのである。
53
頭の母親は、38頭だった。
このうち母馬5頭が2頭の優秀な産駒を産み、2頭が3頭を産み、さらに別の2頭が4頭を輩出したということである。
ちなみに1頭しか輩出しなかった29頭の繁殖牝馬も、1億円には届かないだけで、競走成績が優秀な産駒を出す傾向に変わりはない。
「Ba」「Bb」馬に位置づけられていても、優秀な繁殖牝馬は何度でも優れた仔を産むのだ。
競走成績とは別の繁殖能力の存在を考えさせる結果であった。
鳶が鷹を産むというようなことはないのである。

こうした調査から、父馬母馬だけでなく、兄姉の競走成績も参考になることがわかるだろう。
「母父が」とか「ナントカという馬のクロス」よりよほど馬券の検討に役立つと考えている。
(
表5)1億円以上の賞金を獲得した産駒数

1頭のみ
29
2頭
5
3頭
2
4頭
2
合計
38
(SiriusA+B)

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